更新日時:2023.08.24
HMRがサポートするホンダ育成ドライバーの三井優介選手から、8月5日、6日に行われたFIA F4選手権 第5-6富士大会のレポートが届きましたのでご報告します。
以下、三井選手からのレポートです。
日頃より、多大なるご支援、応援していただき誠にありがとうございます。今回は、8月5日、6日に開催された富士大会の結果報告をさせていただきます。
前回の2連勝した鈴鹿大会から、約2か月。そのインターバルで、様々なサーキットで数種類のマシンをドライブして自分の引き出しを広げてきました。そしてフィジカル面も成長させ、富士大会でも連勝できるように準備をしてきました。
しかし、その準備の成果を出すことができず終わってしまった今大会。なぜ4位だったのか。今回は原因と今後のアプローチをまとめるレポートとさせていただきます。
■Rd5レース結果報告
今大会から、タイヤの生産ロットが変わりました。今までロットが変わっても特に何も影響はなかったのですが、今回は違いました。グリップバランスが大きく変わり、今までのセットだと全く速く走れなくなってしまっていました。木、金曜日の練習走行では、自分の走りもセットも1から見直し、新しいタイヤのスイートスポットを探しにいきました。しかし、レースウィークであるため大きなセット変更はできず、限られた時間と範囲の中で最適セットを考えて予選に臨みました。
5日午前中の予選はグループ2位。決勝3番手スタート。ペースは練習よりもよく、決勝でバトルに持ち込む戦略を立てていきました。
午後は晴天の中スタート。上位の車両と比べてブレーキが奥に行けず、フロントの入りが悪くバトルに持ち込めない。その間に2台にパスされ5位に。その後SCが導入され、4周目には再開。その後追い上げようとするが、なかなかペースが上がらず6位に後退。ペースは悪いがミスなく走り、相手のミスを誘って抜きに行く戦略を取り、残り2周で4位に浮上。そのまま後方を抑えて、何とか4位でチェッカーを受けました。
ドライビングを合わせきることができず、そしてセットアップも上手くできていなかったです。それぞれの原因を考え、翌日に向けて調整を行って行きました。
■Rd6レース結果報告
昨日同様、3番手からのスタート。昨日からセット変更を行い、グリップの向上、ペースアップを計って行きました。前戦の反省を活かし、好スタートを決めて1コーナーに入ろうとしましたが、異常に伸びがいいトヨタの車両にインを刺され、4番手にドロップ。昨日とは違いセット変更が良い方向に働きトップグループについていくことができましたが、後方を走ることができるだけでした。ブレーキングは前の3台より手前。そしてコーナー進入スピード、立ち上がりのトラクションのかかりも悪く、追いついても抜き切ることができない。そして1コーナーではギアが2速に落ちないトラブルが幾度か発生していました。何度もインに飛び込み、パスしようとしましたが、ギアトラブル、又はブレーキング勝負で負けて前に出ることができない。昨日同様、相手のミスを誘う作戦も行ったが、根本のペースで負けており仕掛けることすらできませんでした。
そのまま4位でフィニッシュ。ポジションキープをし、確実にポイントを取りに行く耐えのレースでした。
■まとめ
開幕戦振りの富士大会。何としても前回の屈辱を晴らそうと、準備してきましたが足りませんでした。
原因は以下の通りです。
・木曜日の走行で、前週行われた スーパー耐久との切り替えが上手くできず、ドライビングが悪くセットアップが円滑に進められなかった点。
・現状でマシンのポテンシャルを、最大限に引き出すドライビングを見つけるのが遅い点。
今後の対策は以下の通りです。
1.更に感性を磨き、マシンからのインフォメーションを確実にキャッチし、柔軟な考えを元にセットを詰めていく。
2. 練習走行のうちから、積極的に速いマシンの近くを走り、どこに差があるのか随時研究し改善していく。
3.車のポテンシャルが引き出されるドライビングをすぐ見つけられるよう、様々な走り方をトライし続ける。
次戦は8月26-27日 鈴鹿サーキット で第7-8戦が行われます。2連勝した得意の鈴鹿に戻ります。今大会で得た教訓を常に意識し、ドライビング、セッティング共に完璧に仕上げていきます。富士大会後、行われた鈴鹿テスト走行では好調で終えることができました。今回は耐えのレースでしたが、次戦は僕が主役のレースにします。全力で戦い抜き、必ず連勝できるよう精進して参ります。そしてシリーズチャンピオンへ向けて、逆転劇をスタートさせます。
ご支援、応援ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。
三井 優介