更新日時:2024/11/27
HMR(エイチエムアール)のイシケンです。11月24日に開催された2024年GR86BRZワンメイククラブマンレースの最終戦にスポット参戦してきました。舞台はモビリティリゾートもてぎ。このラウンドが2024年の最終戦ということで、シリーズチャンピオンがかかった選手や最後は良い結果をと意気込んで参戦している選手も多数の中、私は来年に向けての勉強のつもりで緊張感のないエンジョイな感じで参戦しました。
車両はBRZです。参戦チームはスーパー耐久で当社のドライバーをしている佐々木孝太選手のKOTA Racingからのエントリーで、メンテナンスガレージはプログレスさんです。マシンは昨年シリーズ2位を獲得した実績あるマシン。実はこのマシン、スーパー耐久の最終戦富士にDドライバーで参戦した吉田選手が昨年乗っていたのです。そんなこともあり、レースウィーク前の12日に練習走行では吉田選手にも付き添ってもらいアドバイスをもらっていました。
ただ、この日は1年以上前の中古タイヤで走行を始めたのですが、滑りまくって感触は全くつかめず、2本目の走行はミッションブローで走れずというのでほぼ何もわからないままレースウィークを迎えることとなりました。
そんな状態のままレースウィークを迎えることになったため、20日の水曜日から走行を始めました。この日は3本の走行枠があり、1本目から新品タイヤでコースイン。というか新品タイヤしかないので・・・。前回感じたドオーバーは全くなく、とてもグリップ感のある感じで走りやすいな~って思っていたのも3周目まで。4周目くらいからズルズルになり、ブレーキ止まらない、アンダー、アクセルオンでオーバーと内圧とタイヤ温度の変化で凄くタイヤの特性が変わるのを体感しました。この走行でのタイムは2分19秒4。チームメイトの咲川めりさんは中古タイヤで2分18秒3と1秒近くも離れている状態でした。咲川さんはこのシリーズでも常に上位を走っているベテランドライバーで、走行後にロガーデータを比較させてもらったり、走らせ方を教えてもらったりといっぱい勉強させてもらいました。
この日は次の1本だけドライで走れて、最後の1本は雨が降って来てしまいました。翌21日木曜日は終日雨となり、ウェットで2本走行しましたがもっとドライで走りたかった。ロングでいかにタイヤを持たせるのかというところと、タイムを落としている箇所のトレーニングをしたかったのが本音ですね。予選決勝は晴れ予報だったので、ウェットを走ったところであまり意味はなかったのですが、とにかくマシンに慣れるということでどんな状況でも走るようにしました。
22日の金曜日は専有走行枠で、クラブマンクラスは参加台数が60台と多いため、A組とB組に分かれての走行となりました。この枠はほぼみんな予選シミュレーションを行うとのことで、ニュータイヤを入れて予選一発のアタックをする感じです。私もそれに倣ってニュータイヤを入れて予選アタック2周をしてみました。ガソリンはロングができる量を積んでいるため完全に予選仕様ではないのですが、2周アタックしてタイムは2分18秒フラットでした。1コーナーで詰まったことを考えると0.3秒ロスしていたので、実質17秒7~8くらいは出せる実力まで来たかなという状況でした。チームメイトの咲川さんは2本ニュータイヤを投入して、2本目に16秒後半をマーク。全体でもトップタイム!!咲川さん乗りに乗っている感じでした。
この専有走行で出したタイムと順位を見て、クラブマンに参戦している各チームからはISHIKENって誰だ!?とちょっとざわついていたそうです。これまで参戦したことのない名前がいきなり上位に食い込んで来たので、上位走っている選手からしたらおいおいって感じですよね。
予選は午前9時35分から。まだ朝日が昇って来てる感のあるサーキットですが、身体もクルマもしっかりと暖めて予選に臨みました。昨日の専有走行のデータから、5コーナー、V字、90度コーナーで0.1秒はまだロスしているのと、S字の侵入のライン取りで0.3秒、ビクトリーコーナーで0.3秒ロスしているのが分かりました。1コーナーは詰まって0.3秒ロスしていたので、これらを全て改善したら1.2秒はタイムアップできる計算でした。あとはガソリンが予選用で軽くなるので0.3秒。合計で1.5秒のタイムアップが現実的には可能なのかなと。そうすると16秒5が全てまとまった時に出せるタイム。ただ、ビクトリーコーナーだけはどのように改善したらタイムアップできるのかが自分の中でもまだ分かっていなく、この予選での目標タイムは16秒9に定めました。
