HMR HONDA（エイチエムアールホンダ）の栗原です。今回はスプーンECU 中期モデル ガラス幌装備のS2000(AP1)の納車前点検整備を行いました。作業担当はメカニックのワタナベです。
S2000(AP1)の納車前点検
最初にバッテリーの健全性をチェックしていきます。充電が少なくなっていたので充電を行いました。バッテリーの寿命は使用状況によりますが新品に交換後3〜5年となります。 
バッテリーの固定ステーが欠品しておりましたので後ほど取付けしました。
エアフィルターの点検を行います。汚れも少なく問題ありませんでした。汚れで目詰まりを起こすと燃費悪化やエンジン本来の性能を発揮できなくなります。定期的にケースを開けて目視で確認してみましょう。 
インテークホースをチェックしました。亀裂や破損などは無く良好な状態です。インテークホースに亀裂や破損が起きるとエアフィルターを通さない空気がエンジンに送り込まれてしまいエンジン不調の原因となります。定期的な点検をおススメいたします。 
次に冷却系廻りを点検していきます。ホースに漏れはありませんでした。経年劣化していくと亀裂が入りそこから冷却水が漏れてしまいエンジンがオーバーヒートを起こす可能性があります。定期的な点検をおススメいたします。 
続いてプラグの点検を行いました。プラグに汚れ・消耗が見受けられます。現状支障はありませんが、半年〜1年以内での交換をおススメさせていただきました。先端の部分がひどく汚れてしまうとエンジンが掛かりづらくなったり、走行中に失火が起こり故障の原因となります。エンジンが掛かりづらくなるなどの症状が出た場合は当店にご相談ください。 
補機ベルトの状態およびオートテンショナーの異音やガタが無いかを点検していきます。補機ベルトは少し劣化してきており、お客様のオーダーで後ほど交換させていただきました。ベルトが切れてしまうとバッテリー充電が出来なくなり最悪エンジンが停止する恐れがあります。定期的な点検をおススメいたします。 
ウォッシャータンクのフタが割れていましたので、こちらもお客様からのオーダーで後ほど交換させていただきました。
ウォッシャー液が通るホースの分岐部が割れていましたので後ほど交換させていただきました。
ボンネットのウォッシャーノズルの右側がグラグラになっていましたのでこちらも修理します。
続いてハブのガタをチェックしていきます。タイヤを上下左右にゆすってチェックします。特に問題ありませんでした。 
タイヤを取外して溝の残量を確認します。フロント・左リアは5mm程度残っていましたが、右リアだけ0.5mmと極端に溝の残量が少なくなっていました。
なので今回は、お客様のオーダーでリアのみ新しいタイヤに交換しました。
リフトアップして下廻りをチェックしていきます。 
足廻りのブッシュ・ブーツをチェックしていきます。ブッシュ・ブーツが劣化してそのままにしておくとそこからグリスが漏れ出したり、異物が侵入して足廻りの機能に支障をきたすだけではなく、車検を通過できなくなってしまいます。またそれ以外にもダンパーのオイル漏れがないかを点検していきます。 
今回は各所のブーツ・ブッシュが全体的に傷んでおりましたので交換部分が多かったです。
左右タイロッドエンドブーツもヒビ割れが見つかりました。ヒビ割れ以外も、全体的に状態が良くないのでお客様からのオーダーで各部リフレッシュさせていただきました。
左右フロントナックルロアアームブーツにもヒビ割れが見つかりました。穴になってしまっていますね。こちらも交換させていただきました。
スタビリンクブーツ（前左右・後右）にもヒビが一周するように入っています。こちらも交換させていただきました。
フロント左右ロアアームブッシュにもヒビ割れが見つかりました。
フロント左右アッパーアームブーツの中央にヒビが入っていますね。 またトーコントロールロッドブーツもヒビが入っていましたのでこちらも交換させていただきました。
ブレーキ廻りの点検をしていきます。まずはブレーキキャリパーシールの状態やキャリパーピストンの動きを確認していきます。特に問題ありませんでした。 
キャリパーシールが劣化しピストン内に水分が侵入することでサビが発生します。サビをそのまま放置しているとキャリパーの動きを阻害されブレーキの引きずり症状や固着を引き起こしてしまう可能性があります。 
ブレーキパッドの残量をチェックしていきます。フロント5mm・リア4mmでした。 
S2000(AP1)の油脂類交換
HMR HONDAでは納車前点検でエンジンオイルやオイルフィルター、ブレーキフルード、ミッションオイル、デフオイル、ラジエタークーラントを新品交換しています。油脂類がリフレッシュされていれば納車してすぐのドライブも安心して楽しめますね。まずはエンジンオイルから抜いていきます。エンジンオイルはエンジン内部の潤滑および冷却を行います。定期的なエンジンオイルの交換を行わず走り続けるとエンジン不調の原因となります。使用状況によりますが半年または5,000kmでの交換をおススメいたします。
