HMR HONDA(エイチエムアールホンダ)の栗原です。今回はノーマルコンディションの純正16AW シルバーストーンメタリックのS2000(AP1)納車前点検整備を行いました。
S2000(AP1)の納車前点検
最初にバッテリーの健全性をチェックしていきます。診断の結果、要充電となりましたので充電しました。バッテリーの寿命は、使用状況によりますが新品に交換後3〜5年となります。インテークホースの点検を行いました。特に問題ありませんでした。インテークホースは経年劣化で蛇腹部分に亀裂が入ると、そこからエアフィルターを通さない空気を吸ってしまいエンジン不調に繋がる可能性があります。定期的な点検をおススメいたします。 エアフィルターの点検を行います。汚れも少なく問題ありませんでした。汚れで目詰まりを起こすと燃費悪化やエンジン本来の性能を発揮できなくなります。定期的にケースを開けて目視で確認してみましょう。 次に冷却系廻りを点検していきます。ラジエターホースに漏れはありませんでした。経年劣化していくとホースに亀裂が入りそこから冷却水が漏れてしまいエンジンがオーバーヒートを起こす可能性があります。定期的な点検をおススメいたします。 ブレーキマスターシリンダーのチェックをしていきます。オイル漏れもなくキレイな状態でした。ただ、クラッチマスターシリンダーからはフルード漏れが確認できたので後ほど交換させていただきました。続いて補機ベルトの状態およびオートテンショナーの異音やガタが無いかを点検していきます。問題ありませんでした。ベルトが切れてしまうとバッテリー充電が出来なくなり最悪エンジンが停止する恐れがあります。定期的な点検をおススメいたします。 続いてプラグの点検を行いました。イリジウムプラグに交換されており、4本とも特に問題ありませんでした。ただ、そこそこ使ってきたプラグではあるので、どこかのタイミングで交換して頂くのが良いかと思います。先端の部分がひどく汚れてしまうとエンジンが掛かりづらくなったり、走行中に失火が起こり故障の原因となります。エンジンが掛かりづらくなるなどの症状が出た場合は当店にご相談ください。 VTECの切り替えに必要不可欠なスプールバルブのオイル漏れを確認しましたが、問題ありませんでした。ここは、高い油圧がかかるのでオイル滲み・漏れが起こりやすい箇所です。目視で簡単にチェックできますので、定期的に見てみることをおススメします。もし滲みが見られましたら、当店にお気軽にご相談ください。 続いてリフトアップして足廻りをチェックしていきます。まず最初にハブベアリングとボールジョイントのガタがないかチェックを行います。特に問題ありませんでした。走行中に異音やハンドルのガタつきなどを感じた場合は当店へお早めにご相談下さい。 下廻りをチェックしていきます。特に目立つようなキズやサビもなくきれいな状態でした。ブレーキ廻りの点検をしていきます。ブレーキキャリパーシールの状態やキャリパーピストンの動きに問題ありませんでした。シールが劣化するとピストンに水が進入して錆びつきブレーキの引きずりなどの症状に繋がる可能性があります。定期的な点検をおススメします。 ブレーキパッドの残量をチェックしていきます。フロント6mm、リア7mmでした。まだしばらくは交換しなくても大丈夫ですね。 足廻りのブッシュ・ブーツをチェックしていきます。ブッシュ・ブーツにヒビが入ってしまいそのままにしておくと、そこからグリスが漏れ出したり、異物が侵入して足廻りの機能に支障をきたすだけではなく、車検を通過できなくなってしまいます。またそれ以外にもダンパーのオイル漏れがないかを点検していきます。 特に足回りのブーツ類などにも問題はありませんでした。
S2000(AP1)の油脂類交換
HMR HONDAでは納車前点検でエンジンオイルやオイルフィルター、ブレーキフルード、ミッションオイル、デフオイルを新品交換しています。油脂類がリフレッシュされていれば納車してすぐのドライブも安心して楽しめますね。まずはエンジンオイルから抜いていきます。エンジンオイルはエンジン内部の潤滑および冷却を行います。定期的な点検を行わず走り続けるとエンジン不調の原因となります。使用状況によりますが半年または5,000kmでの交換をおススメいたします。
オイルフィルターも交換していきます。交換目安はエンジンオイル2回ごとになります。ミッションオイルも抜いていきます。ミッションオイルが劣化していくとギアの入りが悪くなったり、最悪ミッションのギアを痛めてしまいミッションブローに繋がります。 リアデフオイルも抜いていきます。 クーラント液を抜いていきます。 新しいミッションオイルを入れていきます。ミッションオイルはホンダ純正のMTF-3を使用しています。デフオイルはWAKO’SのDF-90を入れていきます。 エンジンオイルを入れていきます。エンジンオイルはWAKO’SプロステージS 100%化学合成油 10W-40を使用しています。 ラジエタークーラント液も入れていきます。 次にブレーキフルードを交換しました。フルードはDOT4を使用しています。交換タイミングは、車検毎をおススメしております。スペアタイヤを含む各タイヤの空気圧チェックをしています。タイヤのエアはゆっくり少しずつ抜けていきます。ガソリンスタンドで簡単に入れられますので1ヶ月に1度のチェックをおススメいたします。万が一の際のスペアタイヤの空気圧もしっかりとチェックしていきます。室内灯が点かない症状がありましたので、スイッチの通電箇所を研磨していきます。これで通電を妨げていた汚れが除去され点灯ました。 続いてワイパーゴムを交換していきます。
S2000(AP1)の部品交換作業
点検の中でクラッチマスターのオイル漏れが見つかりましたので交換していきます。写真左が交換品になります。 交換しましたらクラッチフルードを入れていきます。
以上で作業は終了です。全体的にとても状態の良いS2000でした。今後のメンテナンスとしてはまずタイヤが劣化気味でしたので早めの交換がおすすめです。そして、幌を閉めているキャッチとストライカーが弱くなってきているため、ここも新品に交換すると幌とボディの密着が高まり風切り音が少なくなります。F様、この度はS2000(AP1)ご契約ありがとうございました。ホンダが誇るVTEC FRスポーツカーしかも貴重なフルノーマル車のドライブを楽しんでください!
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