HMR HONDA(エイチエムアールホンダ)のメカニック ムラマツです。今回は、前回大容量デフカバーとガセットプレートの取付をさせて頂いたS2000のブレーキ廻りのフルリフレッシュ編です。マスターシリンダー、各キャリパーのオーバーホール、ブレーキホースの交換をご依頼頂きました。ストリートでもスポーツ走行でもクルマは止まる事が一番大事ですから、リフレッシュを考えているのであればブレーキからがオススメですね。
S2000(AP1)マスターシリンダーのオーバーホール
早速作業を進めていきます。まずはマスターシリンダーです。マスターシリンダーは各キャリパーと違い基本的に固着してしまう事はありませんが、内部のピストンシール、パッキンの劣化などによりブレーキフルードが漏れてしまう事があります。フィーリングの悪化やエア噛みにつながりますので、一度はオーバーホールしておきたいですね。マスターシリンダーを取り外すには、ブレーキパイプを取り外さないといけません。10ミリのスパナで緩められそうなボルトですが、しっかりとトルクがかからないのでボルトをなめてしまいます、、、専用のフレアナットレンチで外します。パイプが緩んだ瞬間にブレーキフルードが出てきますので養生を忘れずにですね。
マスターシリンダーが外れました。マスターバック側はこんな感じになってました。中央のパッキンのあたりにうっすら錆がみえますねぇ。若干ながらブレーキフルードが滲んていた可能性があります。
マスターシリンダーのマスターバック側はこんな感じに。こちらにはマスターバック側の錆が付着していました。マスターシリンダーを分解してオーバーホールをします。マスターシリンダーの中にはこんな部品が入っています。左側がプライマリピストン、右側がセカンダリピストンといいます。ブレーキペダルを踏むと、ピストンが押され、ブレーキフルードが押し出される仕組みですね。
マスターシリンダー内部をクリーニングして、新品のピストンを組付けてマスターシリンダーのオーバーホールは終了です。錆があったマスターバックをチェックします。塗装を削ってどこまで錆が進行しているか確認してみると、取付部分の下側のみでした。機能に問題はなさそうなので、綺麗に錆を落として、
防錆塗装をしました。見た目は新品に復活です!
マスターシリンダー本体を組付けて、作業終了です。マスターバックの輝きがイイですね。
S2000(AP1)ブレーキキャリパーのオーバーホール
続いて、各キャリパーのオーバーホールを行っていきます。まずは車体からキャリパーを取り外します。
こちらはフロントキャリパーですね。見た目はなんともないのですが、ピストンを抜いてみると、、、、
案の定錆が発生していました!取り外す前のチェックでもフロントは若干の引きずりがありましたので、やはり固着の症状が進んでいたみたいですね。
キャリパー内部はこんな感じになっていました。普通に走れていても分解してみると錆は進行しているんですね。
ツールを使って錆を落としていきます。結構根気のいる作業なんです、、、
錆が落ちてキレイになったら、新品のピストン・シールキットを組み込んでいきます。シールキットにはちゃんとグリスも付属してきます。ピンクはピストンシールとダストブーツに、透明はピストンの組付けに、オレンジはスライドピンの組付け用です。
スライドピンの状態もチェックしてグリスアップして組み込みます。
フロントキャリパーのオーバーホール完了です。
こちらはリア側ですね。リアは引きずり感はあまりなかったのですが、分解してみると、、、
やはり錆てました、、、
こちらも新品のピストン、シールキットを組み込んでいきます。
組み込みが終了しました。性能に差が出るわけではありませんが、リテーナースプリングも清掃して戻しておきます。せっかくのオーバーホールですから中も外もキレイにしてこそですね。もちろんキレイにする事で異常の早期発見にもつながります。これでキャリパーのオーバーホールは完了です!
S2000(AP1)無限マイクロメッシュブレーキラインの取付
続いてブレーキホースの交換を行います。今回、オーナー様より無限のマイクロメッシュブレーキラインをオーダー頂きました。ホンダといえばやはり無限ですね!?
中身はこんな感じになっています。パッキンは当たり前に付属していますが、配管を固定するリテーナースプリングも付属しています。さすが無限さんですね。さらに、無限製のすごい所はブレーキホースの固定のブラケットが全て車種専用になっています。他社さんのメッシュホースですとブラケットは汎用なので、車種ごとのブラケットの位置に合わせて固定してあげる必要がありますが、無限製は言わばポン付け出来るようになっています。クオリティも間違いないですが、メカニック的にもありがたい所ですね。
純正のノーマルホースと同じように取付出来るので、サックっと取付完了です。
すべての作業が終わりましたので、最後にブレーキフルードを注入・エア抜きを行います。オーナー様はサーキット走行が前提ですので、スポーツ走行対応のDIXEL DOT5.1のブレーキフルードを使用させて頂きました。
フルードの漏れチェックをして、問題なければテスト走行をして作業終了です。作業前はペダルを踏みこむとガチっとしているけどストロークがない感じだったのが、リフレッシュ後はしっかりとストロークし、それでいてカチッとしたタッチになりました。ピストンの動きが正常になったおかげですね。これで安心してサーキット走行を楽しんで下さい。I様ご依頼ありがとうございました。
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