更新日時:2023/11/08
HMR(エイチエムアール)のイシケンです。10月21日、22日に岡山県にある岡山国際サーキットにてスーパー耐久シリーズの第6ラウンドが開催されました。前戦のもてぎではミッショントラブルにより悔しいリタイアとなってしまいましたが、岡山に向けてはそこの対策も施して臨みました。今回は3時間レースということもあり、よりスプリント色が強くなります。そんな岡山国際サーキットでのレースレポートをします。
18日の水曜日は移動日ということで、スタッフみんなで朝早く東京を出発して、自走で岡山まで移動しました。9時間くらいかかりました。。。その距離は630km!!岡山でこの感じなので、オートポリス開催の時はいったいどうなるんだろうと心配になってしまいます。
さて、そんな感じで18日の夜にある程度の設営を終わらせて19日の午後からフリープラクティスが開催されました。今回はABドライバーの2人のみで戦います。これまでのBドライバーであった川原選手は親族に不幸があり急遽参戦できなくなり、ここ岡山が地元の妹尾選手がBドライバーとなりました。19日のフリープラクティスでは、走り慣れている妹尾選手からスタートして、マシンバランスが合っているのかどうかを確認してセットアップを進めていきました。
ある程度走行したところで私にドライバーチェンジして、マシンのセットうんぬんではなく走行マイレージを稼いでこのサーキットに慣れることに集中させてもらいました。私は岡山国際サーキットの走行経験はほとんどありません。シミュレーターで走り込んできたとは言え、やはり実車での走行となるとブレーキングポイントやどこでスライドするなどは全然違うので、最初は1分51秒台でゆっくりと身体を合わせこんでいきました。このセッションの終わりには48秒フラットを出し、妹尾選手のコンマ5秒落ちまでは持ってこれました。
2回目のセッションでは、主にターンインのアンダー対策として新しくTEINさんに作ってもらったダンパーに入れ替えてテスト走行をしました。フィーリングは良く初期のアンダーは少なくなっていました。ただ、劇的に改善したかというとそこまででもなく、初期はアンダーでトラクションかけるところではオーバーという状態は変わらずこの日のセッションを終えました。
翌日のフリープラクティスに向けて、主にトラクションを稼ぐことをメインテーマにテストしていきました。まずはリアのスタビを純正に戻しての走行。これのフィーリングを午前中のセッションで確認し、それに合わせてダンパーセットを調整していきました。トラクション方向は改善しつつあり、合わせてターンイン時のアンダーを消すためにフロントリバウンド側のダンパーも調整をし、妹尾選手のコメントとしては好印象とのことでした。NEWタイヤを投入して、タイムは1分46秒台を記録することもできました。その一方で私はというと、前日のベストタイムを上回ることができずにズルズルとタイムは落ちる一方・・・。妹尾選手が記録した46秒台の後に乗っても48秒台を出すのが精一杯ととても苦戦していました。
午後のセッションでは更にトラクションを確保するためにリアサスペンションのバネレート変更を行いましたが、午後は雨が降ってしまいこの確認はできずに終わってしまいました。私としてはもっと走行マイレージを稼ぎたいところでしたが、この日は3周しかできずに終わってしまいました。
予選日となる21日土曜日。この日は前日の雨は上がって路面もほぼドライという状況でした。この日は午前中に30分の走行枠があり、午後に予選というフォーマットでした。午前中の30分で前日の後半セッションでテストしたかったリアサスペンションのバネレート変更のフィーリングを妹尾選手にチェックしてもらいました。特に第3セクターのダブルヘアピンでのトラクション不足に悩まされていましたが、かなり改善したとのことで、すぐに私にドライバーチェンジしてチェッカーまで走らせてもらいました。
トラクションはかなり改善していて、ターンイン時のアンダーも少なくなってとても乗り易い感じになっていました。ただ、それでもなぜかタイムは全然上がらず49秒台・・・。最後は大きなタイヤカスを拾ってしまってまともに走らなくなったのでピットインしてそのままこのセッションは終了となりました。
私としては予選に向けて全くもって自信が持てない状況。初日の1本目が一番良かったという感じで、走れば走るほど悪くなっていき、マシンのバランスは良いのにタイムが落ちるというとても悩ましい状況になっていました。一方の妹尾選手もマシンバランスは良い物の、マシンとしては線が細い状況は変わらないとのことで、慣れている妹尾選手でもタイムをまとめるのがとても難しいとのことでした。同じクラスの他のマシンを見ていても、いつものようにタイムが上がってくる感じではないため、たぶん同時開催のヤリスカップのタイヤとの相性が悪いのかもしれないですね。
そんな不安を抱えたままの状況で迎えた午後の予選。なんと走行30分前に天気予報にはない雨が降り出し路面はウェットになってしまいました。予選スタート時は晴れているものの路面は乾いてはおらず、ただでさえ自信のない中で更に試練とも言えるダンプコンディション。もう最悪です・・・。マシンセットはハーフウェットくらいのセットにし、タイヤはドライ用の12D。ドライ用とは言えラジアルタイヤなので雨でも全然グリップしてくれます。
予選がスタートし、最初の3周は攻めないでじっくりとタイヤを暖めるようにとのエンジニアからの指示があり、無理せずに走っていたらゆっくり走り過ぎて身体がウェットコンディションに慣れませんでした。そして途中でストップ車両が出て3周したところで赤旗中断。再開後は残り6分しかなく、2周しかできないとのことでピットアウトから全開!
