更新日時:2024/01/08
HMR(エイチエムアール)のイシケンです。昨年の10月に引き上げてきた中古のVITA。全く手つかずでしたが今シーズンのレースに向けてメンテナンスを開始しました。VITAとはウエストレーシングカーズが製作する入門用レースカーです。シャーシはオリジナルで、エンジン・ミッションはヴィッツ用が搭載されています。ヴィッツ用と言っても車重が軽いので富士スピードウェイを2分フラットで走ってしまうレーシングカーです。そんな面白そうなVITAを中古で購入したので、まずは各部の状態をチェックするために可能な限りバラして点検していきます。作業は、メカニック達が忙しくて誰も出来ないので、私が進めることにしました。
VITAはリアエンジンになるので、まずは簡単なフロント周りから着手しました。カウルを取り外すと中はこんな感じになっています。頑丈なモノコックフレームにサイドからの衝撃吸収用にアルミのクラッシュ吸収ボックスと思われる箱が装着されています。また、ドライバーシートの左右にはフレームに被さるようにアルミ板がリベット留で装着されており、サイドからのクラッシュに対しての安全性をかなり意識して作られているマシンになります。
さて、早速分解作業に入って行きます。足回りのアーム類、車高調を取り外します。アーム類はすべて新品を購入しており、今装着されているアームはスペア行きとなります。ハコ車と違いすべてのアームに簡単にアクセスできるためとても簡単に取り外しができます。車高調も一瞬で取り外せますね。ちなみに、車高調はTEINのVITA専用のレースモデルとのことです。中古なのでわかりませんが、ダンパーはTEINさんへOHに出す予定です。
ということで、さくっとこんな状態になりました。こちらが取り外したアーム類とフロントダンパーです。
そして、アッパーアームを取り外すのにステアリングギアボックスを取り外さないとボルトが抜けない構造になっており、このタイミングでギアボックスも取り外しました。どうせ外すのでいいですが、アッパーアーム単体で取り外しができる構造にしておいてほしいなと思いましたが、ギアボックスもすぐに取り外せるので気にせず進めます。
続いてラジエター周りを分離させます。ラジエターはフロントのパイプフレームに装着されており、パイプフレーム毎ボディから分離させました。もちろんこのタイミングでラジエターホースを外すので冷却水も抜いておきます。
次にブレーキ、クラッチマスター周りの取り外しです。ブレーキフルードが垂れてくるので下に受けを置いてボルトを緩めていきます。
ブレーキホースのボルトを外したら室内側です。ペダルに繋がっているボルトを取り外して各マスターをごそっと抜きます。こんな感じで取り外しができました。正面から見るとボディはただの鉄の塊です。
室内側はこんな感じでペダルだけになっています。これらのペダルも全て取り外します。よく見ると砂利がいっぱいあるのが分かると思いますが、ボルトの間にも小石が挟まっていました。走行後は毎回必ず清掃をしておかないとブレーキやアクセルに小石が噛んでしまってブレーキがかからない、アクセルが戻らないという重大事故につながる可能性があります。やはり中古で買ったレーシングカーは必ず分解・清掃しないと危険ですね。
さて、そんなペダル達も全て取り外しました。これでここの砂利は綺麗に清掃できます。
ボディの方はフロント周りはごっそりとなくなっています。整備の関係でブレーキはまだホースと繋げたままとなっていますが、こちらも後ほどすべて分解清掃する予定です。今は一旦このままで。
取り外したブレキーマスターとクラッチマスター、そしてペダル類を清掃します。各マスターシリンダーはOHしてもいいのですが、どうやらOHキットみたいな物は出ていなくてマスターASSYでの販売なので、今回は周りの清掃だけにしておきます。
そして、大事なのはペダル類の分解清掃です。サーキットを走っていて固着するのが一番怖いので、分解してしっかりと清掃しました。これでペダル周りは安心です。ペダルの間にまた小石やら小さな丸い球みたいなのも挟まっていたりと、清掃しておいて良かったなと思う事ばかりでした。
TEINのダンパーをOHに出すため、リアもダンパーだけは取り外しました。こちらもボルト2本外しだけでサクっと取り外しができるのでとても楽です。これで4本揃ってOHに出しておきます。
次は、ラジエターを支えているフロントのパイプフレームの錆が気になるので、錆を落として再塗装しようと思います。
ついでにラジエターに詰まっているゴミも取りたいですね♪
では、また次回のVITA整備ブログをお楽しみに