更新日時:2025/10/04
こんにちは。HMR広報の小川です。今回紹介する車両は、4代目となるNDロードスター。歴代モデルが受け継いできた「人馬一体」のコンセプトに立ち返り、絶対的な速さよりも「運転する純粋な楽しさ」を徹底的に追求して開発されました。その最大の武器は「軽さ」。安全基準などが厳しくなる現代において、先代のNC型から100kg以上という劇的な軽量化を達成し、車重は1トンを切る990kg。スペックシートの数字だけでは決して測れない、軽快でピュアなドライビング体験を教えてくれる、現代において極めて貴重な一台です。
NDロードスターのスタイリングには、マツダのデザインテーマ「魂動(こどう)デザイン」が採用され、まるで生き物のような生命感と躍動感が表現されています。凝縮感のある美しいフォルム コンパクトなボディに、起伏豊かな面とシャープなラインが織りなす陰影が、見る角度によって様々な表情を生み出します。どこから見ても美しく、オープンカーとしての華やかさに満ちています。
電動開閉式のハードトップを持つ「リトラクタブルファストバック(RF)」は、流麗なクーペスタイルが魅力。ソフトトップとはまた違った、より大人びた雰囲気と耐候性の高さを提供します。
ドアを開けた瞬間から、このクルマがドライバー中心に設計されていることがわかります。ドライバーがクルマの中心に座り、手足が自然に伸びる位置にペダル、ステアリング、シフトノブが左右対称に配置されています。この徹底したこだわりが「人馬一体」の感覚を生み出します。
エクステリアのボディカラーがドアトリム上部まで回り込んだデザインは、内外の境界を曖昧にし、オープンで走った時の開放感を最大限に高めるための工夫です。
NDロードスターには、キャラクターの異なる2種類の専用エンジンが用意されています。
SKYACTIV-G 1.5(ソフトトップ) 。高回転まで軽快に吹け上がるフィーリングを重視した、ロードスター専用チューニングの1.5Lエンジン。最高出力132馬力/7000回転、最大トルク152Nm/4500回転。「非力」と言われがちですが、それは間違い。軽い車体を活かし、アクセル操作にリニアに反応する「意のままに使い切れるパワー」こそが最大の魅力です。
SKYACTIV-G 2.0(RF)。 RFに搭載される2.0Lエンジンは、よりトルクフルで余裕のある力強い加速感を味わえます。最高出力は184馬力/7000回転、最大トルクが205Nm/ 4000rpm。ロングツーリングなど、高速走行が多い方に最適な選択肢です。
両エンジンとも、オイルパンを薄くするなど専用設計を施すことで、極限まで低い位置に搭載。クルマの運動性能に最も重要な「低重心化」と、理想的な重量配分に大きく貢献しています。
NDロードスターの走りの楽しさは、この卓越したシャシー性能に集約されています。 990kg~という圧倒的な軽さが、軽快なハンドリング、俊敏な加速、そして短い制動距離といった、運動性能の全てを高いレベルで実現しています。軽さと剛性を両立したSKYACTIV-BODYは、軽量でありながら極めて高い剛性を誇ります。ただ硬いだけでなく、路面からの入力をしなやかに受け止める「懐の深さ」を併せ持ち、意のままのハンドリングと快適な乗り心地を両立しています。
エンジンを車体中央に寄せる「フロントミッドシップ」レイアウトにより、コーナリングの理想である完璧な重量バランスを実現。ドライバーはクルマの動きを手に取るように感じ取ることができます。
NDロードスターは、カタログスペックで語るクルマではありません。一度ステアリングを握り、コーナーを一つ曲がれば、誰もがその良さを瞬時に理解できる「体験するスポーツカー」です。いじる必要がないほど、素の状態で完成されている。絶対的なパワーよりも、クルマを操る純粋な喜びを教えてくれる。パワーが欲しければRFという選択肢もある、懐の深い一台です。