そんな感じで臨んだ予選。咲川さんの後ろについて引っ張ってもらい、コースイン1周目はしっかりとタイヤを暖めて、1ラップアタックに入りました。タイヤはいい感じに暖まっていて、感触はとてもいいフィーリング。前を走る咲川さんにも離されることはなく付いていけて、S字からヘアピンまでは逆に追いついている状況でした。そして記録したタイムは2分16秒889!セクター3は全体ベストを記録することもできました。A組予選では4番手。3位の選手とは0.005秒差。咲川さんとは0.088秒差という僅差でした。そして、このクラスのコースレコードも更新できました。水曜日の走り出しは咲川さんから1秒くらい離されていたので、予選でここまで縮められたのでもうほぼ完ぺきなアタックでした。B組の予選との合算で総合7番手のポジションを獲得することができました。
昨日の専有でちょっとざわついていたのが、この予選結果でかなりざわついたそうです(笑)
予選後に各セクタータイムを見ると、やはり4セクで0.3秒落としていました。自分の中で何が正解かわからないビクトリーコーナー。これまで乗ってきたマシンのライン取りが通用しない挙動が発生するため、結局ここは詰めることが出来ませんでした。昨日シミュレーションした通りのタイム結果なのには自分も驚きです。もっとこのマシンに乗れていればここの課題もクリアできていたので、ポールも狙えたのかなって妄想してしまいます。
いよいよ決勝日です。決勝の朝は予選よりも更に早く、8時30分スタート。まだこのマシンでシグナルスタートしたことがないため、回転数どのくらいでクラッチミートはどんな感じが良いのかなどは全くわかりません。コースインする際にスタート練習をしてそこで確かめるしかないのですが、もちろんタイヤはキンキンに冷えているのでホイールスピンしまくります。ただ、この時の回転数とホイールスピンの状況から暖まった時のホイールスピンを予想してミートする回転数を決めました。この点はフォーミュラでいっぱいシグナルスタートした経験が活きますね~
さて、そんな感じでうまくスタートした1コーナーでは前を走る1台の横に並びかけて並走で入っていきました。が、さらにその内側に後ろからロケットスタートを決めたジムカーナ会のレジェンド菱井選手が食い込んできて抜かれてしまいました。1台パスしたものの1台にパスされて順位は変わらずで3コーナーへ。そこからヘアピンくらいまでパスした車両に猛追され、色々なところでボコボコとぶつけられてヘアピンへ侵入。前に咲川さんと菱井選手がバトルしていて、咲川さんが接触もあり少し加速が遅れたところで並びかけてバックストレートを並走で駆け抜けて行きました。普通にストレートで抜けそうなのに私はシフトミス・・・。結果ストレートエンドまで並走することになり、そこから次の周の3コーナーまで咲川さんと並走することに。チームメイトなので絶対にぶつけることだけは避けたい気持ちで走りました。
結局抜くことはできずに、3コーナーでライン取りがきつくなったこともあって後ろからインを刺されてガンガン抜かれてしまいました。それがヘアピンくらいまで続いて順位は11番手までドロップ。その後上位車両でクラッシュやトラブルがあって3つポジションが上がり9位でチェッカーとなりました。初めての参戦で上位の方々に揉まれました。とてもいい経験ができ、決勝でのペース配分も良くわかりました。後半は上位を走る人たちとも遜色のないタイムを出していたので、もっと前半にタイヤを使う事やロングの走らせ方を改善したら決勝でも上位を争える自信にもなりました。
この経験を来シーズンに活かしたいと思います。来年の2月に新車のカップカーが来るので、来年は十勝以外のラウンドに参戦していいバトルをしたいと思います。
スーパー耐久と合わせてこちらのレースもぜひ注目していてください!そして、今回クラッチのサポートをしていただいた株式会社セラメタ様、ブレーキパッドのサポートをしていただいたプロジェクトミュー様ありがとうございました。