更新日時:2025/09/17
こんにちは、HMR広報の小川です。レーシングドライバーの登竜門としても知られるGR86/BRZ Cup。今回は、このワンメイクレースで使われるGR86/BRZカップカーについてご紹介します。
TGR GR86/BRZ Cupは、先代トヨタ86/SUBARU BRZ(型式:ZN6/ZC6)を使って2013年から2021年まで9年間開催されたTGR 86/BRZ Raceを引き継ぐレースで、新型GR86/SUBARU BRZ(型式:ZN8/ZD8)を使ったワンメイクレースです。ワンメイクレースとは、すべての参加者が同一車種を使用するレースのことです。参加車両は、「GR86 Cup Car Basic」と「SUBARU BRZ Cup Car Basic」。シリーズは“プロフェッショナルシリーズ”と“クラブマンシリーズ”の2シリーズ制です。プロフェッショナルシリーズには、SUPER GTに現役で参戦するトップドライバーも参加しています。クラブマンシリーズにはプロフェッショナル認定ドライバーは参加できず、ジェントルマンドライバーを含むアマチュアドライバーのみで腕を競い合います。
通常車両との最大の違いはロールバーが入っていることです。カップカーには、専用のダッシュボード貫通タイプの6点式ロールバー+サイドバーが装備されています。乗車定員に変更はなく4名乗車が可能で、JAF国内競技車両規則「スピードB」および「スピードSA」に適合していて安全性を確保しています。
足元を通るロールバーを避ける形状になった専用フロアマットも付属しています。
エンジンはレースでの不正がないように専用の封印がされたものが搭載されますが、出力自体は変わらず235ps/25.5kgm。
連続したサーキット走行を前提として、空冷式の大容量オイルクーラーが全車標準装備となります。
その他の部分は基本的にRCグレードと同じ仕様ですが、レースに参加する場合は購入時の仕様では参加ができません。指定部品と認定部品の2つがあり、指定部品は交換が必須で認定部品は定められた社外パーツから自由に選択することができます。またプロクラスではクラブマンクラスより交換できるパーツや種類の幅が広くなります。
装備名 | |
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1 | ロールケージ(6点式+サイドバー付き) |
2 | 6点式シートベルト用アイボルト(運転席) |
3 | SRSサイドエアバッグ&SRSカーテンエアバッグ取り外し、キャンセラー装着 |
4 | フロアマット(ロールケージ専用) |
5 | エンジンオイルクーラー(空冷式) |
6 | エンジン封印 |
7 | リヤデフ冷却フィン(フィン付デフキャリア) |
1つ目はブレーキです。キャリパー、ローター共にADVICS製になります。ブレーキパッドは指定されている部品から選択でき、自分の好みやセットに合わせたパッドを選ぶことができます。
2つ目はダンパーです。TRD製かSTI製のダンパーの使用を指定されています。バネのプリロード(あらかじめ圧縮しておく量)、ケースの長さ、車高、減衰力など各チームのノウハウが活きるポイントです。また、セットに合うホイール選びも重要です。ホイールも主要なメーカーから指定されたホイールを選ぶことができます。
3つ目はLSD(リミテッドスリップデフ)です。TRDのデフが使用できますが中身はCUSCO製になります。 イニシャルトルクやカム角のオン側、オフ側をどれくらいでセットするのかが非常に重要なポイントです。
カップカーはレース参戦用ベース車両として日常の快適性も考慮しつつ、サーキットでの走行性能と安全性を高めた仕様となっています。また、ナンバー付きの車両であるため積載車を用意する必要がなく、自宅からサーキットまで自走して持ち込むことが可能です。GR86/BRZ Cupは、エンジンや足回りの性能差を徹底的に排除しドライバーの腕・判断力・安定した走行力で競い合います。参加する人にとっては腕試しの最高の舞台、観る人にとっては「本物のドライビングの楽しさ」を体感できるレースです。是非サーキットに足を運んでみてください。