インテグラタイプR(DC5)の中古車購入時の注意点を解説します。2001年に発売開始した4代目インテグラのスポーツグレードとしてタイプRが設定されました。220馬力を発揮する2L VTECエンジンと6MT、スポーツサスペンション、快適性とホールド製を両立したレカロ製セミバケットシートを装備したスポーツクーペです。発売から20年が経過した現在でも100万円台後半~200万前半で売買されてる人気車種です。購入時にチェックしておくポイントがありますのでご紹介します。まずエンジンルームを見てみましょう。20年選手ですが、過去に紹介したシビックタイプR(FD2)と同様にトラブルポイントというのは少ないです。少ないですがないわけではないので一つ一つ順を追って紹介していきます。エンジン本体ですが、これは他のホンダエンジンでも定番箇所ではありますが、ヘッドカバーとスプールバルブ裏のオイル漏れがないかどうかです。スプールバルブは、エンジン本体後方に装着されているため、リフトアップして下からチェックするかエンジン奥からグッと覗いて確認する感じなのでチェックが難しいですが、しっかり確認しましょう。エンジン始動できるのであれば、かけてみて異音チェックはもちろんやりましょう。パワステポンプからのオイル漏れもチェックポイントです。以前にオイルが吹き出しているとボンネット裏にオイル跡が付着していたりします。オイル漏れ跡がないか、エンジン始動時にポンプから異音がしていないかチェックしてみましょう。 年数劣化によるホース類・ゴム類の劣化が気になる所なので、軽く触ってみたりヒビ割れがないかきちんと確認しましょう。またエンジンマウントも経年劣化に伴い注意が必要です。余裕があるのなら購入時にリフレッシュを検討するのもおススメです。エンジンを掛ける頻度が極端に少ないと、スロットルボディが原因でのアイドリング不調(不安定だったりアイドリングとしては高い回転数)が起こったりします。スロットルボディ内部のアイドリングを調整する機構に問題が発生していると思われます。チェックとしては、エンジンの暖気が十分にされた状態でアイドリングが安定するか確認してみましょう。下回りに移っていきます。エンジン(オイルパン)・ミッションからのオイル漏れですが、DC5では比較的少ないです。ですが、下の写真の右側サブフレーム付近がオイルでびちゃびちゃになってたりします。これは先に紹介したスプールバルブからのオイル漏れ、またはオイル交換の際に拭き取れなかったオイルが垂れてきている可能性があります。もし購入時にリフトアップしてもらえるのであればチェックしてみましょう。足回り周辺ですが、まずはドライブシャフトブーツのヒビ割れ、ヒビ割れから裂けてしまうとグリスが漏れ出してしまうと車検通過できなくなってしまいます。その下にあるロアアームブーツ、ここも経年劣化によるヒビ割れが起こりやすい箇所です。フロントロアアームブッシュも経年劣化で痛みやすい箇所です。そのままで走り続けていると当然ながら乗り心地は悪化します。更にサーキット走行時にハードブレーキングしてフロントに荷重が一気に掛かった際に足回りが外に開いてしまいます。ロアアームについては部品が既に出ないので早めの早めのブッシュの打ち換えで対処していきましょう。リア足回り周辺も同様です。アッパーアーム周辺、サスペンションブッシュが経年劣化で痛みやすく、しかも交換がフロントに比べて非常に難しいのです。 またダンパーの経年劣化によるオイル漏れもチェックポイントです。オイル漏れが起こっていると埃や汚れが不自然に付着していたりします。ブレーキ周りに移ります。ポイントとしては、ブレーキフルード垂れによるキャリパー塗装剥げ、熱によるキャリパーの変色などがあります。キャリパーの変色は、前オーナーがサーキット走行をガンガン行ってた可能性がありますので、キャリパーのオーバーホールの検討はもちろんのこと、キャリパー本体が熱で開いてしまっている可能性もあるということを認識しておきましょう。この場合はキャリパーを交換になります。続いて内装です。この中で特に起こってしまったら嫌なトラブルをまず最初に紹介します。1つ目はタコメーターのレーシング現象。レーシング現象というのはタコメーターの針がプルプルずっと動いたままで安定しない状態です。メーターが故障しつつあるサインでメーター修理となってします。2つ目は、リアシート周辺からのガソリン臭。これは燃料タンクとその燃料を吸い上げる燃料ポンプがリアシート下に配置されていてその箇所の劣化によるガソリン漏れが発生しています。クラッチペダルからの異音、これは他のクルマでも見られるマスターシリンダーのグリス切れが原因であったり、クラッチ側のレリーズが原因だったりします。異音がするときは踏み込んでギコギコ音が聞こえます。グリスアップで少し改善することもありますが、クラッチレリーズ側の場合はクラッチ交換の際に交換となるので、ギコギコ音はしますが様子を見て乗るしかないです。音が出る車は多くそこまで走りには影響しないのでそんなに不安になる必要はありません。トランクルームは、事例は少ないですがテールレンズ周辺からの雨漏りが起こったりします。雨漏りが起こっていたかどうかは、トランクカバーを取り外してスペアタイヤ周辺に錆や水が溜まってないか確認してみましょう。このようにインテグラタイプR(DC5)は年数がそれなり経過しているクルマにもかかわらずトラブル箇所が少ない優秀な車種になります。お手頃な値段で状態がいいスポーツクーペの購入を検討している方にとっては狙い目ではないでしょうか?
最後に今回の記事の元となったHMR公式Youtube動画を紹介します。併せてご覧ください。
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