更新日時:2022/12/23
HMR(エイチエムアール)の栗原です。今回は純正レイズ製ホイール 本革シート装備のフェアレディZ(Z33)の納車前点検整備を行いました。担当メカニックはホリグチです。
まずエンジンルーム周辺をチェックしていきます。最初にバッテリーテスターでバッテリーを点検していきます。特に問題ありませんでした。後ほど補充電を行っておきます。バッテリーの交換時期は使用状況によりますが3〜5年のサイクルで交換することをおススメいたします。
また寒い時期になるとバッテリー上がりが多くなります。少しでもマメにエンジンを掛けて充電したり、カー用品店などで購入できる充電器を用意しておくといいでしょう。
エアフィルターは社外品でした。特に問題ありませんでした。
次にインテークホースの点検を行いました。こちらも社外品で特に問題ありませんでした。
次に冷却系廻りを点検していきます。ホースに漏れはありませんでした。経年劣化していくと亀裂が入りそこから冷却水が漏れてしまいエンジンがオーバーヒートを起こす可能性があります。定期的な点検をおススメいたします。
続いてプラグの点検を行いました。6本とも特に問題ありませんでした。先端の部分がひどく汚れてしまうとエンジンが掛かりづらくなったり、走行中に失火が起こり故障の原因となります。エンジンが掛かりづらくなるなどの症状が出た場合は当店にご相談ください。
続いてリフトアップして足廻りをチェックしていきます。まず最初にタイヤを縦横に揺らしてハブベアリングとボールジョイントのガタがないかチェックを行います。特に問題ありませんでした。走行中に異音やハンドルのガタつきなどを感じた場合は当店へお早めにご相談下さい。
リフトアップして下廻りをチェックしていきます。特に目立つようなキズやサビはありませんでした。
足廻りのブッシュ・ブーツ、ダンパーをチェックしていきます。ブッシュ・ブーツにヒビが入ってしまいそのままにしておくと、そこからグリスが漏れ出したり、異物が侵入して足廻りの機能に支障をきたすだけではなく、車検を通過できなくなってしまいます。
写真を取り忘れてしまいましたが、タイロッドエンドブーツ、フロントアッパーアームブーツに微細なヒビがあり、フロントロアアームブーツが切れていました。後ほど切れてしまったフロントロアアームブーツは交換させていただきました。
次にブレーキ周りをチェックしていきます。ブレーキキャリパーシールの状態やキャリパーピストンの動きに問題ありませんでした。
シールが劣化するとピストンに水が進入して錆が発生し、ピストンの動きを妨げてしまいブレーキの引きずり症状に繋がる可能性があります。
パッドの残量をチェックしていきます。フロント10mm・リア9mmでした。まだまだ大丈夫ですね。
タイヤ溝の残量をチェックしていきます。フロント4.5mm・リア4mmでした。後で新しいタイヤに交換します。
各タイヤの空気圧を調整していきます。空気圧は自然と少しずつ抜けていきますのでガソリンスタンドなどで定期的な点検を行うことをおススメします。
HMRではクルマに応じて、納車前点検でエンジンオイル・ブレーキフルード・ミッションオイル・ラジエタークーラントを新品交換しています。油脂類がリフレッシュされていれば納車してすぐのドライブも安心して楽しめますね。エンジンオイルはエンジン内部の潤滑および冷却を行います。定期的な点検を行わず走り続けるとエンジンパワー低下、燃費悪化の原因となります。使用状況によりますが半年または5,000kmでの交換をおススメいたします。それでは、エンジンオイルを抜いていきます。リアデフオイルを抜いていきます。
クーラント液も抜いていきます。
ミッション・デフオイルはMOTUL GEARを入れていきます。
エンジンオイルを入れていきます。エンジンオイルはWAKO’SプロステージS 100%化学合成油 10W-40を使用しています。
次にブレーキフルードを交換しました。フルードはDOT4を使用しています。交換タイミングは、車検毎をおススメしております。
リモコンキーの電池を交換していきます。
サンフレアの有効期限が切れていたので交換します。サンフレアは有効期限が切れていても車載されていれば車検は問題ありません。但しいざとなった時に使えるとは限りませんのでHMRでは有効期限が切れたものは交換させていただいております。
まず運転席側のオートロックが動作不良を起こしていたのでドアロックのコントロールワイヤーを交換していきます。写真のようにドアの内張りを取り外していきます。この2本のワイヤーの先につながっているのがドアロックのアクチュエーターです。
アクチュエーターと一緒にワイヤーをドアから取り外しました。
左側の交換品と比べるとはっきりとわかりますが、先端近くのプラスチックの部品が割れています。この箇所はワイヤーの引っ掛け部分です。このような状態になってしまうと動作不良を起こしてしまいます。
先程の逆の手順で組み上げていきます。
これでドアロックの修理は完了です。
次にクラッチ交換などミッション周りの交換作業に移っていきます。入庫時のチェックの中でバックギアに入れた際に「ガコッ」という音、クラッチペダルが途中までしか戻らない症状が発生していました。まずミッションオイルを抜いて準備を進めていきます。ミッションを降ろし、クラッチカバー・ディスク・フライホイールを取り外していきます。
ミッションケース内部は鉄粉で真っ黒でしたので清掃していきます。そして中心部のレリーズフォーク、ベアリングを取り外していきます。
写真右側が交換品(上から)フライホイール・クラッチディスク・カバーになります。
写真左がミッションケース側の交換品である(左から)レリーズベアリング・ フォークそしてレリーズフォークの右隣にあるピンは「レリーズピポット」といいます。これはレリーズフォークの支点となる部品で、ここが消耗あるいは破損してしまうとレリーズフォークが動作しなくなってクラッチが切れなくなってしまいます。レリーズ交換時は同時交換しておくことをおススメします。
レリーズシリンダー・ホースを交換していきます。右半分が交換品です。
同時にエンジン・ミッションマウントも交換してしまいます。マウントを交換すると振動が抑えられてシフトチェンジがよりスムーズになります。
右が交換品です。
クラッチマスターシリンダーも交換してしまいます。 この箇所が劣化し、クラッチフルード漏れが発生するとクラッチがしっかり切れなくなってしまいます。
マスターシリンダーを装着しました。
全てのパーツ交換が完了しましたらクラッチフルードを入れてしっかりとエア抜きしていきます。
そして新しいミッションオイルを入れていきます。ミッションオイルはWAKO’SのMT-75です。 これでクラッチ周りの交換作業は完了です。
補機ベルトを交換していきます。こちらの写真はオルターネーターとパワーステアリングのポンプを動かすベルトです。左側が新しいものになります。この細いベルトはエアコンコンプレッサーを動かすベルトです。左側が新しいものになります。
こちらはトランクダンパーです。経年劣化でダンパー内部が劣化し、リアゲートの重さを支えられなくなってしまいます。不便かつ怪我につながる危険もありますので交換していきます。上が交換品です。
アンテナも交換品していきます。
点検の中で見つかった切れてしまったフロントロアアームブーツを交換していきます。
写真を撮り忘れてしまいましたが、タイヤを新しいものに4本交換いたしました。シフトノブも新しいものに交換しています。以上で作業完了となります。K様、この度はフェアレディZ(Z33)ご契約ありがとうございました。