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更新日時:2023/11/24

【2023年スーパー耐久チャレンジ】ZN6型で挑んだ最終戦富士スピードウェイはGR86に匹敵する速さを見せた!


スーパー耐久 86(ZN6) HMR

HMR(エイチエムアール)のイシケンです。11月11日、12日に富士スピードウェイサーキットにてスーパー耐久シリーズの第7ラウンド最終戦が開催されました。最終戦は4時間レース。前回の岡山ラウンドはABドライバーの2名で戦いましたが、今回はABCの3名のドライバーで戦いました。富士スピードウェイはホームコースでもあり、当チームとしては一番走り込んでいるサーキットです。ストレートスピードが物を言うサーキットではありますが、GR86勢に少しでも追いつけるようこの最終ラウンドには可能な限りのメンテナンスを行い臨みました。スーパー耐久 86(ZN6) HMR

まずエンジンは自社にて製作したS耐スペシャルエンジンを投入。これで少しでもストレートスピードで負けないパワーを発揮してくれるはず。そして、ハブベアリング、ドライブシャフトなどの回転物のリフレッシュ、ブレーキキャリパーのOHなどなど、走る、曲がる、止まるの基本的な部分ではありますが、しっかりとメンテナンスを施しました。

11月9日~10日のフリープラクティス

スーパー耐久 86(ZN6) HMRこのレーウィークも木曜日からスタートしました。今回のレースでは木曜日は専用走行枠ではなく、一般のスポーツ走行枠が設定されている感じでした。そのため、コース上には一般車両や同じレースウィークにレースのあるヤリスカップの車両など、一般走行枠が満員になるほどの台数でした。走行枠は全部で5本ありましたが、台数が多すぎてまともにタイムを出すことは難しく、各コーナーでのマシンバランスのチェックを行ってセット変更を施してという進め方でした。スーパー耐久 86(ZN6) HMRマシンのセットアップはとてもスムーズに進み、リアのバネレートを岡山戦の時に変更した物から元のバネレートに戻したくらいで、他は特に何も調整することなくとてもバランスのいい状態になりました。木曜日の段階でほぼその方向性が見えており、金曜日の午前中の専有走行枠でその確認ができセットアップは固まりました。この金曜日午前の走行枠は90分ありましたが、最初の30分くらいだけ天気が持ち、それ以降は雨になりました。翌日の予選も雨になる可能性もあったため、WETセットの確認で60分くらい走り込みました。スーパー耐久 86(ZN6) HMR今シーズンはドライタイヤでもラジアルのポテンザ12Dのため、雨量によってはそのままの方が良く、どのくらいの雨量ならWETタイヤを投入した方が良いのかの判断基準を見定める走行となりました。WETでのタイムは2分10秒くらいで、9秒台は見えるかなと言う状況でした。GR86勢は7秒台~8秒台という感じだったため、WETでも少し負けているなという感じではありましたが、マシンのバランスはWETでもとても良くどのドライバーもまだマージンがある状態でのタイムとなっていました。スーパー耐久 86(ZN6) HMR

金曜日の午後はそのまま雨が降り続き、特にこれ以上のテストをする必要もなかったため走行はしないでマシンメンテナンスを早めに施してこの日を終えました。

11月11日の予選

スーパー耐久 86(ZN6) HMR予選日の天気は予報通り曇り時々雨という感じで、午前中はWETでした。午前中にウォームアップ走行が30分ありましたが、そんなにやることもなく走っても消耗するだけのため、前日にミッションを載せ替えているのでそのチェック走行のみで終えました。スーパー耐久 86(ZN6) HMR
午後になっても天気は微妙な感じのままで、路面は乾いているけどいつ降り出してきてもおかしくないなという空模様でした。そんな中、13時20分からAドライバー予選がスタートしました。スーパー耐久 86(ZN6) HMR今回のピットは4番だったのですが、Gr2の中ではピット出口から一番遠く、間にST5クラスがいっぱいいる状態になることが想定されたため、予選スタートしてもすぐに出ないで間を置く予定でした。しかし、スタート直前に雨が降って来てWET宣言が・・・。こうなると路面が濡れる前に詰まってでもタイムを出した方が良いので、結局すぐにコースインすることになりました。スーパー耐久 86(ZN6) HMRコースインすると案の定ST5クラスのマシンをかき分けて行く展開になり、まともにクリアラップを取ることは難しい状況でした。そこに追い打ちをかけるようにタイヤの内圧がこの時の低すぎる路面温度にあっていなく、ウォームアップに約3周はかかってしまってまともにアタックできるフィーリングになったのは4周目でした。ガソリンは4周分しか積んでいなく、最後の最後のラップで詰まりながらもなんとかタイムを出したという状況で、そのタイムは2分1秒315と2分すら切れない結果となりました。スーパー耐久 86(ZN6) HMR

続くBドライバー予選では、雨が降り始めてきていたため、マシンはWETセットでタイヤはDRYタイヤスタートで挑みました。スーパー耐久 86(ZN6) HMR川原選手が果敢に雨の中アタックをし続け、初めは2分9秒~10秒くらいのタイムでしたが、路面が徐々に乾いてきて最終的には2分5秒762のタイムで終わりました。他のマシンはドライセットと思われるタイムで、上位は2分1秒台を記録していたため、うちのWETセットでのアタックは不発に終わりました。戻ってきた川原選手のコメントでも、最後の方はタイヤが動いてしまってアンダーがかなり酷かったそうです。スーパー耐久 86(ZN6) HMRABドライバー合計の順位でももちろんクラス最下位となりました。ここ数戦はGR86勢を食うことも難しくなってきてしまいました。他のマシンもシーズン後半でかなり煮詰まってきている感じで、ZN6型ではこれ以上の勝負はなかなか難しい状況でした。スーパー耐久 86(ZN6) HMR
Cドライバーの妹尾選手は、決勝用のブレーキパッドを作ることを目的に数ラップ走行してもらって予選を終えました。

