HMR HONDA(エイチエムアールホンダ)のメカニック ムラマツです。今回は2020春のデモカーS2000アップデート計画の最終回です。デモカーS2000は現状エンジン本体はノーマル縛りとなっていて、エンジン本体には手を加えずチューンアップを行っています。少しでもパワーを稼ぐ為にCSOさんのインマニ&吸気温度センサー断熱ガスケット、ブリーザーヒート水路変更キットを取付ました。
S2000特にAP1は吸気温度センサーがインマニの後方に装着されていて、インマニ自体の熱を受け本来の吸気温度より高い数値を検出してしまうというマイナス面があります。検出する吸気温度が高くなるとECUの補正が入りパワーダウン傾向の制御になってしまいます。それを防ぐ為に吸気温度センサーにインマニからの熱を吸わせない&インマニ自体もエンジンとの間に断熱ガスケットを挟んで温度上昇を抑える、さらに、インマニやスロットルボディを温めているブリーザーホースの水路を変更してインマニを温めない!というトリプル断熱アイテムを投入します。
S2000(AP1)インマニの取り外し
「インマニ断熱ガスケット」というだけあって、当然インマニの取り外しをしないと取付が出来ません。S2000のインマニ外しは取り外すパーツが多く、狭い場所ばかりなので実は結構大変だったりします。ラジエターホースや、ヒーターホースも外すのでまずは冷却水を抜きましょう。 J’sレーシングのエアクリーナーキットを外します。取付は大変なのに取り外しはあっという間です(笑)作業の邪魔になるのでタワーバーも外してしまいます。オルターネーター、ベルト、テンショナーなど、どんどん外していきます。ちなみに今回ベルトとテンショナー新品へとリフレッシュします。テンショナーのプーリーは中のベアリングが痛んでしまうと異音が出たり、最悪の場合プーリーがロックしてしまいます。もちろんフリクションロスにもなるでしょうからこのタイミングでリフレッシュ出来るところは一緒に交換しておきます。インマニの下側のステーや配線なんかを外していきます。とにかく狭いです! インマニ上側の配線・配管類、フューエルホースなども外します。ラジエターホース、ヒーターホースも外します。とにかく地味な作業が続き、ようやくインマニ本体が外れました! インマニのポート側は結構キレイですね。ストリートメインだとポート内が黒く汚れている事が多いですが、デモカーS2000はサーキットメインで使っているせいかブローバイの付着は少ないみたいですね。インマニの無い状態はなかなか見れませんね。インマニを外すと結構広大なスペースが現れます。エンジン側の吸気ポートや、吸気バルブもそんなに汚れてないですね。
S2000(AP1)ウォーターポンプ・スターターモーター・ヒーターホースをリフレッシュ
インマニが外れたので、早速断熱ガスケットを取付!と行きたいところでしたが、インマニを外した時にしか交換出来ないヒーターホース類、今替えたらすごい楽だね!という事でスターターモーターやフューエルホースのリフレッシュも行いました。
ウォーターポンプは交換する予定は無かったのですが、プーリーの状態をチェックすると少しゴリゴリ感が、、、サーキット走行がメインなのでトラブルが発生すると一大事になる可能性もあります。今ならサクッと交換出来るので、ウォーターポンプも同時に交換してしまいます。見た目ではわかりませんが、ポンプの軸のベアリングが痛んでいたみたいです。ヒーターホース類もこういった機会でなければあまり交換する事は少ないですね。この機会に一気にリフレッシュします。通常だったら、インマニの下の隙間からボルトを外し、車体の下の隙間から外して、、、と交換が大変なスターターモーターが目の前に。「たまにオーバーランの症状が出ている」との事でしたのでこの機会に交換してしまいます。リビルト品のスターターモーターと交換しました。その間わずか3分ほど。最速ではないでしょうか(笑)
S2000(AP1)インマニ・吸気温度センサー断熱ガスケット・ブリーザー水路変更キットを取付
