HMR HONDA(エイチエムアールホンダ)のメカニック ムラマツです。今回はトルネオ ユーロR(CL1)のオイル漏れ修理をご依頼頂きました。CL1といえばアコードがメジャーですが、トルネオもまだまだ人気ですね。HMRでも代車兼スポーツ走行号としてバリバリ走らせています。今回のオーナー様のお車はブレーキキャリパーやサスペンションなど随所にホンダツインカムチューンが見受けられるライトチューン仕様です。エンジン下部からのオイル漏れがひどくなってきたとの事でご相談頂き、車検整備と併せてオイル漏れ箇所の修理をさせて頂きました。
アコード ユーロR(CL1)タイミングベルト・バランサーベルトの取り外し
今回は、オイル漏れ修理がメインですが、タイミングベルトを外しての作業になりますので関連する消耗部品も併せて交換させて頂く事になりました。各種ベルト類から、オイルシール、ウォーターポンプ等まとめて交換します。一度に作業しておけば他の箇所から不具合が出る心配が減りますし、何よりお金も手間も二度手間にならないのがいいですね♪
まずはオイル類を抜いていきます。サブフレームが漏れたオイルでベチャベチャになっていますね、、、 クーラント(冷却水)も抜きます。 ちなみにオイル漏れはクランクプーリーの奥の、、、 タイミングベルトカバーの中からポタポタと漏れていました。ココにオイルが溜まっている場合はカムシャフト、クランクシャフト、バランサーシャフトのいずれかのオイルシールの劣化の可能性が高いです。余談ですが、バランサシャフトはH22Aエンジンの特徴的な部分でもあります。エンジンの振動を少なくする為の装置ですね。他にもCL7アコードユーロRのK20Aエンジンにも採用されています。DC5インテグラやFD2シビックと同じK20Aエンジンですが、CL7アコードユーロRのみバランサシャフトが装備されていました。タイプRとは違うユーロRという性格・車両の為と言われていますね。ヘッドカバーを外します。オイルの汚れはありますが、エンジン自体はスラッジもなく良好な状態です。 サイドのカバーを外すと、タイミングベルトとカムプーリーが見えてきます。 オルタネーター(発電機)やエアコンのコンプレッサーを回すドライブベルトは整備の邪魔になるので外していきます。クランクプーリーを外していきます。オーナー様のお車には軽量のクランクプーリーが装着されていました。慣性重量を減らしてレスポンスアップさせるパーツですね。 H22Aエンジンのタイミングベルト交換で最大の難関!?とも言えるサイドカバーを外します。エンジンとボディの隙間がほとんどなく、かなりの知恵の輪状態で外れてきますが、コツが分かっていても苦戦します(笑) サイドカバーを外すと、ようやくバランサーベルトとタイミングベルトの下側が現れます。手前に見えているのがバランサーベルトですね。クランクシャフトの動力を使い、エンジン前後に装着されたバランサーシャフトを回転させていて、クランクシャフトの振動を打ち消す振動を発生させています。 バランサーベルトとタイミングベルトを取り外しました。タイミングベルトはホンダツインカムさんの強化ベルトが装着されていました。それななりに劣化した状態ですね。各ベルトが外れた所で、今回のオイル漏れの犯人が見えてきました。リア側のバランサシャフトの下側が真っ黒になっています。どうやらココからオイル漏れが発生していたみたいですね。 エンジンブロックに、バランサシャフトを固定するサービスホールがあるので、シャフトを固定してバランサシャフトのギア部分を取り外します。シャフトを固定しておかないと、バランサシャフトの位置がずれてしまい組み上げた後に振動が出てしまい、バランサシャフトの意味がなくなってしまいます。ギア部分を取り外すと、中にパッキンが付いています。このパッキンが劣化によりオイル漏れを起こしてしまったみたいですね。 早速、新品のパッキンと念のために発注しておいたギア部分を新品に交換します。 ギア部分も軸にオイルシールがありますが、単体で交換出来ないのでギアケースごとの交換になります。 キレイに清掃して組付けていきます。 