86/BRZのアプライドモデル見分け方とA,B,C,D型の違い
8&B HMR(エイトアンドビーエイチエムアール)の石川です。86とBRZってどんなクルマなのかシリーズ第2弾。今回はアプライドモデルB、C、Dについて紹介したいと思います。アプライドモデルってなんだ?って方もいると思いますので説明させて頂きます。アプライドモデルとは、スバル車に用いられている車両モデルのことで、モデル進化に合わせてアルファベットが進んでいきます。なので、このアプライドモデルのアルファベットを見ることで、その車がどのようなマイナーチェンジを受けた車なのかがわかるようになっています。86とBRZはスバル生産のため、他のスバル車同様にアプライドモデルが割り振られているのです。
なお、そもそも86とBRZ(アプライドA型)ってどんな車だという方は、「トヨタ86(ZN6)/スバルBRZ(ZC6)の前期モデルってどんなクルマ?」をご覧ください。
■アプライドモデルの見方
アプライドモデルは、コーションプレートと呼ばれる車の車体番号などが記載されたプレートに書いてあります。86/BRZの場合は助手席のドアを開けたBピラーにあたる箇所にコーションプレートが貼ってあります。このプレートの中に「アプライドモデル」とご丁寧に記載されています。ZN6は型式で、その後のアルファベットがアプライドモデルになります。この画像で言うと「E」型ということです。他にもこのようにアルファベットが変わっています。これは「D」 型です。こちらはBRZで、「A」型。
■86/BRZのアプライドモデルA・B型
アプライドモデルB型への変更で電動パワーステアリング制御に改良が加えられました。この制御によってよりリニアな操作が可能になり、少しステアリングも軽くなった感じです。そして、BRZには2013年9月24日に一部改良を施したのですが、その変更点はとても小さなものです。
・主な変更点
「S」はこれまでオプション設定だった「フルフロアアンダーカバー」が標準装備。
「RA」はオプションパッケージの「パフォーマンスパッケージ」において、16インチのフロントベンチレーテッドディスクブレーキ、トルセンLSDがオプションで選択可能となった。
ダンパーの減衰力変更。
この3点の変更のみとなっています。これによって1.3万円の値上げとなりました。
また、同時期にスバルからBRZ tsも発売されました。厳密に言うとtsの発売開始が8月19日なので、こちらの方が早いです。tsについての詳細は別記事にてまたご紹介したいと思います。
■86/BRZのアプライドモデルC型
2014年6月9日にマイナーチェンジが発表されました。このマイナーチェンジによってアプライドモデルCになりました。B型の変更は小変更で、オプションセットの内容が変わったくらいでしたが、C型で初めてのマイナーチェンジと言える内容となりました。
86の主な変更点
ショックアブソーバーのオイルシールのフリクション特性の見直しや、取り付けサスペンションやメンバーボルトの見直しなど、シャーシにチューニングを施すことで操舵安定性と乗り心地を向上。また、シャークフィンタイプのルーフアンテナを標準装備し、「GT」と「GT Limited」に設定のカーボン調加飾インストルメントパネルのデザインを変更することでよりスポーティな仕様としました。ボディカラーは「サテンホワイトパール(オプションカラー)」・「スターリングシルバーメタリック」と入れ替えで「クリスタルホワイトパール(オプションカラー)」と「アイスシルバーメタリック」の2色の新色を追加しました。
BRZの主な変更点
サスペンションの仕様変更は86と同様です。BRZでは、3色ボディカラーが変更されました。WRブルー・マイカはWRブルー・パールに、スターリングシルバー・メタリックはアイスシルバー・メタリックに、そして有料色のサテンホワイト・パールはクリスタルホワイト・パールへと変更されました。機能面ではトランクオープナースイッチにイルミネーションを追加して夜間での使いやすさを向上させています。
ショックアブソーバー・足回りの改良点とは
フロントのサスペンションメンバーとサイドメンバーの接合部に4本、リアショックアブソーバーの取り付け部に2本、新設計の約10cmのボルト(フランジ(傘部分)を従来より肉厚に変更)が装着され、サスペンション取り付け部の剛性がアップしました。これによってステアリングの応答性が向上しました。更にショックアブソーバーのオイルシールのフリクション低減や、前後ダンパーのロッドガイドブッシュを改良しています。この新設計のボルトは、初期モデルもディーラーで交換装着できます。更に欧州のSACHS(ザックス)共同開発のショックアブソーバーが7万5600円でオプション設定されました。
