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ミニ(MINI)クーパーS(R56)は、日々の運転をちょっと刺激的なものにしてくれるホットな1台

HOT HATCH HMR(ホットハッチエイチエムアール)の栗原です。今回は2006年にワールドプレミアされ、翌年2007年から日本で発売された2代目ミニ(MINI)の最上級グレードの「クーパーS」の紹介したいと思います。発売から6年目で初めてのフルモデルチェンジとなりましたが、クーパー同様に外観上の変化は少なく、その分中身に力が入っています。走りが楽しくなるエンジンを得意とするBMWと新たなパートナーとなった、コンパクトカーのノウハウを持っているPSA(プジョー・シトロエン・グループ)との共同開発で誕生した、通称「プリンスエンジン」など見えないところにも進化がありますのでご紹介していきます。

高出力と低燃費を両立させる為のBMWの回答は「直噴ターボ」

2代目ミニの最大の特徴は、通称プリンスエンジンと呼ばれるBMWとPSA(プジョー・シトロエン・グループ)の共同開発の直列4気筒1.6L DOHCエンジンです。このクーパーSには、直列4気筒1.6L DOHC直噴ツインスクロールターボを採用。最高出力は175ps(128kW)/5500rpm、最大トルク240Nm/1600~5000rpmを発揮します。中間グレードとなるクーパーはBMWが開発・実用化した可変バルブタイミング機構「バルブトロニックシステム」が搭載されていますが、このクーパーSは従来のスロットルバルブが搭載されています。

これは、バルブトロニックから引き出す出力はバルブリフトと作動角で制御されます。そこにターボも過給圧で出力が制御されるので、この2つを同調させるのはとても複雑な為従来のスロットルバルブが採用されました。ではどうやって高出力を低燃費を両立させたのか?BMWは、今ではポピュラーな直噴システムを採用しました。このシステムは、名前の通り燃焼室に直接高圧力で噴射することで高い熱効率、つまり低燃費を実現します。結果として6AT/6MTそれぞれ、12.6km/l、14.4km/lと低燃費となっています。またエンジン以外にもクーパーSのみ、走行時の横滑りや加速時のホイールスピンを防ぐDSC(ダイナミック・スタビリティ・コントロール)と坂道発進をサポートするヒルアシストが標準装備されています。

街中からワインディングまでいつでもどこでも軽快な加速力を実現した「ツインスクロールターボ」とは?

このクーパーSに搭載されているエンジンの特徴として「ツインスクロールターボ」を搭載しています。この機構は、ターボに送り込まれる排気ガスの流路を2つに分けることで排気干渉を防ぎ、シーケンシャルツインターボの様な低回転時からのトルクによる乗りやすさと高回転時のパワフルさを両立し、アクセルに対してのレスポンスも改善され結果的に燃費向上に繋がりました。

後期モデルは、スポーティとエコを両立した名車!

2010年3月、2代目ミニの全モデルはマイナーチェンジを行いました。大きな変更点としては心臓部となるエンジン。今回の改良モデルのエンジンには、ブレーキを踏んだ際、もしくはアクセルペダルから足を離した際に生じる運動エネルギーを電力に変換することで、オルタネーターによるエンジンへの負荷を軽減するブレーキ・エネルギー回生システムをJCW(ジョン・クーパー・ワークス)を除く全モデルに搭載しています。更にMT車には、信号待ちなどで停車した際、ニュートラルにしてクラッチを戻すとエンジンが自動的に停止するエンジン・オートマチック・スタート・ストップ機能が装備されています。これらの装備によって、スポーツグレードのクーパーSも、燃費が13.6km/l(6AT)/17.8km/l(6MT)と大幅に改善されています。更にエンジンの負担が軽減したことで最大出力も9psアップの184ps(135kW)/5500rpmと向上しています。 内外装については、外装がフォグライト周りのクロームパーツ、テールライト内部のクロームパーツのデザインが変更されよりハッキリとした顔立ちとなっています。インテリアは、特徴的なトグルスイッチがあるセンターコンソールの、そのスイッチ類のカラーリングがシルバーからブラックに変更され高級感を演出しています。初代ニュー・ミニのポップさから、プレミアム感に徐々に移行しています。ここは好み次第というところだと思います。

日常の足にちょっとした刺激がほしい人にはクーパーS

別記事で紹介しているジョン・クーパー・ワークス(JCW)を除いて最上級グレードのクーパーS。3ドアでありながら余裕のある後部座席、それを倒せばたくさんの荷物が詰める実用性の高さ、その一方で走りの楽しさを探求し続けているBMWらしいパンチのあるエンジンで日常のドライブを楽しくさせるのは間違いないと思います。