タイミングベルト交換時の定番ですが、ウォーターポンプも新品に交換させて頂きました。ウォーターポンプも劣化により水漏れする可能性がありますから、タイミングベルトの交換時はセットで取り換えておきたいですね。各シャフトのオイルシールを交換していきます。こちらもタイミングベルト交換時に変えておかないと、漏れしてしまった時に二度手間になってしまいます。こちらはフロント側のバランサシャフトです。 クランクシャフトのオイルシールも交換です。 クランクシャフトのオイルシールは金属のリングが入っている為、取り外しが大変です、、、取り外しの時にシャフト自体に傷を付けてしまうと、傷の部分からオイル漏れをしてしまう事がありますので慎重に作業していきます。 カムシャフトのオイルシールも交換します。 オイルシール類は一度も交換してなかったのか、かなり傷んだ状態でした。これで全てのオイルシールの交換が終わりましたので、後はどんどん元に戻していきます。 新品のタイミングベルトとバランサベルトです。今回は社外品を使用して組付けていきます。タイミングベルトとバランサベルトのテンショナーやプーリーも新品に交換します。どの部品も必ず劣化はしますから、一度に出来る箇所はなるべく交換しておきたいですね。 外した時と逆の手順で組付けていきます。もちろんタイミングがずれてしまったらエンジン不調になってしまいますので慎重に組付けていきます。 DOHCなので前後のカムプーリーの位置もしっかりと合わせます。今回は一発でOKでした。 続いてバランサベルトを装着します。先ほども書きましたが、少しでもずれてしまうと不快な振動が発生してしまうので、各シャフトの位置を確認して慎重に組付けます。バランサベルトはタイミングだけでなくベルトの張り具合も大事です。コツはやんわりと、、、です。 外すのに苦戦するサイドカバーをまた苦戦しながらエンジンに戻します(笑)サイドカバーの縁のゴムがオイルでベチャベチャでしたので新品に交換させて頂きました。 難所を超えたのであと少しです。ドライブベルトも新品に交換させて頂きました。ドライブベルトは劣化したままにすると異音が出たり、最悪の場合ベルトが切れてしまいます。ベルトが切れると発電が出来ずエンジンが止まってしまったり、油圧のパワーステアリングのクルマですと突然重ステになってしまい大変危険です!ひび割れが見つかったら早めに交換ですね。 ヘッドカバーのパッキンもオイル漏れの原因になりますので新品に交換します。 各部を戻してひとまず完成です! 今回は、ウォーターポンプも交換しましたので、併せてトラブルの多いサーモスタッドも交換します。 サーモスタッドが故障してしまうとオーバーヒートになったり、その逆でオーバークールになり冬場などにぜんぜん暖房が出なくなってしまいます。ウォーターポンプなど水廻りの修理をする時は併せて交換しておきたいですね。サーモスタッドを交換する時にエアインテークホースが邪魔になるので取り外しますが、今回はホースの一部に亀裂が見つかりましたので新品に交換させて頂きました。ココが切れてしまうとエアクリーナーを通さない空気を吸ってしまったり、車種によってはエンジン不調の元になりますね。 エアインテークホースがツヤツヤになりました。車種によっては廃盤になってますので気になる方は早目の交換がお勧めです。 エンジンオイルとクーラントを入れてエンジン始動です!!一発で元気よく掛かってくれました。クーラントのエア抜きがてらアイドリングを行ってオイル漏れがないか確認します。 長時間のアイドリングから走行テストをしましたが問題なさそうです。無事オイル漏れが直りました。これで一安心です!最後に整備した箇所をダブルチェックして終了です。後日車検の継続検査を行いましたが特に問題なく一発OKでした。無事オーナー様にお返しさせて頂く事が出来ました。HMRではメンテナンスや修理だけでなく車検、12ヵ月点検も出来ますのでお気軽にご相談くださいね。引き続きトルネオライフ楽しんで下さいね。S様この度はありがとうございました。
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