HMR HONDA(エイチエムアールホンダ)のメカニック ムラマツです。今回は販売させて頂いたS2000(AP1)の納車前点検時にブレーキキャリパーの固着が発見されましたので、4輪のブレーキオーバーホールを行いました。さらに、どうせオーバーホールするなら、、という事でお客様よりブレーキパッドの交換、ブレーキホースの交換もご依頼頂きましたので併せて作業させて頂きました。お客様はストリートメインで使用されるという事でしたので、ブレーキパッドはDIXEL ESタイプ、ブレーキホースは無限のマイクロメッシュブレーキラインをご用意させて頂きました。 無限のイメージカラーのゴールドにさりげないMUGENロゴがいい感じですね。
S2000(AP1)ブレーキキャリパーのオーバーホール
早速作業を進めていきます。まずはブレーキキャリパーを車体から取り外します。
固着しているキャリパーを外す時は、ブレーキホースの接続を外す前にブレーキペダルを踏んで油圧でピストンを押し出してあげます。そうすると固着しているピストンもある程度押し出されて取り外しが簡単になります。が、しかし、、、、 右リアキャリパー以外あまりピストンが動いてくれませんでした、、、だいぶ錆びついてしまっている感じですね。これはなかなか大変そうです。右前のキャリパーです。油圧で押し出してもこれ以上動きませんでした、、、もちろんブレーキホースのボルト穴からエアを吹き込んでも外れません。工具を駆使して少しずつ動かして格闘する事10分、、、ようやくピストンが抜けてきました!なかなかの錆っぷりです!ピストンの錆とキャリパー本体の錆がくっついてしまい、ブレーキの固着となります。当然再使用出来る物ではないので新品に交換します。ピストンを抜いたキャリパー本体はこんな感じになっていました。 キャリパー自体はキレイにシルバー塗装されていたのですが、中のオーバーホールはしていなかったみたいですね。 ピストンシールの溝(奥側の溝)に大きな錆はなかったのでクリーニングして再使用出来そうです。ツールを使ってクリーニングしていきます。大分キレイになってきましたね。こちらはリア側です。ピストン自体は大きな錆はありませんでした。固着の初期状態とでもいうべきレベルです。 キャリパー本体はこんな感じになっていました。フロント側程ではないですが、それなりに錆が侵攻していますね。こちらもダストブーツ側の溝の錆だけですので再使用出来そうです。 キャリパー本体のクリーニングが終わったら新品のピストンシール、ダストブーツを組付けていきます。それぞれ専用のグリスをしっかりと塗布して組付けます。新品のピストンを組んで、エアでピストンを押し出したり、戻したりしてスムーズに動くか確認します。リア側のキャリパーはサイドブレーキ付きの構造なので、ピストンの頭の溝に工具を当てて左右に回してあげると、出たり入ったりします。こちらもスムーズにピストンが動くか確認します。無事オーバーホールが終わりました。写真だと分かりづらいですが、落とせるダストは可能な限り落としておきます。トラブルの早期発見の為ですね。
S2000(AP1)無限マイクロメッシュブレーキライン取付とブレーキパッド交換
ブレーキのオーバーホールが終わったので、追加でご依頼頂いた無限マイクロメッシュブレーキラインと、DIXELのブレーキパッドを取り付けていきます。まずは、純正のブレーキホースの取り外しからですね。
車体側のブレーキパイプからブレーキホースへの接続部分はフレアナットレンチという専用の工具が必要になります。スパナで緩められそうですが、なめてしまうので使用はNGです。もしなめて取れなくなってしまったら、ブレーキパイプの交換です、、、、かなりの手間になるのでご注意を ブレーキホースが外れました。状態はそんなに悪くなかったので一度交換しているかもしれませんね。 無限のマイクロメッシュブレーキラインを取り付けます。過去ブログでも紹介しましたが、全て車種別設計になっているので、ブレーキホースのステーは純正と同じように付ける事ができます。取付も楽ちんですね。 ⇒過去ブログ DIXELのブレーキパッドをキャリパーにセットします。シムの裏側と上下のリテーナー部分には付属のカッパー系グリスを塗っておきます。こうすることで鳴きの抑制や固着が抑えられます。 キャリパー本体を取付て、ブレーキホースを接続して完成です。 キャリパーの隙間から見えるDIXELロゴがカッコいいですね!とってもスポーティに仕上がりました。 最後にブレーキフルードの交換とエア抜きを行って作業終了です。今回はストリートメインなのでDOT4のブレーキフルードを使用しました。オーバーホール前はストロークがほとんどなくカッチカチだったペダルタッチも、しっかりストロークした上でカチっとなるタッチに改善されました。過去ブログでもブレーキのオーバーホールは何回か紹介してきましたが、それだけ痛みが進んでいるクルマが増えているという事ですね。ペダルストロークが少なくカチっとしていると一見良い状態に思えますが、実際には固着している、固着し始めているという事が多いです。ブレーキの固着を放置していると最悪の場合車両火災にも繋がりますから、早めのオーバーホールをしておきたいですね。スポーツ走行をされる方なら一度はチェックしてからサーキットに行って下さいね~ T様ご納車までお楽しみのお待ち下さいませ。
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