更新日時:2023/06/10
HMR(エイチエムアール)のイシケンです。86BRZのアプライドAモデルでは良く漏れていたエンジンヘッドカバーからのオイル漏れ。リコール対策でヘッドカバーを外すためほとんどのクルマが一度交換しているので最近ではあまり見なくなりましたね。でも、距離が増えたらやはり再発するのがヘッドカバーパッキン劣化によるオイル漏れです。今回は当社のお遊びカーであるオレンジ号のオイル漏れ修理をしました。作業はメカニックの加藤です。
それではヘッドカバーパッキンを交換していきます。86BRZは水平対向エンジンなので、ヘッドカバーがエンジンの左右にあります。そして、とても手が入りにくい箇所なのでとても大変です。加藤メカニックはエンジン下ろしたいわ~って言っているくらい面倒です。
上からはほとんど見えないですが、こちらがヘッドカバーです。
下からは見えます。オイルが漏れているのもわかるかと思います。
このとても狭いところで作業をしてヘッドカバーを外していきます。まず、ヘッドカバー上部になるパーツを取り外していきますが、向かって右側は少しパーツを外すだけでいいのですが、左側は燃料関連の部品があり、少し外すのが厄介です。
各部部品を外したら奥の方に手を入れ込んでヘッドカバー周辺のボルトを緩めて行きます。
下からも取り外し作業を行っていき、ヘッドカバーのボルトが全て取り外しできたらヘッドと切り離します。
左バンク側はヘッドカバーを取り出すのも一苦労で知恵の輪状態です。
そんな感じで取り外したヘッドカバーがこちらです。周りについているゴムパッキンがヘッドカバーパッキンです。これが劣化してヘッドとの密着が甘くなりオイルが漏れて来るという症状です。
こちらはヘッドを外したエンジン側です。カムシャフトが見えますね。ヘッドカバー内はオイルで溢れているので、水平対向エンジンの場合はパッキンが劣化するとすぐに下側から垂れてきてしまいます。
古いパッキンを取り外したら洗油(灯油)でしっかりと汚れを除去していきます。特にパッキン部分に古いゴムが付着していると密着が甘くなってまたすぐに漏れてきてしまうので、しっかりと洗浄することが重要です。
洗浄が終わったら今度はしっかりと脱脂します。これも重要ですね。
そして、今回交換するパッキン達がこちらです。プラグホールのパッキンも合わせて交換します。
新しいパッキンをヘッドカバーに装着していきます。
ちなみに、プラグホールパッキンはエンジン側に装着します。
続いて今度はエンジン側のヘッドの清掃です。これが一番大変です。狭い隙間に手を入れて、ほぼ見えないヘッドカバー周辺の古いパッキンをヘラで除去していきます。除去しては鏡を入れてチェックしてはの繰り返しで、これだけで普通に数時間かかります。ただ、これを怠るとまた漏れてきてしまうので、しっかりと清掃します。この清掃作業なども考えるとエンジン下ろした方がもしかしたら早いのかもしれないですね。
こんなカスみたいなのを根気よく取り除いていかないといけません。
こちらはプラグホールパッキンです。
新品に入れ替えます。
これが左バンクのヘッドカバーパッキンとプラグホールパッキンです。86BRZはなぜか左バンクから漏れることが多いです。
最後にヘッドカバーの装着です。新しいゴムパッキンを装着したヘッドカバーに部分的に液体パッキンを塗っていきます。塗り過ぎてもダメ、塗らな過ぎてもダメというノウハウが必要な作業です。
ではいよいよ装着です。
こんな感じでヘッドカバーが装着されました。綺麗に清掃したのでとても分かりやすいですね。この後周りのオイルが付着している箇所も綺麗に清掃します。
外していたボルト類を取付けしていき左バンクは終了です。
上から見ても綺麗ですね。
続いて同じように右バンクを作業していきます。
作業内容は同じなので割愛しますが、なかなか大変な作業を両側行う必要があるのがヘッドカバーパッキン交換です。それぞれ両側の部品を元に戻して全ての作業は完了です。
直列エンジンであればとても簡単なヘッドカバーパッキンの交換も水平対向となるととても時間のかかる作業になります。でもオイル漏れは後々エンジンへのダメージを与えることになるので早めに修理しておきたいところですから放置は出来ないですね。
今回の作業にかかる費用は以下になります。
■部品代
・右バルブカバーガスケット:1,500円(税抜)
・左バルブカバーガスケット:1,410円(税抜)
・プラグホールガスケット:190円×4個 760円(税抜)
■工賃
・45,000円(税抜)
■合計
48,670円(税抜)
86BRZのエンジンオイル漏れの修理のご依頼がありましたらお気軽にお問合わせください。