HMR HONDA(エイチエムアールホンダ)のイシケンです。デモカーS2000は最近出番があまりないのですが、その原因はトラブルなのです。2つあって一つは昨年から続いている左に引っ張られる症状。ハンドルを離すとグイっと左に持っていかれます。日本の道路は左側に下がっているので普通でも多少は左に行きますが、明らかにそれとは違う力で引っ張られます。車高を合わせて新品タイヤでアライメントを取っても変わらない。各アーム調を測定して左右で長さを合わせても同じ。電動パワステの影響かと思いトルクセンサーを交換して中心点書き込みをしても同じ。何をしても左に持っていかれます。
サーキットを走行してみても同じく左に持っていかれ、右コーナーはドアンダーで走れたものではありません。これを解決しないとタイムを狙うどころではない感じで最近は出番がないです。
もう一つのトラブルはブレーキです。車検に出した時に左リアブレーキが引きずっているというのと、フロントのブレーキバイトが左右差半分くらい出ている状態でした。ちなみにリアキャリパーはOHしたばかりなので引きずることはまずないはずなのに。。。
こんなトランブルが発生していてなかなか気持ちよく走らせられなくなっているデモカーS2000ですが、原因を特定して必ず復活させたいと思っています。そこで、今回は左に引っ張られる症状の改善のためにサブフレームを交換することにしました。まずはフロントからです。サブフレームが経年劣化によって曲がってしまうというのも少なくないようです。で、どうせ変えるならSPOONのリジカラを装着しようと思います。
作業はメカニックのムラマツ・モリヤマです。
S2000(AP1)フロントサブフレーム交換&SPOON(スプーン)リジカラ装着
それではまずフロントサブフレーム交換から入ります。フロントサブフレームはステアリングギアボックスやタイロッド、ロアアームごと下ろします。 では取り外しに入ります。フロントスタビを外します。 ロアアームやタイロッドエンド、ステアリングシャフトとギアボックスなどなど外してサブフレーム単体で下ろせる状態にしたらジャッキで支えながら下に降ろします。 こんな感じでサブフレームとステアリングギアボックス、ロアアームなどASSYで降ろしました。少し満足気なモリヤマメカニック。 ボディ側はブレーキ回りがだらんとなってしまうので、フックで吊らしておきます。 ここからステアリングギアボックス、タイロッド、ロアアームを新品のサブフレームに移植します。この移植の際にSPOONのリジカラを挿入します。(リジカラだけの装着でしたらサブフレームを降ろす必要はありません。) 見た目には降ろしたサブフレームが曲がっているのはわからないです。見た目で曲がっていたらかなり影響がでますからね。 ロアアームは取り外す際にキャンバーやキャスターに影響する偏心カムが装着されているので、もともと付けてあった位置に合わせるように新品に組み付けます。こんな感じで移植が完了しました。 ここにリジカラを装着します。 こんな感じでサブフレームとボディを締め付けるボルトの隙間を埋めるパーツです。 ボディに載せるのは3人がかりです。フロント左右のアッパーアーム、ロアアームの位置合わせで2人、もう一人が中央でギアボックスの位置合わせという感じです。 グリスをしっかりと塗ったリジカラを潰れないように綺麗に隙間に納めます。 あとは各部均等に締め付けてサブフレーム交換とリジカラ装着が完了です。締め付ける際はインパクトNGです。もしもリジカラが綺麗に納まっていない場合は潰してしまいます。また、ボディ側に斜めにボルトが入ったままインパクトで締めてしまった日にはもう目も当てられません。手の感覚をしっかりと感じながらすべてのボルトを均一に締め付けていくのがポイントです。
S2000(AP1)リアサブフレームSPOON(スプーン)リジカラ装着
続いてリアのリジカラ装着です。リアのサブフレームも新品交換したらいいのですが、リアはフロントと違ってかなりの時間がかかるため今回はまずフロントサブフレームの交換だけで様子見です。ただ、リジカラは前後セットなのでリアもしっかりと装着します。リアのサブフレームをリジカラが入る分(20mm~30mm)くらい下げます。各ボルトを少しずつ緩めつつもいきなり抜けたら危険なのでジャッキで支えながら作業します。こんな感じでボディとサブフレームに隙間を作ります。 全体同じ量だけ下げたら、一か所ずつボルトを抜いてリジカラを入れます。一気に全部のボルトを抜くと今度はボルトが入らなくなって位置合わせがとても大変になります。 これを隙間から挿入します。 こちらもしっかりとグリスを塗ります。 これがフレームに刺さっているボルトです。 こんな感じでリジカラが入るイメージですね。装着するとほぼわからないので装着前にイメージとしてこんな感じでボディとボルトの隙間を埋めるのだと思っていただければ分かりやすいと思います。 少し厄介なのが後方のフレームを下げるところです。ノーマル車高ならいいのですが、車高が低いと車高調とロアアームを切り離すのとスタビも切り離さないと降りてこない点です。 そんなこんなで後ろ側のリジカラも無事に装着完了です。この後車高が落ち着くまで1日明けてアライメントを調整して試乗に出ました。結果は左に引っ張られる症状は変わらず。。。少し改善された??気のせい?というレベルでした。それよりもリジカラの効果にビックリです。乗り心地がとても良くなったのです。小さな振動や不快な上下動がなくなって車体がピタッと路面に吸い付く感じで、安定感が全然違います。高速道路でもテストしましたが高速域での安定感も抜群に良くなりました。リジカラ恐るべしです。でも肝心の左に引っ張られる症状の原因特定に至らず、また試行錯誤します。
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