オイルフィルターも交換します。交換のタイミングはオイル交換2回ごとです。 
ミッションオイルも抜いていきます。ミッションオイルが劣化していくとギアの入りが悪くなったり、最悪ミッションのギアを痛めてしまいミッションブローに繋がります。 
リアデフオイルも抜いていきます。 
クーラント液も抜いていきます。
リアデフオイルを入れていきます。 
新しいミッションオイルを入れていきます。ミッションオイルはホンダ純正のMTF-3を使用しています。 
エンジンオイルを入れていきます。エンジンオイルはWAKO’SプロステージS 100%化学合成油 10W-40を使用しています。 
新しいクーラント液を入れていきます。
次にブレーキフルードを交換しました。フルードはDOT4を使用しています。交換タイミングは車検毎をおススメしております。
サンフレアの有効期限が切れていたので交換します。サンフレアは有効期限が切れていても車載されていれば車検は問題ありません。但しいざとなった時に使えるとは限りませんのでHMRでは有効期限が切れたものは交換させていただいております。 
S2000(AP1)の部品交換作業
フロントのナンバープレートフレームを取付けいきます。
割れてしまっていたウォッシャータンクキャップも新しいものに交換しました。
折れてしまっていたウォッシャーホースの分岐部品を交換します。
これでグラグラも解決です。
ヒビ割れが見つかった補機ベルトを交換しました。
左が取り外されたもので表面にヒビでささくれています。
補機ベルトも新品に交換しました。 
次にクラッチのマスターシリンダーからフルード漏れが見つかりましたのでこちらも交換します。
手前が交換品です。 
取外してみると漏れたフルードでだいぶ汚れが詰まっています。
当然ながら交換品はピカピカです。
交換したら新しいクラッチフルードを入れてエア抜きをします。
右のサイドミラーが作動不良を起こしていたので内部の可動部を交換しました。
内部可動部の動作不良によってミラーの調整ができなくなっていました。
ダッシュボードのボタンカバーがなくみっともないので
新しいカバーをはめ込みました。見えにくいところではありますが、これだけでも車内の見栄えは一段と良くなりますね。 
S2000ではポピュラーなトラブルである車内灯の不点灯。通電部の汚れで引き起こされています。
このように何度もスイッチのONOFFを繰り返しているうちに擦れて表面が汚れてしまい通電しなくなってしまいます。
軽く表面を研磨することで解決します。
ドアスイッチも劣化で開け閉めの判別ができなくなったので交換します。
左右のスモールランプが色違い、これでは車検は通過できません。
右側のスモールランプを左側のに合わせて交換しました。
次にかなり消耗が進んでしまったリアタイヤを交換します。交換するタイヤは定評のあるナンカンタイヤのNS-2です。
タイヤチェンジャーでホイールを傷つけないようにタイヤを取外していきます。
古いタイヤを取り外したらエアバルブも交換します。
再びタイヤチェンジャーで新しいタイヤを取付けてエアを注入します。
次にタイヤバランサーで回転させてバランスウェイトをホイール内側に貼り付けてバランス取りをします。これでようやくクルマに装着できます。
次にヒビ割れが多い足回りの各ブーツ・ブッシュ類を交換します。まず最初にフロントナックルロアアームブッシュです。
取外してみると右の交換品と比べて明らかにひしゃげてボロボロになっています。
フロントタイロッドエンドブーツも同様に交換していきます。
こちらもぱっくり割れてしまっていますね。
フロント・リア左右のスタビリンクも交換していきます。
裂けてしまって中身が見えてしまっています。
右側が新しいスタビリンクです。
ロアアームはアームごとアッセンブリー交換します。
写真下が新しいロアアームASSYです。
部品が入手できるうちに、購入時にブーツブッシュ類をリフレッシュすると納車してすぐ不安なくドライブを楽しむことができるのでおススメです。
足回りの交換作業の後、アライメント測定調整を行いました。
写真を取り忘れてしまいましたが、オーディオの取付け、ETCのセットアップ、ROOFスイッチイルミ交換などを行いました。以上で作業は終了です。Y様、この度はS2000(AP1)ご契約ありがとうございました。ホンダが誇るVTEC FRスポーツカーのドライブを楽しんでください！
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