HMR HONDA(エイチエムアールホンダ)のメカニック ムラマツです。今回は、都内よりシビック タイプRユーロをお乗りのオーナー様より走行時に異音がするとの事でご相談を受けました。各所廻られたそうですが、原因がはっきりしないとの事でご相談頂きました。スポーツカーですと装着したパーツにより作動音が大きくなってしまう事もありますが、中には故障のサインもありますから、音の原因が正常なのか異常なのか早めに突き止めておきたいですね。
シビックタイプRユーロ(FN2)の異音診断
異音診断ですので、まずはオーナー様の訴え通り走行してみます。低速走行時に段差などでカタン、カコン音がする との事です。街中走行したり、立体駐車場に行ってみたり、、、、当初はLSDのチャタリング音が大きかったのでそのせいかと思いましたが、いろいろ乗り回してようやく異音の確認が出来ました。しかも、HMRの出入り口で、、、、音はどうやらフロント部分から発生しているようでしたので、リフトアップして下廻りのチェックを行います。シビックタイプRユーロの下廻りは、純正でアンダーカバーが前から後ろまで備わっていてレーシングマシンの様です。
サスペンションの取付や、アーム類など触れる所はすべて確認していきます。
二人掛かりで車体をゆすってみたり、、、
マフラーも揺らしてみたり、、、
状況を少し変える為、タイヤを外して確認してみると、右のドイラブシャフトに若干のガタが、、、オーナー様のお車は機械式のLSDが装着されているのでLSDの作動でドイラブシャフトのジョイントに負担がかかった為かもしませんね。しかし、そこまでの異音の原因にはならなそうなのでさらに診断を進めていくと、犯人がいました!ロアアームを上下に揺するとガタガタします!しかもカコンという音まで!聞いていた音はココから発生していました。ボールジョイントの取付に緩みはないので、どうやらロアアームとナックルのボールジョイントにガタが出てしまったみたいです。早速オーナー様に連絡し、ロアアームの交換をお勧めさせて頂きました。オーナー様にご連絡したところ、それなら両方ともロアアームを新調したい。との事で左右のロアアームを交換させて頂く事になりました。さらに若干のガタがあったドライブシャフトも新品への交換を検討されてましたが、強化品が入手出来た!との事でロアアームの交換と併せて強化ドライブシャフトへと交換をさせて頂くことになりました。
シビックタイプRユーロ(FN2)ロアアームの交換と強化ドライブシャフトへ交換!
早速交換作業を進めていきます。作業するのに邪魔になってしまうのでアンダーカバーは外します。あっちこっちボルトやクリップが留まっていて結構外すのが大変だったりします、、、まずは、トランスミッションのオイルを抜きます。ドライブシャフトを外すとオイルが若干出てきますが、今回はオイル交換のご依頼も頂いたので全量抜いてしまいます。
ちなみに余談ですが、シビックタイプRユーロはFD2型シビックタイプRと同時期のクルマの為兄弟車のようですが、エンジン・ブレーキだけでなく下廻りの構造も大きく違います。フロントはどちらもストラット式のサスペンションですが、FN2のリアはトーションビーム、FD2はダブルウィッシュボーン式になり、エンジンの下側のフレームもFN2では前後に分割されたサブフレームがありますが、FD2は大型のロの字型のサブフレームが備わります。フロントロアアームもFN2ではアルミ製になっていたりします。なので性格がぜんぜん違うクルマなんですねぇ続いて今回の異音の元凶であるロアアームのジョイントを外します。外すにはもちろん専用工具が必要になります。アルミ製のロアアームなのでハンマーで叩くのはNGですね。 ロアアームの車体側のボルトを外して、、、 外れました!アルミ製なのでとっても軽量です。 異音の犯人がこのボールジョイントです。見た目ではさっぱりわかりませんが、上下に動かすとガタガタと動いてしまいます!気付かずに乗っていたら最悪ジョイントが外れて大事故になっていたかもしれませんね、、、、 こちらが新品のロアアームです。汚れがないとアルミ色がキレイですね~切削面もピカピカ!当たり前ですが、アーム本体はイギリス製です。 ロアアームを組付ける前に、ドライブシャフトを交換します。ロアアームがないと広大なスペースが確保出来て、とっても作業性がいいです! サクッと取り外し終了です。スプライン部分はどちらも異常なさそうでした。 強化ドライブシャフトと並べてみました。外観上では強化箇所が分かりづらいですが、、、 軽量化の為でしょうか?ジョイントの外側が切削加工されています。寸法を確認したところ、全長もジョイント径・スプライン数も同じでしたのでこのまま取付ます。 左右とも問題なく装着出来ました!一安心です。オーナー様にも報告したところ、ドライブシャフトがちゃんと装着出来るかが、一番気掛かりだったそうで、、 ドライブシャフトが取付出来たら、新品のロアアームを組付けていきます。 組付け後はロアアームのゴムブッシュがたわんでしまわないように、1G状態で各ボルトを締め付けていきます。締め付けチェックをして最後にトランスミッションのオイルを注入します。機械式のLSDの装着車ですのでクスコのLSDオイルを使用させて頂きました。 これで、ロアアームとドライブシャフトの交換が終了しました。リフト上でタイヤを回転させて異常がないか確認し、走行テストに行きます。走行テストの結果、当初のカコンという音は無事解消しました!やはりロアアームのボールジョイントが犯人でしたね。小さな音でも大きな異常に繋がる場合がありますので、今までしなかった音がし始めたら早めのチェックをしたいですね。今回は大事に至る前に修理が出来てよかったです。また安心して乗って下さいね~ O様ご依頼ありがとうございました。
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