11月12日の決勝

いよいよ決勝日。マシンのバランスはいいのにここまで天候に狂わされてきてそのパフォーマンスを発揮出来ていなかったので、決勝ではそれを発揮していいペースで走りたいと意気込んでこの日を迎えました。天気は相変わらず微妙な感じの曇りでしたが、降りそうな感じではなくてただ曇っているという感じでした。スポンサーのBodix様からレースクイーンも派遣してもらい、ピットウォークに華を添えてもらいました。さて、スタートドライバーはBドライバーの川原選手。クラス最後尾からの追い上げを期待したいところですが、無理に抜くことなくうまくスリップをつかってストレートスピードの差を無くして前について行こうと話していました。スーパー耐久 86(ZN6) HMRスタートするとマシンのペースはとても良くて、2分1秒台をベストラップに、その後は2秒台でずっと走り続けることができ、他のマシンに引っかかる時に4秒台に落ちることはあるものの、GR86勢とも互角のスピードで走ることができていました。スーパー耐久 86(ZN6) HMRただ、ずっとついて行けるほどのペースはなく徐々に離されていき川原選手のスティントが終わるころには前を走るマシンとはそれなりの差がついてしまってはいました。川原選手は32周を走ってピットインし、Aドライバーの私にチェンジしました。タイヤは4本交換で給油も行いピットアウト。スーパー耐久 86(ZN6) HMRこの時ピットレーンの最低滞在時間ギリギリであったため、ピットレーンの出口でアクセルを緩めて調整をしていてギリギリピットアウトしました。後ろからマシンが来ていたこともありブレーキを踏む訳にもいかず、ほんとギリギリの調整でした。

そしてピットアウト後の私のスティントではこれでもかというほど他のマシンに引っかかりレコードラインを走ることすら難しい状況で、2分3秒0を出した以降は4秒台、5秒台、時には6秒台というタイムを刻んでしまって川原選手のように2秒台なんてとても出せない状況でした。レコードラインを走れなかったことでタイヤカスをいっぱい拾ってしまったのも原因で、止まらない曲がらないのオンパレードでコース上に留まるのが精一杯な感じでした。スーパー耐久 86(ZN6) HMR無線で川原選手にどう走らせたらいいのかをアドバイスもらって冷静になってからはまた3秒台~4秒台で走れましたが、とにかくマシンコントロールが難しすぎてタイムを大幅に落としてしまいました。それに追い打ちをかけるようにダッシュのモニターがフリーズしてしまう現象が発生し、回転数や各種数値もわからない状態になってしまいました。
そして、先ほどのピットストップ時のピットレーン滞在時間が0.5秒足りなかったということで、1秒のペナルティストップまで受けてしまい、もう踏んだり蹴ったりの散々なスティントとなってしまいました。スーパー耐久 86(ZN6) HMR34周を走ってピットインし、Cドライバーの妹尾選手にバトンタッチしました。妹尾選手はさすがの走りで2秒台~3秒台で終始安定してラップを刻んでいき、コースはタイヤカスだらけで走れるラインが少なくなっている中でもうまくコントロールして走行してくれました。スーパー耐久 86(ZN6) HMRこの時点で3ラップほどの周回遅れになっているため、順位が上がるには他のマシンのトラブル待ちという状況。そんな苦しい中でも精一杯の走りをして、28周を周回したところでFCYが出そうだったのでピットインして川原選手にバトンタッチしました。最後のピットインはスプラッシュで給油のみ行いピットアウト。スーパー耐久 86(ZN6) HMR最後のスティントの川原選手もいいペースで走り、1秒台までマークするなどこの日は乗りに乗っていた走りでした。トータルで112周を周回したところで4時間のチェッカーとなり、クラス7位でレースを終えました。ホームコースの富士だったのでもっと上の順位を期待していましたが、私の不甲斐ない走りでそのチャンスがなくなってしまいとても悔しい週末となりました。スーパー耐久 86(ZN6) HMRマシンはレースウィーク通して好調で、トラブルも一切なくメカニック達は完璧に仕事をやり遂げてくれました。ZN6型86を無傷で戻してくれたこともとても嬉しく、これからはこのマシンで草レースなどの耐久レースで遊んだりできたらいいなと思っています。もし、このマシンを使ってS耐に出たいという方がいたら、それも可能です♪スーパー耐久 86(ZN6) HMR今シーズンは自社メカニックで挑んだS耐2年目でした。24時間レース以外は全て参戦し、レーシングチームとしてはまた一つ成長ができました。来シーズンはGR86で挑戦します。自社でレースマシンをゼロから作りあげるという新たな経験をしつつ、他のマシンと同じ土俵で勝負してスキルを上げて行きたいと思っています。
来シーズンもHMR Racingの応援よろしくお願いします!

今回のレースの様子はyoutubeチャンネルでも公開しています。ぜひ、ご覧ください。

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