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ミニ(MINI)クーパー(R56)は、スポーツカーオーナーのちょいオシャレな日常の足としておススメ

HOT HATCH HMR(ホットハッチエイチエムアール)の栗原です。今回は2006年にワールドプレミアされ、翌年2007年から日本で発売された2代目ミニ(MINI)クーパー(R56)を紹介したいと思います。2001年から世界中で発売開始したニュー・ミニは、6年目に初めてのフルモデルチェンジを行いました。とはいっても、オリジナルミニ同様、「変わらない良さ」を基本コンセプトとしており、初代との外見上の違いはほとんど無く、その分中身に大幅な改良が施されています。最も大きな変更点は心臓部となるエンジンが、BMWとクライスラー社との合弁会社が開発した「トライテック・エンジン」から、フランスのPSA(プジョー・シトロエン)グループとの共同開発の、通称「プリンス」と呼ばれたバルブトロニック技術を採用した直列4気筒1.6L DOHCエンジンを搭載しました。このエンジンがクーパーに搭載されています。バルブトロニック技術とは何か?そのほか、初代との違いを探しながら解説していきます。

2代目ミニの中核をなす「プリンスエンジン」とは?

2代目の最大の特徴は、心臓部のエンジンが通称プリンスエンジンと呼ばれるBMWとPSA(プジョー・シトロエン・グループ)が共同開発した新開発エンジンです。初代に搭載されていた通称「トライテック」エンジンは、1997年にクライスラーとローバーによる合弁会社トライテックモーターズで開発されたエンジンです。BMWがローバーを解散した際に引き継いだエンジンです。後にBMWがトライテックモーターズの株式をダイムラークライスラーに売却し、トライテックモーターズとの契約を終了させ、次なるニュー・ミニに搭載する高効率な小型エンジンを開発するためのパートナー探しに移りました。同時期、PSAは欧州で主流となっている小型車向けディーゼルエンジンの開発に注力していた為に他地域向けなどのガソリンエンジンのラインナップが乏しい状況でした。かくして、BMWとPSAは手を組み、BMWは”エンジンメーカー”として世界に先駆けて開発・実用化した可変バルブタイミング機構”バルブトロニック”、可変容量オイルポンプといった技術を提供し、PSAは、小型車向けエンジンのノウハウを提供したことでプリンスエンジンが誕生しました。

今回紹介する2代目クーパーは、このプリンスエンジンの基本形となる直列4気筒1.6L DOHCエンジンを搭載。最高出力は120ps(88kW)/6000rpmと微増だが、最大トルクは、160Nm/4250rpmと向上し、なおかつ最大トルク発生回転数が4500rpmから4250rpmに下がったことで実用域での加速が改善されました。

それに組み合わされるトランスミッションも変更され、CVT/5MTのラインナップから6AT/6MTのラインナップとなりました。6ATは日本のアイシンAW製で、ロックアップ機構とパドルシフトが搭載されたことでスポーツフィーリングと燃費向上(11.6→13.8km/l)を獲得しました。6MTは定評の高いゲトラグ製を採用し燃費も16.8km/lと初代の13.4km/lから大幅な改善がなされ、更に坂道発進時の後退を防ぐヒルスタートアシストが追加装備されています。

見た目の違いはわかりにくいけど…内外装も多くの改良が!

最初に触れたようにデザイン上の変化が少ない2代目。しかし車両各部に改良が施されています。ボディは、実はルーフ以外は新設計のボディパネルが採用されています。キュートな印象を出すパッチリとしたヘッドライトは、エンジンフードから車体側に固定されたことでフードの開閉のしやすさ、コスト、安全性も向上しました。インテリアは、中央部の特徴的なセンタースピードメーターがより大型化し、その独特なセンターコンソールにあるメタル製のトグルスイッチも大きく使いやすいものに変更されています。安全装備も充実し、6個のエアバッグや、ここ最近発売開始したクルマのほとんどに搭載されているブレーキアシスト機能が装備されています。

環境性能アップ&走行性能アップを両立した後期モデル

2010年3月に2代目ミニはマイナーチェンジを行いました。ここではクーパーについてご紹介します。搭載されているエンジンそのものには変更はありませんが、燃費性能が6ATモデルが15.4km/l、6MTが18.8km/lとより向上しています。その秘密は、「ブレーキ・エネルギー回生システム」と「エンジン・オートマチック・スタート・ストップ機能」にあります。「ブレーキ・エネルギー回生システム」は、いわゆる回生ブレーキです。ハイブリッドでもない純粋なガソリンエンジン車であるミニの回生ブレーキは、発電の役目を担っているオルタネーターが可能な限り回生ブレーキの駆動時を優先して発電を行う仕組みとなっています。これによって通常走行時はオルタネーターの負荷が掛からないことで燃費改善を図っています。
更に6MTモデルではこの回生ブレーキに加えて「エンジン・オートマチック・スタート・ストップ機能」という機能が追加されています。これは「アイドリングストップ機能」です。信号待ちなどの停車時にギアをニュートラルし、クラッチを戻すことでエンジンが停止、発進時にクラッチを踏み込むことで自動的にエンジン始動する機構で燃費向上を実現しています。

見た目での変化は、細かなところですが前後のヘッドライト、テールライトにクロームパーツが増え、くっきりした表情となって高級感も出ています。インテリアでは、特徴的なセンターコンソールのスイッチ類がシルバーからブラックに変更されています。

スポーツカーオーナーの足車としていかが?

初代BMW MINIから外観上の変化は少ない2代目ですが、その分中身が大きく進化していました。特に後期モデルとなって現行車だと標準的となりつつあるアイドリングストップ機能が追加され、経済性も大きく向上しました。今までスポーツカーを趣味と移動の足と兼務させていて、もう少し労ったり、日常使いは別のクルマを考えているのであれば、ちょいオシャレな2代目ミニはいかがでしょうか?