1分55秒086でクラスビリ・・・。もう後1周ほしかったのですが、ギリギリでチェッカーが出てしまいました。
続くBドライバー予選。路面は完全にドライになり、走り慣れた妹尾選手のタイムにチーム全員が期待!2周でアタックを決める感じでコースインし、ベストラップは1分46秒116を記録。44秒台を目標に走っていたので、想像以上にタイムが伸びない感じでした。戻ってきた妹尾選手に話を聞くと、アタックラップ中に3クラスのマシンがレコードライン上でスロー走行していてかなりのタイムロスをしたとのことでした。それが2周連続で起こったためにタイムが伸びずに終わってしまったとのことでした。セクションのベストを見ると44秒台も出せるラップだっただけに悔しい結果となりました。
予選の総合順位ではクラス最下位。妹尾選手が44秒台を出していたとしてもそこは変わらなかったため、やはりGR86勢との性能差が大きく出て来てしまっているのを感じました。ただ、いつも速い86号車のトムススピリットでも44秒1というタイムだったので、みんな思ったほどタイムが上がらなかったのだと思います。
決勝日は晴天!朝はかなりの冷え込みで気温は一桁台という真冬並みな服装で、冷え込んだまま決勝スタートを迎えました。今回のレースはGr2とGr1に分かれてそれぞれ3時間のレースというフォーマットでした。午前中のGr2のレースは8時からスタート進行が始まり、8時30分レース開始の11時30分チェッカーでした。スタートドライバーはもちろん妹尾選手。恒例のグリッド撮影を終えていよいよ決勝スタートの時を迎えました。
無事にスタートを切り、1分48秒台でラップを重ねて行きました。86号車のトムススピリットGR86は予選前にエンジン交換を行っていたため、グリッド降格となりHMR86の後ろに位置していました。スタートドライバーはジェントルマンドライバーの矢吹選手。このGR86とのバトルが数周に渡って続きましたが、やはりストレートスピードが速いためバックストレートで交わされてしまいました。ただ、妹尾選手は終始48秒台でラップを重ねていて、86号車とのタイム差は4秒~5秒くらいから離されずに走行を続けていました。
途中60号車のG-motion GR86がトラブルでピットインして順位が1つ上がりましたが、自力で順位を上げるのは苦しい展開でした。45周目にドライバー交代でピットインし、フルサービスを行って私に代わりました。妹尾選手が48秒台でのラップだったため、私はきっと49秒~50秒台のラップになってしまうだろうと思っていましたが、やはりその通りで49秒台を出すのすら厳しい状況でした。マシンのバランスはとても良くて走り易かったのですが相変わらずタイムは伸びない状況でした。
Aドライバー規定と1人のドライバーが運転できる最大運転時間の関係で、私は1時間12分は最低でも走る必要がありました。ラップタイムは1分50秒台~51秒台でラップを続け、他マシンのトラブルもありクラス6位を走行し続けて83周目に妹尾選手にバトンタッチしました。
このピット作業ではスプラッシュで給油とドライバー交代だけ済ませてコースイン。クラス順位は変わらずその後も49秒台で走行を続けた妹尾選手。48秒台を記録するラップもあり、私が51秒とかに落ちていたタイヤで48秒を記録するのは流石の走りでした。妹尾選手のおかけで、順位はクラス6位のまま96周で無事チェッカーを受けることができました。
レースウィーク通してマシンバランスに苦しむ展開が続き、個人的にも全く持って乗れていない状況ではありましたが、今回はミッションのトラブルは発生せず、その他トラブルも一切発生しないで終えることができたのは良かったです。マシンを準備してメンテナンスしてくれた当社のメカニック達に感謝です。
次戦は11月11日~12日に富士スピードウェイで開催されます。ホームコースである富士スピードウェイで、今年の集大成となる良いレースが出来るようにまた準備を進めて臨みたいと思います。最終戦も引き続き応援よろしくお願いします。
P.S 10月に27歳の誕生日を迎えた妹尾選手。ファンからサプライズで#216のマシンが描かれたケーキをプレゼントされました♪ チームみんなで美味しくいただきました。この場を借りてファンの方にお礼申し上げます。ありがとうございました!
今回のレースの様子はyoutubeチャンネルでも公開しています。ぜひ、ご覧ください。
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