
クラッチトラブル原因はレリーズピボット!86(ZN6)のクラッチ修理を行いました。
8&B HMR(エイトアンドビーエイチエムアール)のモリヤマです。今回はクラッチトラブルで自走不能になってしまった86(ZN6)の修理&クラッチ交換をさせていただきました。突然のトラブルで自走できなくなるのはとても困ります(泣)今回は86のウィークポイントの一つでもあるレリーズピボットのトラブルでした。
86(ZN6)トランスミッション取り外し
それでは作業していきます。まずは室内からシフトレバーを外していきます。シフトレバーを外しておかないと、トランスミッションが外れないなんてことにも・・・
室内の作業が終了したら、次にエンジンルームの作業です。
トランスミッションに接続されているコネクターを外します。
クラッチレリーズは故障診断の段階で外してあります。この奥に今回のクラッチトラブルの原因が潜んでいます。この時点でレリーズフォークの位置がおかしなことになっています。。。
その他の配線やステーを外していきます。
次に車両をリフトアップして下回りの作業です。まずはアンダーカバーを取り外します。
プロペラシャフトも取り外すので、邪魔になるフロントパイプは外してしまいます!
トランスミッションからオイルを抜き取ります。
フロントパイプ、プロペラシャフトを取り外したら、いよいよトランスミッション本体を取り外していきます♪
ミッションマウント、シフトリンクを外します。
86/BRZのクラッチ交換ではこのシフトリンクのゴムブーツが高確率で破けます(泣)かなりタイトに収まっているので外すのも入れるのも大変です。
これでトランスミッションを取り外す準備ができました!エンジンを傾けながらトランスミッションを慎重に外します。
無事にトランスミッションが取り外せました!
86(ZN6)レリーズピボット交換
これが今回のクラッチトラブルの原因のレリーズピボットです。レリーズベアリングを動かすレリーズフォークの支点となるパーツです。86/BRZではこのピボットの強度がウィークポイントで、スポーツ走行などで負荷がかかると折れてしまうことがあります。トランスミッションに対しておかしな角度に折れ曲がってますね。今回はここが折れてしまい、レリーズフォークが正しく動作しなくなりクラッチが切れなくなってしまいました。そうなると自走不能となります。
今回は何とか外すことができました!このボルトの根元が残ってしまうと取り外すのが非常に難しくなります。最悪の場合はトランスミッションケースの交換なんてことに。。。
86(ZN6)クラッチ交換
一番の難所を突破したところで、クラッチ一式を交換していきます。今回は通常のクラッチ交換のほかにクランクシャフトのオイルシールの交換もご依頼いただきました!今回のトラブルの原因のレリーズピボットももちろん新品に交換します。根元から折れて曲がってしまいひどい状態です。。。
クラッチカバー、クラッチディスクはオーナー様から強化クラッチを入れてみたいとの事で、CUSCOの強化クラッチキットをご用意させていただきました。純正と変わらない操作感でストリートも扱いやすいクラッチです。
トランスミッションオイルはオーナー様の持ち込みのROYAL PURPLEの75W-90です♪
まずはエンジンからクラッチカバー、クラッチディスクを取り外します。
今回はクランクシャフトのオイルシールやパイロットベアリングも交換しますのでフライホイールも外します。
クラッチディスクは偏摩耗もなく正常に消耗していますね。
フライホイールも焼けやリングギアの欠けもなく問題なしですね。
クランクシャフトのオイルシールを交換します。今回交換する部品の中では最も奥に配置されている部品です。
こちらは今回予防整備として交換しました。この部品を交換するだけでもトランスミッションを取り外さないと交換できないので、合わせての交換で工賃も抑えることができます。
フライホイールのパイロットベアリングも交換します。古いものをたたき出して。。。
新しいベアリングを取り付けます!
あとはフライホイールをエンジンに取り付けます。
トランスミッション側の準備もします。レリーズベアリングを交換して
レリーズピボット、レリーズフォークを取り付けて準備OKです♪
クラッチカバー、クラッチディスクはトランスミッションを取り付ける前に中心を出しておきます。ここがズレているとトランスミッションが収まりません。
トランスミッションをエンジンに取り付けます。
難所のシフトリンクのブーツもきれいに収まりました♪
あとは逆の手順でプロペラシャフト、フロントパイプなどを取り付けていきます。
トランスミッションオイルを入れます。ROYAL PURPLEと名前にある通り、紫色のオイルです。
フィラーから規定量を注入します。
あとは車両を下ろして、シフトレバーなどを取り付けます。
エンジンルームの配管やコネクターも元に戻します。
こちらのクラッチレリーズも交換します。距離的には交換が必要ではないのですが、クラッチフォークがずれてしまった事によりレリーズのロッドもかなり斜めに押している状態でしたので内部に負担がかかっていた可能性があり、念の為交換する事にしました。
新しいクラッチレリーズを取り付けます。
外していたタワーバーも元に戻していきます。
TRDのカーボン製のタワーバーです。とても軽く、エンジンルームもレーシーなイメージになりますね♪
最後に試乗チェックをして作業は終了です。心配されていたほど大きなトラブルにならず無事復活を遂げる事ができました。U様ご依頼ありがとうございました!引き続き86ライフ楽しんでくださいね。
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