追加グレード「86 Racing」(「RC」をベース)
2013年より開催されたワンメイクレース「GAZOO Racing 86/BRZ Race」用に専用ロールケージ、専用エンジンオイルクーラー、専用FRディスクブレーキダストカバー&ブレーキダクト、専用フロアマット、牽引フック、4点式シートベルトを架装したワンメイクレース車両「86 Racing」がトヨタテクノクラフト(TRD)より設定・販売されました。
86/BRZアプライドモデルCの変更点まとめ
・前後のサスペンション・ショックアブソーバーの取り付け部のボルトを肉厚なものに変更し、剛性とステアリング応答性が向上
・ショックアブソーバーのオイルシール・ブッシュを見直し、乗り心地が向上
・86はオプション設定でSACHS(ザックス)製ショックアブソーバーを設定
・86はシャークフィンタイプのルーフアンテナを標準装備
・86はGTとGT“Limited”のインパネにカーボン調加飾を採用
・86は新色「クリスタルホワイトパール」「アイスシルバーメタリック」を「サテンホワイトパール」と「スターリングシルバーメタリック」と入れ替え設定
・BRZは「クリスタルホワイト・パール」へと変更されました。
・BRZはトランクオープナースイッチにイルミネーションを追加
■86/BRZのアプライドモデルD型
アプライドD型でリア周りのボディ剛性の強化が図られました。リアパネルセンター&リインフォースの板厚アップが行われました。これによって乗り心地も改善しています。また、ドライビングフィールで大きく変わったのは、電動パワーステアリングの制御です。より自然なステアリングフィールにするためにECU(コンピューター)のマッピングを変更しました。C型以前と比べて小さなハンドル操作でのアシストがよりリニアな設定になっています。グレード別の変更点として、86ではGTとGTリミテッドに、BRZでは最上級グレード「S」に、今まで輸出仕様のみに装備されていた「クルーズコントロールシステム」と「パワーアンプ付8スピーカーシステム」が採用されたのと、インパネにミッドレンジスピーカー追加、リヤクォータースピーカーが65mmから86mmに変更されました。その他内装では、86のGT、GTリミテッドの室内シルバー加飾部位が、高輝度シルバーメタリックに変更されました。
カラーリングの変更は、ギャラクシーブルーシリカからアズライトブルーに変更されより深い青色となり、ライトニングレッドがピュアレッドになり、より鮮やかな赤色へと変わりました。また、86のGTリミテッドにメーカーオプションで、内装色タンカラーが追加されたのもこのモデルからです。
また、今まで競技ベースとして最低限の装備でリーズナブルに販売していた「RC、」「RA」は、廃止されました。その代わり、86は「G」グレードでメーカーオプションにてスチールホイール+フロアサイレンサーレスを選択可能になりました。フロントシート下のサイレンサーのレス化により約1.7kgの軽量化できます。そして、BRZではマニュアルエアコン、フロアサイレンサー、トランクマットといった日常使いに必要な装備を備えた「R Customize Package」として新設定。カスタムベース、競技車両ベースとして使用できるグレードです。
D型が発売された2015年は、A型を購入したオーナーが最初に迎える車検なので買い替えも視野に入れられるような改良となっています。
■D型の改良点
<メカニズム>
・電動パワーステアリングの制御の変更
・リアパネルセンター&リインフォースの板厚アップ
<エクステリア>
・ボディーカラーにギャラクシーブルーと、ライトニングレッドに代わる新色として「ラピスブルー・パール」「ピュアレッド」の2色を追加(86は変更)。
<インテリア>
・ステアリングスポークやシフトパネルなどの加飾をサテンシルバー(高輝度シルバーメタリック)へ変更
・86はGT、GTリミテッド、BRZはSのみ輸出仕様に装備されていた「クルーズコントロール」と「パワーアンプ付8スピーカーシステム」を標準装備化。インパネにミッドレンジスピーカー追加、リヤクォータースピーカーが65mmから86mmに変更。
<グレード>
・「RC」、「RA」 グレードの廃止
・カスタマイズ・競技ベースとして日常仕様にも対応できる装備(マニュアルエアコン、フロアサイレンサー、トランクマット)を備えた「R Customize Package」を新設定。
・86は「G」グレードにメーカーレスオプションにてスチールホイール+フロアサイレンサーレスを選択可能とした。