いよいよ、今回の本題ですね。CSOさんの断熱ガスケット類を取付ていきます。まずは吸気温度センサーの断熱ガスケットです。写真の茶色いパーツが断熱ガスケットです。樹脂製のスペーサーを吸気温度センサーとインマニの間に取付ます。外して、付けて終了!もちろんこのパーツだけならインマニを外す必要はありません。続いてブリーザーヒーター水路変更キットです。本来、スロットルやインマニの凍結防止のヒーターとしてサーモスタットケースからインマニにつながっているホースを撤去し、メクラキャップで塞いでしまいます。水路変更キットの残りのパーツはインマニ取付後に残りの作業をします。インマニの横についているISCバルブのヒーター水路も使用しなくなるので付属のメクラキャップで塞いでしまいます。そして今回のメインパーツ、インマニ断熱ガスケットを取付ます。こちらも吸気温度センサー側と同じく樹脂製のガスケットです。純正のインマニガスケットを2枚用意して、エンジン⇒純正ガスケット⇒断熱ガスケット⇒純正ガスケットという具合に取り付けていきます。ココからはひたすら外したパーツを元に戻していきます。インマニをエンジンに戻すとすでに断熱ガスケットが見えません、、、、アップで見てもこんな感じです。言われないと気付かない存在感ですね、、、用意しておいた新品のテンショナー・ベルトを取り付けていきます。見た目のフレッシュになって気持ちいいですね。ブリーザーホース水路変更キットの残りのパーツを取付ます。インマニの水路とラジエターホースをダイレクトで接続します。サムコのラジエターホースを切断してアタッチメントを間に入れます。見た目重視ならインマニの真下の見えない所にアタッチメントを接続する事もできますが、デモカーはサーキットメイン!トラブル時のメンテナンス性を優先してなるべく触りやすい位置に接続しました。シリコンホースだけですと心元ないのでスパイラルチューブで保護しておきます。他のホース類と併せて同色のホースなどに置き換えても良さそうですね。CSOさんのキットには付属していませんが、スロットルボディの配管部分はメクラキャップで塞いでおきます。これでインマニ部分を温めてしまう要素が取り払われました。最後に冷却水のエア抜きを行って完成です!S2000はヒーター系のエアがなかなか抜けてくれませんが、デモカーS2000はすんなり抜けてくれました。作業後のエンジンルームですが、いろいろとやった割には見た目は作業前とほぼ変わっていませんね、、、ブリーザーホース類を撤去したついでに2次エア配管や、インジェクターカバーなども撤去してスッキリさせておきました。お気持ち程度の軽量化です(笑)
インマニ断熱ガスケット取付前後の比較
今回のパーツですが、取付を行ってどれだけ効果があるのかが気になりますね。比較方法が決まっている訳ではないので、オリジナルで作業前と作業後に同条件で走行して比較してみました。今回は、気温20℃ 冷機状態からHMR周辺道路を2週、PITにてラジエターファンが回るまで暖気。というような条件で計測してみました。作業前がこちら。水温96℃ 吸気温度センサーの数値は50℃でした。
作業後はこちら。吸気温度が46℃になり、4℃ほど低下していますね。全く同条件を出すのは難しいですが、ある程度効果ありそうです。今回は街乗り走行での結果ですのでサーキット走行や高速走行でエンジンルームに常にフレッシュな空気が入ればより効果がありそうですね。ちなみに市街地を1時間ほど街乗りをした後ではエンジンルームに熱気がこもってしまい吸気温度はパーツ取付前と同じくらいまで上昇してしまいました。効果があるのはスポーツ走行時となりそうですね。これで2020春のアップデートは一通り終了です。サーキット自粛が解禁になった際にはフィーリングのチェックをしてみたいと思います。HMRではアフターパーツの取付もいろいろ行ってますのでお気軽にご相談下さい♪
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