更新日時:2022/12/12
HMR(エイチエムアール)の栗原です。今回はアコードユーロR(CL1)のエンジンマウント交換、ISCVバルブ清掃、タイミングベルト一式交換作業の様子をレポートしていきます。担当はムラマツです。
多くの自動車メーカーではタイミングベルトの耐用距離を10万kmとしています。今回のアコードユーロRも10万km超えていましたのでベルトとウォーターポンプなど周囲一式を交換しました。
写真はヘッドカバーとサイドカバーを取り外しています。
手に持っているのは新しいタイミングベルトです。
そのタイミングベルトのカバー下からオイルが漏れていました。場合はカムシャフト、クランクシャフト、バランサーシャフトのいずれかのオイルシールの劣化の可能性が高いです。バランサーシャフトはエンジンの振動を抑えるパーツです。サーキット走行メインの場合だとこのバランサーシャフトを取り外してパワーを稼いだりします。
タイミングベルトは劣化すると、ゴロゴロ音やガラガラ音が聞こえていく場合があります。原因はこのベルトの「張り」を支えているテンショナーが劣化していることに起因します。
目視した時にベルトの表面がヒビ割れやササクレが見つかったら早急に交換しなければならない状態です。万が一切れてしまうとエンジンが急停止し、エンジンの破損や急停止したことによる急減速で事故につながる恐れもあります。サイドカバーを取り外してみると写真右のリア側バランサーシャフト下がオイル漏れで真っ黒になっています。ちなみにここのベルトはタイミングベルトではなく、バランサーシャフトを回転させるバランサーベルトといいます。
バランサーベルトを取り外します。
バランサーシャフトのテンショナーも取り外します。
プーリーも取り外してしまいます。
カムプーリーも取り外して内側にあるオイルシールを交換していきます。
クランクシャフトオイルシールも交換していきます。
サイドカバーを取り外す機会は早々ないので、ベルト交換の際は一緒にシャフトのオイルシールを交換してしまうことをおススメします。
エンジン前側のバランサーシャフトのオイルシールもよく見るとオイル漏れよって付着した鉄粉が確認できます。もちろん交換していきます。
オイルシールを取り外してみると汚れも相まってボロボロになっていました・・・
こちらが新しいオイルシールです。
付着した汚れは清掃して新しいオイルシールを取付けました。
タイミングベルト交換時の定番ですが、ウォーターポンプも新品に交換させて頂きました。ウォーターポンプも劣化により水漏れする可能性がありますから、タイミングベルトの交換時はセットで取り換えておきたいですね。
右が交換品になります。
タイミングベルトのテンショナーも交換していきます。
バランサーベルトのテンショナーも同様です。
新しいタイミングベルトも装着しました。 前後のカムプーリーの位置合わせもしっかりします。
タイミングベルトというだけに、タイミングがずれてしまったらエンジン不調になってしまいますので慎重に組付けていきます。
バランサーベルトも新しくしました。
今回お客様から「アイドリングが安定しない、ストールすることもある」とご相談がありました。こういった症状の場合、エンジンのスロットルバルブ近くに装着されているISCバルブがその原因となっています。ISCバルブとは、「アイドル・スピード・コントロールバルブ」といいます。その名の通りアイドリング回転を制御する機構です。ブローバイガスなどでバルブに汚れが溜まっていくとセンサーが不具合を起こしてしまい正常に動作しなくなってしまいます。その場合は分解洗浄とパッキンを交換する必要があります。
同時にサーモスタットも交換します。ISCバルブは水温を感知しアイドリング回転を制御します。そして
サーモスタットは水温に反応して弁の開け締めし、クーラントを循環させます。 つまりサーモスタットが不具合だと水温が上がったまま(あるいは下がったまま)でISCバルブが正確な判断ができなくなってしまいます。
ヘッドカバーのパッキンとシリンダーヘッドプラグも交換しました。こちらもオイル漏れが見つかりました。写真を取り忘れてしまいましたが、スプールバルブのパッキンも交換しました。
最後に新しいエンジンオイルと
クーラントを入れていきます。
以上で作業完了となります。M様、作業のご依頼ありがとうございました。これからも楽しくに乗り続けてください。
今回の作業費用ですが
・ISCバルブガスケット交換、スロットルバルブ清掃:11,300円
・ヘッドカバー交換、バルブクリアランス調整:18,000円
・シリンダーヘッドプラグ、スプールバルブ交換:7,100円
・タイミングベルト一式脱着交換:111,230円
・エンジンオイル交換:17,440円
合計税込182,000円でした。