更新日時:2022/12/15
HMR(エイチエムアール)の栗原です。今回は、インテグラタイプR(DC2)のパワステポンプOH、タイミングベルト、ディストリビュータ交換作業のレポートとなります。担当はムラマツです。
今回ご依頼いただいたお客様のお車は、パワステポンプが故障したことでパワステが効かなくなっていました。現代のクルマにおいてパワステは必要不可欠な装備、低速でのハンドル操作がとても重くなって疲れてしまいますね。近年のクルマのパワステはモーターを使った電動式が多いですが、こちらは油圧式です。
エンジンの動力を使ってオイルに圧力をかけてステアリングをアシストする仕組みですが、オイルの圧力や温度が原因で各部が劣化し、オイル漏れなどでポンプが正常に動作しなくなってしまうことがあります。
写真左がパワステポンプです。
今回はパワステポンプそのものは清掃し使用を続けていきます。交換の場合はリビルト品になります。 オイル漏れを防ぐシール類などを交換していきます。 Oリングを装着しました。 ボールベアリングをシャフトに取付けていきます。 取付ける際は圧入になります。こちらはパワステポンプカバーのシールを交換している様子になります。 真ん中のパーツはローターで、ローターに彫り込まれている溝にベーンという板が挟み込まれています。 これらは、囲っているカムリングの中で回転して遠心力を利用し、パワステのシリンダーへオイルの出し入れを行っています。 バルブを組み付けていきます。 組み上がったらエンジンに取り付けていきます。 最後に新しいパワステタンクを装着し、フルードを入れて完了です。
パワステ周りのリフレッシュと同時にエンジンのベルト関係も交換していきました。VTECエンジンはその構造としてオイルを利用した機構が多く、それなりの年数が経過したクルマになるとオイル漏れが発生しやすいです。ヘッドカバーを取り外し、各部チェックしていきます タイミングベルトを取付けていきます。 ベルトを取り外したら、ウォーターポンプなども取り外します。 ウォーターポンプはASSYで交換していきます。 ベルトテンショナーも交換していきます。 カムプーリーを取り外していきます。 カムシャフトのオイルシールです。劣化するとオイル漏れが発生しやすい箇所です。 取り外して新しいものに交換していきます。 こちらが新しいオイルシールです。 ウォーターポンプを取付けていきます。 次にクランクシャフトのオイルシールを交換していきます。左横からオイルが漏れている跡がありますね。 新しいクランクシャフトオイルシールを取付けていきます。 新しいタイミングベルトを取付けていきます。テンショナーで張りを調整していきます。 ヘッドカバーパッキン交換していきます。 次にサーモスタットを交換していきます。 サーモスタットが劣化すると弁の開閉が正常に動作しなくなってオーバーヒート、オーバークールにつながる恐れがあります。 アイドラプーリーも交換していきます。 取り外してみるとオイル汚れなどで真っ黒になっていました。 コンプレッサーのベルトも交換していきます。右が取り外したものですが表面にササクレが確認できます。万が一切れてしまうと充電ができなくなってバッテリー切れでエンジンが停止してしまいます。 最後に点火系にディストリビュータを交換していきます。 奥が取付けるリビルト品になります。 新しいクーラントを入れていきます。
以上で作業完了となります。時間とコストはそれなりに掛かりますが、これでしばらくは安心してVTECエンジンがもたらす軽快な走りを楽しめます。K様、ご依頼ありがとうございました。
今回の作業費用ですが
・パワステポンプオーバーホール:31,500円
・タイミングベルト類交換:35,400円
・補機ベルト交換:49,200円
・ディストリビュータ交換:39,300円
合計税込み155,400円でした。