更新日時:2023/08/07
HMR(エイチエムアール)のイシケンです。86(ZN6)の前期モデル(特にアプライドA型)でよく発生するステアリングトラブルをご紹介します。ステアリングを左右に切る時に奥の方からコトコト音がする。酷い場合はハンドル切るたびにガタって音がする症状です。運転していてとても不快なこの症状、原因はパワーステアリングユニット内のプラスチックギアの破損なのです。とても小さな部品ですが、そこが破損するとしっかりと締結されなくなるためステアリングを切るたびにコトコト音がするようになります。
そして、この部品は純正では単品で出ないため、パワーステアリングモーターASSY交換となってしまい、イモビ登録なども含めると20万オーバーの作業になってしまうんです。
でも、HMRではこのプラスチック部品だけを交換する方法を知っているので安価で修理が可能です。今回はそんなコトコト音が出ている86の修理をしましたのでご紹介します。
それでは早速修理作業に入ります。作業はメカニックの加藤です。電動パワーステアリングモーターを取り外すので、まずステアリングコラム周りをバラしていきます。
エアバッグを取り外してステアリングを取り外していきます。
ステアリングセンターがズレないように外す前にマーキングしておきます。
ステアリングを取り外したら周りのコラム類を取り外していきます。
続いてウィンカーやワイパーレバースイッチのユニットも取り外します。
続いてステアリングコラム下の作業です。カプラー類を抜いて、各ボルトを取り外していきます。ここでもステアリングの位置が戻した時にズレないようにマーキングしてから作業を進めます。
そして、電動パワーステアリングモーターが取り外しできました。
このモーターユニットの中にあるギアが破損しているので、モーターを分解します。
中を開けて見るとご覧の通り。プラスチックがバラバラになっています。
こちらは新品のギアです。で、こちらが破損したギアです。緑色の部分が全てなくなって粉々になっているのがわかるかと思います。これによって隙間が出てガタが発生していたのです。
たったこれだけのプラスチックギアですが、本来はモーターASSYでしか出ないので交換ができなく高額な修理となってしまうのです。HMRではこのプラスチックギア単体で入手可能なのでモーターを分解して交換が可能です。
モーター内を清掃したら新品のギアを入れて蓋をして終了です。
あとは電動パワステモーターを車体に戻していきます。
全て元に戻してステアリングを左右に切ると、これまでしていたコトコト音は何もせず、ステアリングから伝わるガタもなくなりました。そして、変な遊びがそれまではステアリングにあったのですが、それも無くなりしっかりとした操舵感が戻ってきました。
たかだがプラスチックの小さなギアですが、これ一つの交換でモーターASSY交換はなんとも高額な修理となってしまいます。
このプラスチックギア、実はトヨタの他車種純正を流用しています。他の車種では単体で供給されている車があるんですね。それを使って修理するととても安く直すことができます。純正部品なので耐久性も安心です。
86オーナーで同じような症状が発生している場合は、ぜひHMRに作業のご依頼を頂ければと思います。なお、純正流用の車種は何かというご質問やお問い合わせはご回答していませんのでご了承ください。
2023.8月現在の価格となります。
部品代:330円(税込)
工賃:24,750円(税込)
合計:25,080円(税込)
今回の作業の様子はYoutubeでも公開しています。