HMR HONDA(エイチエムアールホンダ)の栗原です。今回はプロドライブ17AW ビルシュタイン車高調を装着したS2000(AP1)の納車前点検整備を行いました。プロドライブと聞いてモータースポーツ好きだとWRC(世界ラリー選手権)やGTカーなど様々なレースカテゴリーで素晴らしい成績を収めているレーシングファクトリーが頭に浮かぶと思います。日本ではスポーツホイールを中心にシートやステアリングなどを販売展開しています。
S2000(AP1)の納車前点検
まずエンジンルームをチェックしていきます。写真右下に見えるのはCUSCO製のオイルキャッチタンクです。オイルキャッチタンクは、エンジンヘッドに溜まるブローバイガスやスラッジやカーボンといった不純物を処理するためのパーツです。これによってエンジン性能の低下を防ぎます。バッテリーの健全性をチェックしていきます。テスターの結果、かなり弱っていましたので後ほど交換させていただきました。 インテークホースの点検を行いました。特に問題ありませんでした。インテークホースは経年劣化で蛇腹部分に亀裂が入ると、そこからエアフィルターを通さない空気を吸ってしまいエンジン不調に繋がる可能性があります。定期的な点検をおススメいたします。エアフィルターの点検を行います。全体的にうっすらと黒く汚れていましたが交換が必要なほどではありませんでしたがお早めの交換をおススメさせていただきました。汚れで目詰まりを起こすと燃費悪化やエンジン本来の性能を発揮できなくなります。定期的にケースを開けて目視で確認してみましょう。 次に冷却系廻りを点検していきます。ホースに漏れはありませんでした。経年劣化していくと亀裂が入りそこから冷却水が漏れてしまいエンジンがオーバーヒートを起こす可能性があります。定期的な点検をおススメいたします。 VTECの切り替えに必要不可欠なスプールバルブのオイル漏れを確認しましたが、問題ありませんでした。ここは、高い油圧がかかるのでオイル滲み・漏れが起こりやすい箇所です。目視で簡単にチェックできますので、定期的に見てみることをおススメします。もし滲みが見られましたら、当店にお気軽にご相談ください。続いて補機ベルトの状態およびオートテンショナーの異音やガタが無いかを点検していきます。問題ありませんでした。ベルトが切れてしまうとバッテリー充電が出来なくなり最悪エンジンが停止する恐れがあります。定期的な点検をおススメいたします。 続いてプラグの点検を行いました。4本とも特に問題ありませんでした。先端の部分がひどく汚れてしまうとエンジンが掛かりづらくなったり、走行中に失火が起こり故障の原因となります。エンジンが掛かりづらくなるなどの症状が出た場合は当店にご相談ください。 ブレーキ廻りの点検をしていきます。まずブレーキキャリパーシールの状態やキャリパーピストンを確認していきます。リアキャリパー側のサビがかなり進行していましたので後ほど交換(オーバーホール)させていただきました。キャリパーシールが劣化することでピストン内に水分が侵入することでサビが発生します。それをそのまま放置しているとキャリパーの動きを阻害されてしまい、ブレーキの引きずり症状を引き起こしてしまう可能性があります。 かなりサビや汚れがこびりついていますね。 ブレーキパッドの残量をチェックしていきます。フロント8.5mm、リア7mmでした。まだしばらくは交換しなくても大丈夫ですね。 足廻りのブッシュ・ブーツをチェックしていきます。ブッシュ・ブーツにヒビが入ってしまいそのままにしておくと、そこからグリスが漏れ出したり、異物が侵入して足廻りの機能に支障をきたすだけではなく、車検を通過できなくなってしまいます。またそれ以外にもダンパーのオイル漏れがないかを点検していきます。 チェックしたところ、フロントスタビリンク左右、右フロントタイロッドエンドブーツ、リア左右のトーロッドブーツにヒビ・破れが確認できましたので後ほど交換させていただきました。下の写真の正面手前がフロントタイロッドエンドブーツになります。グリスが漏れの跡がくっきり見えます。
こちらはリアのトーロッドブーツです。ヒビ割れが確認できます。
S2000(AP1)の油脂類交換
HMR HONDAでは納車前点検でエンジンオイルやオイルフィルター、ブレーキフルード、ミッションオイル、デフオイルを新品交換しています。油脂類がリフレッシュされていれば納車してすぐのドライブも安心して楽しめますね。まずはエンジンオイルから抜いていきます。エンジンオイルはエンジン内部の潤滑および冷却を行います。定期的な点検を行わず走り続けるとエンジン不調の原因となります。使用状況によりますが半年または5,000kmでの交換をおススメいたします。
当店ではエンジンオイルはWAKO’SプロステージS 100%化学合成油 10W-40を使用しています。
クーラント液も交換していきます。新しいミッションオイルを入れていきます。ミッションオイルはホンダ純正のMTF-3を使用しています。 デフオイルはWAKO’SのDF-90を入れていきます。
S2000(AP1)の部品交換作業
点検内で見つかった交換箇所を作業していきます。まず最初にリアブレーキのオーバーホール作業になります。下の写真はあたらしいピストンとシール類です。リアキャリパーを取り外し、各部品を外し、洗浄していきます。 ピストンはかなりサビなどでボロボロですね・・・洗浄し、新しい部品を組み込んだら再び取り付けていきます。 写真はフロントの様子ですが、ブレーキフルード交換とエア抜きします。フルードはDOT4を使用しています。次に足回りのブーツ・ブッシュ類を交換していきます。左がヒビ割れで傷んでしまったリアのトーロッドブーツです。右が新しいブーツになります。
こちらはタイロッドエンドブーツです。写真は取り忘れてしまいましたが、トーロッド同様に交換しました。次に車内灯が点かなったので分解して確認したところ、スイッチの通電箇所が汚れていました。よくあるトラブルです。 通電箇所を軽く研磨をして解決です。 最後にワイパーゴムを交換しました。
以上で作業は終了です。K様、この度はS2000(AP1)ご契約ありがとうございました。ホンダが誇るVTEC FRスポーツカーのドライブを楽しんでください!
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