更新日時:2023/09/14
HMR(エイチエムアール)の栗原です。トヨタ 86(ZN6) S耐号のミッションオーバーホール作業のレポートになります。
今回オーバーホールするミッションは、7月頭に行われたSUGO戦で使用されたミッション。レース中にドライバーから「ミッションの入りが良くない」と訴えがありました。9月2、3日に開催されるS耐もてぎ戦の前にその原因を究明するためにオーバーホール作業を行いました。
レリーズシリンダーガイドには摩耗が見られますが、ギアの入りが悪くなるような問題ではないです。 分解していくと何やら黒い金属の破片が・・・ その破片がどこの部品から出ているのかを突き止める為、ミッション内部の各ギアを確認・・・ 完全にバラバラになりました! 一つ一つ確認していくと・・・4速ギアに付随するクラッチハブ(このハブとシャフトが噛み合っており、シフトチェンジの際に位置が前後して動力を伝達したりする。)のギアとの噛み合わせ部が破損していました。 この破損によって金色の箇所の”あそび”が増えてしまってギアが入りづらくなってしまっていました。
初戦の鈴鹿ラウンドの時も金曜日のフリー走行が終わったタイミングで同じような破片が出て来て、ミッションをバラしたら全く同じ個所の破損でした。今シーズンはなぜかここが破損してしまいます。この部品は対策のしようがなく、特に強化品も出ていないため、ドライバー側で労わる以外に方法がありません。次戦のもてぎでは各ドライバーにシフトアップ時にクラッチをしっかりと切ってシフトチェンジするように伝えて労わってもらうようにします。