HMR HONDA(エイチエムアール ホンダ)のイシケンです。EK9の値段が高騰してしまって仕入れが難しくなったので、もしかしたらこのEK9が当社で扱う最後の1台ではないかと。。。そんなEK9の納車前点検整備を行いました。ご納車時の整備にて現状劣化している箇所のメンテナンスも同時にオーダーいただきましたので、作業ボリュームは満点です。まずは通常の点検と油脂類交換から行います。作業はメカニックのムラマツです。
シビックタイプR(EK9)納車前点検
エンジンルームから点検していきます。いきなりですがエアフィルターがかなり汚れていました。こちらもオーダーいただいておりましたので新品に交換いたしました。こちらが新品との比較です。汚れ具合がよくわかりますね。続いて点火プラグのチェックです。焼けの状態や端子の状態など特に問題ありませんでした。EK9はプラグが被りやすいので、定期的にチェックして交換するとエンジンの始動性を良く保てます。EK9でよくあるのですが、バッテリーの端子部分の締め付け金具が開いてしまって閉まらなくなるという症状があります。点検時はそれもチェックしています。こちらのEK9は特に問題ありませんでした。こちらはラジエターホースの劣化をチェックしています。硬くなってバンド部分からヒビが入り冷却水が漏れてくるなどの症状もありますが、こちらは特に問題ありませんでした。こちらはVTEC切り替えをコントロールしているスプールバルブです。ここからオイル漏れが発生するのは定番症状がですが、このEK9は大丈夫でした。こちらはブレーキマスターシリンダーです。フルード漏れが発生することもありますが、問題ありませんでした。ただ、その隣にあるクラッチマスターシリンダーからはフルード漏れが確認できました。こちらは後ほど新品に交換します。続いてインテークパイプの劣化をチェックします。亀裂が入ってエアクリーナー後にエアを吸ってしまうことがあるためチェックしますが、特に問題ありませんでした。その他エンジンルーム内は特に問題ありませんでしたが、プラグコードが弱っていたので中古でストックしていたコードに交換しました。
続いてリフトアップして下回り、足回りの点検です。まずはハブベアリングガタをチェックします。上下左右に揺らしてガタを検知します。特に問題ありませんでした。下回りのブッシュ類はそれなりに劣化していました。フロントのアッパーアームボールジョイントブーツ左右切れ、右リアスタビリンクブーツ切れ、タイロッドエンドブーツ左劣化、右ドライブシャフトブーツヒビ、トレーリングアームブッシュヒビという感じでした。まぁ、EK9では当たり前な状態です。これらもオーダーいただいておりますので後ほどリフレッシュします。続いてブレーキ回りの点検です。キャリパーからパッドを外して残量のチェックとキャリパーのシール劣化、ピストン固着がないかチェックします。 パッドはフロント残り9.0mm、リア7.5mmでした。新品10mmなのでまだまだこのまま使えます。キャリパーの固着もなく状態は良好でした。タイヤ残量はフロント6.5mm、リアは5.5~6.5mmでした。こちらも新品で8mmくらいなのでまだまだこのまま大丈夫そうです。一通り点検が終わったので油脂類の交換に入ります。
シビックタイプR(EK9)油脂類交換
エンジンオイルを抜きます。そこそこ汚れたオイルが出てきたのでちょうど交換時期でしたね。オイルフィルターも新品に交換します。続いてミッションオイルを抜きます。ミッションオイルはきれいなオイルが出てきました。注入するオイルはホンダ純正のMTF-3です。続いて冷却水を抜きます。冷却水の汚れは少なめですね。リフトをおろしてエンジンオイルを入れます。ワコーズのプロステージSという100%化学合成油です。冷却水を入れてエンジンをかけてエア抜きをします。その間にブレーキフルード(DOT4)を交換します。これで一通りの油脂類交換は終了です。油脂類で交換していないのはクラッチフルードとパワステフルードになります。クラッチフルードは後ほどクラッチマスターを交換するのでリフレッシュされます。パワステフルードは納車前点検の交換項目に入っていないので、またどこかのタイミングで交換していただくといいですね。
シビックタイプR(EK9)各種リフレッシュ
