更新日時:2024/06/15
HMR(エイチエムアール)のイシケンです。スーパー耐久富士24時間レースを戦い終わったGR86のミッションを分解して各部チェックしてみたので、ブログでご紹介したいと思います。このミッションはレースウィークに入った水曜日に慣らしをして、6速だけ慣らしが足りなかったため木曜日の午前中まで走って決勝用に降ろし、予選終了後に入れ替えて24時間レースの決勝を戦ったミッションになります。距離で言うと4000km近く、時間では26時間くらいはレーシングスピードで走ったことになります。
では、ミッションの状態を見て行きましょう。
分解したミッションがこちらになります。
綺麗に清掃をした後に1つ1つギアの欠けがないか、傷がないかなどを細かくチェックします。
ZN6の時は3速のガイドが破損するということが頻発して、昨年は3時間も持たないということもありました。ただ、そこはギアの問題というよりはオートブリッピングを入れたことによってギアに負荷がかかって破損していたことが判明したため、これを止めたら壊れなくなりました。そうは言ってもGR86方でも心配な部分ではあるので必ず細かくチェックするのですが、24時間走っても全く問題ありませんでした。
そして、決勝レース中にドライバーから5速が渋くなってきた!!という無線が20時間経過したくらいに入ったのですが、その5速ギアも全く問題のない状態でした。
どのギアも角は少し丸くはなってきているものの、慣らしが終わった程度かなというくらいな状態で、まだまだ全然このまま使えるような状態でした。
このGR86にはGR強化ギアを入れているため、3速と4速は強化されているとは言え、ZN6の時には考えられない耐久性なのかなと思います。5速が入り辛いというのもギアの方の問題ではなく、クラッチレリーズ側の切れの問題だった可能性が高く、クラッチフルードが熱による気泡発生と考えられます。5速ギアは他のギアと違って単体で装着されており、ミッションやエンジン側からの振動も受けやすいため、色々な要素が重なって渋くなっていたものと思われます。
そして、24時間レーシングスピードで戦えるミッションを支えていたのが、ワコーズさんのミッションオイル「WR7590G 75W-90」です。86BRZのミッションは弱いことで有名ですが、入れるオイルでそのライフはかなり変わってきます。当社でもいくつかオイルを試してきましたが、今はワコーズさんのWR7590Gに固定されました。エンジンオイルをワコーズさんにご協賛いただく中で、S耐で戦えるミッションについて相談していました。
一時期はコロナの影響でギアオイルの添加剤が入って来なくなり作ることが出来なくなっていましたが、供給体制が整ったとのことでこちらのギアオイルを薦めてくれました。
こちらのオイルには添加剤が最初から配合されており、市販品の添加剤を追加で入れる必要はありません。86BRZに入るMTオイル量は2.2Lなので11,160円と高いですが、添加剤を追加で入れる必要はなく、また交換サイクルは24時間戦えるくらいのオイルなのでサーキット走行何回行けるのだろいうと言うくらいの性能です。
それでいて街乗りでのシフトフィールはとても良く引っかかりはすごく少ないので、オールマイティに使えるとてもいいギアオイルです。
ミッションオイルに悩んでいる方、ぜひ一度ワコーズさんのWR7590Gを試してみてください。
当店でもちろん取扱いしていますので、オイル交換をご希望の方はぜひご相談ください。