HMR HONDA(エイチエムアールホンダ)メカニックのモリヤマです。今回はパープルに全塗装されたS2000(AP1)の納車前整備を行いました。ハードトップにスピリットの車高調など走りの装備が充実した一台です。
S2000(AP1)納車前整備
まずはエンジンルームの点検です。スパークプラグの点検をします。電極の異常な摩耗もなく問題ないですね。
次にインテークパイプの点検です。ここでは蛇腹の部分やホースの分岐に亀裂が入りやすいので注意が必要です。
こちらの車両ではホース分岐部分と取り付け部に亀裂が発生しています。こちらは後日交換します。
ラジエターの点検です。アッパータンクにひびや割れがないか、カシメ部分からの漏れがないかチェックします。漏れもなく良好です。
エンジンのオイル漏れの点検です。S2000などでは定番のヘッドカバー、VTECスプールバルブからの漏れもなく良好です。
ブレーキマスターの液漏れを点検します。こちらも漏れもなく良好です。
クラッチマスターの点検です。こちらはエンジンルーム内に漏れはありませんが、車両内のペダルのプッシュロッドから漏れが発生しているため交換します。
エアクリーナーの点検です。こちらも問題なしですね。
エンジンルームの点検が終了したら、次にハブベアリングの点検をします。今回は左リアのハブベアリングにガタが出ているため、こちらも交換します。S2000では定番の症状ですね。
次にブレーキの点検です。ピストンブーツが破けてしまっていますね。こちらもオーバーホールしてリフレッシュします♪
ブレーキパッドの残量は問題なしですね。
リアブレーキの点検です。こちらはブーツの破けもなく、スライドピンの動きも問題なしです。
ブレーキパッドの残量もOKです。
次に車体下の点検に合わせて冷却水、エンジンオイルなど油脂類を交換します。
デフオイルは結構汚れていますね。こちらも新しいオイルでリフレッシュします!
ドレンボルトにはオイルに混じる鉄粉を吸着するマグネットが付いています。こちらもキレイに清掃します。
新しいデフオイルを入れます。
新しいミッションオイルを入れます。オイルはHONDA純正品のMTF-3です。
車両下の点検が終わったら、次に新しい冷却水を入れます。
新しいエンジンオイルも入れます。オイルはワコーズのプロステージSです。
S2000(AP1)リアハブベアリング交換
後日部品が到着したので、ガタが発生していた左リアのハブベアリングを交換します。まずはブレーキキャリパー、ブラケットを外していきます。
ブレーキローターのネジは固着している場合が多いので、インパクトドライバーを使用して緩めます。
ブレーキローターが外れました。こちらの車両にはスリットローターが装着されています。
続いてハブを取り外します。
ハブが取り外せました。ベアリングの痛みが酷く、簡単に外れてきました。
次にロアアーム、コントロールアーム、アッパーアームのジョイントを外してナックルを車両から外します。
無事にリアナックルが外れました!
このタイミングで劣化して破けていたコントロールアームのブーツを交換しておきます。
今回の交換部品です。新品のハブが輝ていますね!
油圧プレスを使用してナックルからベアリングを外します。
お疲れのベアリングとはここでお別れです。新しくリフレッシュしましょう!
新しいベアリングを圧入します。油圧プレスは強力な力で部品を脱着できますが、使い方を間違えると部品ごと破壊してしまいます・・・慎重に作業を進めていきます。
ベアリングの圧入が終了しました。ナックルには平らな面が少ないため、スペーサーなどで高さを合わせてまっすぐにするのが意外と大変です。。。
最後にハブを圧入します。このハブを圧入する前にバックプレートを固定しないと、あとで取り付けることができないので要注意です。
バックプレートには切込みが無いため、ハブを挿入した後には取り付けができないです。メカニックにとって恐ろしい罠です・・・
後は逆の手順で元に戻していきます。スピリットの車高調がチラ見えしています。前オーナー様は走りへのこだわりが強い方だったみたいですね。
ブレーキローターを取り付けて、キャリパーを取り付けたら作業は終了です。
S2000(AP1)ブレーキキャリパーオーバーホール
次にシール切れをしているフロントブレーキキャリパーをオーバーホールします。まずはブレーキキャリパーを外すため、ブレーキラインを外します。
ブレーキキャリパーを外します。ピストンのシールが破けてしまうと、中に水が浸入してしまいピストンが錆びてしまいます。そうすると動きが悪くなるためブレーキの利きが悪くなったり、最悪固着してしまい、ブレーキピストンが戻らなくなり引きずりを起こすことも。点検などで発見されたら、すぐにオーバーホールをすることをおススメします。
ブレーキキャリパーが外れました。
まずはブレーキキャリパーからピストンを取り出します。ブレーキラインの穴からエアで押し出します。
ピストンは錆びていますね。この錆が広がると、ブレーキが固着してしまいます。
キャリパー本体にも錆が出ているので、こちらはクリーニングしていきます。
専用の工具でキャリパー内を研磨していきます。
これでキャリパーの準備はOKです。
今回の交換部品です。ピストンも新品に交換します!
ピストンシールを取り付けて・・・
ブーツとピストンを取り付けます。
後はブラケットにキャリパーを取り付けて作業は終了です。
新品のブーツとピストンに交換したので、安心してドライブできます♪
反対側のブレーキキャリパーも同じようにオーバーホールします。
当て布をしてキャリパー本体が傷つかないようにピストンを取り出します。結構な勢いで飛び出してくるので注意が必要です。
キャリパー内の錆をキレイに落としていきます。
後は新品のブーツ、ピストンを組み付けて元に戻せばオーバーホールは終了です。
最後にブレーキフルードの交換&エア抜きをして作業は終了です。
S2000(AP1)クラッチマスター交換
次は車内側から漏れが発生しているクラッチマスターの交換です。ペダル奥のプッシュロッドから漏れがクラッチフルードが漏れています。このまま放置すると漏れが悪化し、クラッチが切れなくなり走行不能いなることもあります。
車内から固定ナットを外し、エンジンルーム側の配管を外せばクラッチマスターが外れます。
あとは新品を逆の手順で取り付けて、クラッチのエア抜きをして交換は終了です。
S2000(AP1)インテークパイプ交換
最後に亀裂が入っているインテークパイプを交換します。配管の付け根の部分に亀裂があります。
まずはエアクリーナーを外します。
次に接続されている配管とホースバンドを外してインテークパイプを外します。
インテークパイプが外れました。
ホースバンドの取り付け部にも大きな亀裂があります。放置しておくとエンジンが直接エアを吸入してしまい、エンジンルーム内のゴミなどがエンジン内に入ってしまいます。エンジン不調の原因になることもあるので、すぐに交換したい部品ですね。
新しいインテークパイプに交換します。これですべての作業が終了しました!
K様ご納車までもう少しです。お楽しみにお待ちください♪
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