更新日時:2024/04/24
HMR(エイチエムアール)のイシケンです。4月21日に宮城県のスポーツランドSUGOにてENEOS スーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONEの第1戦が開催されました。HMR Racingとしては自社製作マシンであるGR86の初戦です。昨年1年かけてホワイトボディから作り、今年の2月末にシェイクダウンをして、いくつか初期トラブルなどもでましたがしっかりと対処して、無事公式車検も通過してしっかりと開幕戦に出場できました。そんな第1戦の戦いについてブログに書きたいと思います。
今シーズン私は監督に専念してチーム全体を取りまとめて勝てるチームへと導くべく、AドライバーはやめてDドライバー登録をして参戦しました。代わりにAドライバーには以前ST5クラスで広島マツダのデミオで参戦していたKENBOW選手を起用して参戦しました。そして、BドライバーにはGT300クラスでチャンピオン経験のある佐々木孝太選手、Cドライバーには昨年に続いて妹尾智充選手という布陣で今シーズン臨みます。
木曜日と金曜日の練習走行では、マシンのセットアップもそうですが、まずは5年ぶりとなるS耐走行のKENBOW選手のマイレージを稼ぐというのも大事なポイントでした。そのため、マシンのセットアップは木曜日の18日にほぼ終わらせてKENBOW選手にロングでいっぱい走ってもらいました。タイムは5年ぶりとは思えないほど良く、1分36秒台をさくっと出して安定したドライビングをしてくれました。
マシンの方も持込みセットからとても乗り易いと言ってもらい、妹尾選手も中古タイヤにガソリンもそこそこ入っている状況でも35秒台をさくっと出す感じでマシンバランスは最高とのことでした。
一方で佐々木選手はよりマシンからタイムを削り出そうと思うとリアのトラクションがもっと欲しいとの見解で、主にこの部分を改善するべく18日はセットアップしていきました。
19日は1時間のフリー走行が2本あり、それぞれ決勝想定のロングを行いました。18日からまた別のセットを試してロングをしてみましたが、このセットはあまりフィーリングが良くないとのことで、19日を走り終えた時点で元のセットに戻して予選は臨むことにしました。19日のロングではようやくGR86での燃費もわかり、決勝のレースペースもなんとなく見えてきた感じでした。想定されるラップタイムは1分36秒台で、まだまだトップグループと争えるレベルではないですが、中団の中ではいい争いはできそうな位置までは来たかなと言う状況でした。
今回のレースは2グループに分かれてのレースとなり、我々が出場するグループ1は20日の土曜日は完全にお休みで、21日の日曜日に予選と決勝というスケジュールでした。
朝8時からのAドライバーのQ1では、KENBOW選手がこれまでのベストタイムとなる1分34秒086をマーク。今回からQ1で上位50%以上がQ2Aグループに上がり、それ以下がQ2Bグループという内訳になりました。クラス6番手のタイムだったため、Q2Bグループへの進出となりました。
Q2では佐々木選手が力走を見せて1分32秒926をマークし、チームとしてのベストタイムを記録しました。ただ、それでも決勝のグリッドはクラス6番手と最下位は免れたもののまだまだ速さが足りない状況でした。
午後13時25分から4時間の決勝レースがスタートしました。スタートドライバーはBドライバーの佐々木選手。スタートして2周目には#66のロードスターRFをパスし、その後は#60のGR86と終始バトルをして場内&S耐TVを盛り上げてくれました。一時は#18のGR86にパスされるも抜き返し、その後#60GR86と抜きつ抜かれつの展開がずっと続いていきました。ペース的には1分36秒台で安定していたものの、懸念点であった最終コーナーのアンダーが引きずりストレートでトップスピードが伸びないという苦しい展開でした。また、エンジンもうちは完全にドノーマルの未開封エンジンためにピックアップが悪くてバックストレートでも離される中、コーナーでバックマーカーをうまく使って追いつき追い越しという展開でした。
42周目に他のクラスで単独クラッシュがありSCが導入。この時点でクラス4番手を走行。何もなければまだあと10周は引っ張る予定でしたが、SCを利用してピットロスを少なくしようとピットイン。ただ、この時にまだSCに追いついていない段階でピットインしてしまったために、ピットレーン出口で待たされることとなり、その後に入ったマシン達と1LAPほどの差がついてしまいました。ピットの作業があと数秒速ければ止められることはなかったのと、私のピットインの判断がまだ甘かったと反省しました。ピットアウト後はクラス5番手を走行。
KENBOW選手がその後は力走を見せて1分37秒台~38秒台で走り順位を守って88周目にCドライバーの妹尾選手にバトンタッチ。ここで60Lの給油を予定していましたが、トラブルで33Lしか入らずにピットアウトすることに。実は最初のピットインの際も規定量入らず、それを見越してKENBOW選手には予定よりも多く周回してガソリンタンクを空けてもらっていました。それでも全然入らなく、このままではもう一度ピットインして給油する必要がありました。
現在のS耐のレギュレーションで給油ボトル2本以上入れる際はピットレーンの滞在義務時間が課せられることとなっており、今回はそれが90秒でした。これだけは回避したく、妹尾選手には燃費走行とタイムを落とさない走行をしてもらい、なんとか給油ボトル1本の20Lで乗り切れる燃料を稼いでもらう走りに徹してもらいました。
この時点で他のマシンのトラブルもありクラス4番手を走行。5番手の#60GR86とは1分以上の差が開いていました。スプラッシュでいければ10数秒前には出せる計算だったため、妹尾選手にはなんとか頑張ってもらいました。ガソリンがギリギリのタイミングまでSCが出ないかなど期待していましたが出ることはなく予定にはなかったですが予定通りにスプラッシュを実施。ただ、この時点でチェッカーまでは5L足りない計算でした。でも20L以上入れたら5位は確定。6位はもっと離れていたため、最悪もう1度ピットインすることになったとしても5位は変わらないと判断して、後半も妹尾選手には燃費走行を頑張ってもらう感じでした。
ただ、ピットアウト後は#60の13秒前という感じで、ラップタイムでも1秒から2秒遅い状況であったために追いつかれてしまい、プッシュせざる負えない状況となりました。結果、残り2周、時間にして残り3分というところでガス欠でストップ。すぐにエマージェンシーの燃料に切り替えて走行し戻ってきましたが、残り時間を読み間違えておりピットレーンを通っている時にチェッカーが・・・。
チェッカーを受けないと完走扱いにはならないため、周回数は140周と他車と同じくらいにも関わらずリタイア扱いとなってしまいました。
自分たちで製作したマシンでの初の戦いだったので完走はしたかったのですが、私の判断ミスやトラブルが重なりこのような結果となってしまいました。とても悔しい結果です。
次戦は富士の24hなので、このガソリンが入らないトラブルは解決しないと勝負権が全くなくなります。しっかりとこのトラブルを解決して、次戦に臨みたいと思います。
今回も応援ありがとうございました。