納車前の点検で劣化が見受けられた箇所のリフレッシュを行っていきます。まずはクラッチマスターシリンダーの交換です。エンジンルーム側からはフルードが漏れているようには見えないのですが、室内側を除くと漏れています。 こちらが取り外したクラッチマスターです。ASSYで新品に交換します。 交換したらクラッチフルードを入れてレリーズ部分からエア抜きを行って終了です。続いてブッシュ、ブーツ類のリフレッシュに入ります。まずはタイロッドエンドブーツ左側です。こんな感じでヒビが入っていたので交換となりました。専用工具を使ってタイロッドをロアアームから切り離します。 エンドブーツ交換前提の場合はこの工具でグッと外してしまいます。この工具でブーツが切れることが多いので、交換前提の時にしか使えません。 こんな感じで新品に交換完了です。続いてフロントのアッパーアームボールジョイントブーツ左右の交換です。こちらは完全に切れていたので納車前整備内にて交換となりました。 こんな感じで新品を装着してリフレッシュです。 反対側も新品に交換します。 続いてドライブシャフト右側のリフレッシュです。インナーのブーツにグリスが滲んできていました。まだすぐに交換が必要という訳ではないですが、乗り出してしまうと意外とそのままにしてしまうことがあるので、今回オーダーいただいてリフレッシュすることになりました。 ドライブシャフトASSYでリビルト品にてオーダーして交換しました。 こんな感じでグリスが出始めていた感じです。このまま放置するとグリスがもっと飛び散りブーツ内のグリスが切れてボールベアリングが焼き付いて走行不能ということもあります。 そんなことになる前にリフレッシュです。きれいなドライブシャフトになりました。今回は右側だけなので、また定期的に点検して反対側の状態もチェックしていただきたいですね。続いてリア周りのリフレッシュに入ります。まずはすぐに交換できるスタビリンクからです。右リアのブーツ部分に亀裂が入っていました。 スタビリンクブーツはブーツ部分の単品交換はできないので、スタビリンクASSYでの交換となります。こんな感じでリフレッシュさせていただきました。 最後におおがかりな作業となるトレーリングアームブッシュの交換です。EK9では多くの車でヒビが入っています。グリスが出てくるわけではないので車検は通りますが、気持ちいい走りには影響してきます。純正はトレーリングアームASSYでしか供給がない上に、すでに製廃となっています。そこでSPOONの強化ブッシュを使ってリフレッシュします。強化ブッシュですがそこまでガチガチにはならないので、乗り心地は確保されます。それではリアの足回りをバラシてナックルやローターごとごっそりと取り外します。 改めてブッシュを見てみるとかなりのヒビが入っています。上下に力がかかるブッシュで、リアの乗り心地に影響します。プレスで打ち抜きます。外してみたらこんな感じです。やはり結構なヒビですね。これをSPOONの強化ブッシュに打ち換えます。 左がSPOON、右が純正取り外しのブッシュです。SPOONの方がブッシュが多く詰まっているのがよくわかると思います。取り付けはプレスを使って圧入します。この時、純正と同じ位置に合わせて圧入しないと取り付け時に曲がって変な力が加わってしまいます。なので、純正ブッシュを外す前にマーキングしておくのが必須です。 あとは車体に戻して片側の交換完了です。反対側も交換します。同じようにプレスで打ち抜いて挿入していきます。 こんな感じで左右のトレーリングアームブッシュの交換完了です。乗り心地でもかなり変わりました。シャキッとした乗り心地になります。最後にオーダーいただいていたアライメント調整を近所のコックピットさんにて行ってもらいました。この後、古い車で行っている100km走行テストに行き、高速、下道と走ってトラブルが出ないかチェックしました。特に問題はなく気持ちよく走ってくれましたが、古い車なのでこれからも定期的な点検を欠かさずにメンテナンスしながら乗ってもらいたいですね。
写真はないですがこの後、キーパー技研の加盟店である当社の有資格者によるクリスタルキーパー(ガラスコーティング)を施工させていただきました。かなりツヤツヤになったので1年ほどは水洗いだけでも十分です♪♪U様、この度はご契約ありがとうございました。ご納車までもうしばらくお待ちください。
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