更新日時:2025/10/04
こんにちは。HMR広報の小川です。今回紹介する車両はDC5 インテグラタイプR。「FF最速」の称号を欲しいままにした先代DC2の後継として、より高い次元を目指して開発されました。安全性や質感を向上させるために車格は大型化しましたが、その魂は紛れもなくタイプR。ホンダのタイプRとして初めて、2.0Lの名機「K20A」エンジンとブレンボ製ブレーキキャリパーを搭載。重量増をものともしない圧倒的なパフォーマンスで、タイプRの新たな基準を打ち立てた一台です。
DC5のデザインはDC2のシャープで戦闘的なスタイルから一新され、より未来的で塊感のあるフォルムへと進化しました。流線的でマッシブなフォルム ショートノーズ&ハイデッキの3ドアハッチバッククーペスタイルは、コンパクトながら力強さを感じさせます。
タイプRの血統を示す大型のリアウィングや専用設計の前後バンパー、サイドシルガーニッシュは、見た目だけでなく空力性能にも貢献する機能パーツ。一目で特別なモデルであることがわかります。
2004年のマイナーチェンジでヘッドライトとテールランプのデザインが変更され、それぞれ通称「涙目」「ツリ目」と呼ばれています。シャープな後期型が人気ですが、前期型の個性的なデザインにも根強いファンがいます。
ドライバーズシートに座れば、そこは走りのための機能性と質感が融合した特別な空間が広がります。体を確実にホールドするRECARO社製セミバケットシートや、操作性に優れたMOMO社製ステアリング(前期型)、そしてアルミ削り出しのシフトノブが、ドライバーの気分を高揚させます。
白い文字盤に赤い指針と照明が映えるメーターパネルは、視認性が高く、スポーティな雰囲気を演出します。
DC2と比較して、全体のデザインはより洗練され、使われている素材の質感も大きく向上。新世代のスポーツクーペとしての進化を感じさせます。
DC5の最大の魅力は、B型エンジンから全面的に刷新された新世代VTECエンジン「K20A」を初搭載したことにあります。従来のVTECに、吸気バルブタイミングを連続可変制御するVTC(Variable Timing Control)を加えたのが「i-VTEC」。これにより、全回転域でパワーとトルク、そして燃費性能を高いレベルで両立しました。
低中回転域ではターボ車のように力強いトルクで街中でも扱いやすく、高回転域まで回せばNAエンジンならではの突き抜けるようなパワーとサウンドが炸裂します。高速道路では6速からでもグングン加速していく力強さを持っています。
新開発のプラットフォームは、K20Aのパワーを余すことなく路面に伝えます。DC2からプラットフォームを一新し、ボディ剛性は飛躍的に向上。重量増を感じさせないどころか、より安定感のあるシャープなハンドリングを実現。クイックなステアリングギアレシオとコーナリング時のトラクションを確保するヘリカルLSDの組み合わせにより、FFとは思えないほど意のままにコーナーを駆け抜けることができます。
フロントには強力な制動力と優れたコントロール性を誇るイタリアの名門、ブレンボ社製の対向4ポッドキャリパーを標準装備。サーキット走行でも安心して攻め込める、絶大な信頼性をもたらします。
7年も後に登場したFD2シビックタイプRと比較されることが多いですが、それはこのクルマの基本性能がいかに高かったかの証明に他なりません。FD2よりも軽量なボディ。豊富なアフターパーツによる高いチューニングポテンシャル。そのまま乗っても一級品の走りが楽しめますが、自分好みに育て上げる「最高の素材」としての魅力に溢れています。