更新日時:2023/10/15
HMR(エイチエムアール)のイシケンです。10月7日に富士スピードウェイで86BRZチャレンジカップが開催され、デモカーのBRZで参戦してきました。今シーズンはこれが最終戦となります。前回は7月に参戦してクラス優勝を遂げました。今回も優勝を狙っての参戦です。前回からの変更点はクラッチを新品に交換したのとフロントブレーキパッドに新しいモデルを投入しました。クラッチは単純にシグナルスタートで前回滑り気味だったため新しくしました。ブレーキは踏力を上げてもABSが介入しないようにしたく、新しいパッドをアクレさんに用意してもらいました。
前日の6日に練習走行が2本あり、1本目はパッドの慣らしとフィーリングチェックを主な目的に走りました。ダンパーセットは前回から何も変わっていないのですが、ピットロードを走っている時からリアの硬さを感じていました。もしかしたら使い古したタイヤが硬化したせいなのかなとも思い、そのまま走ることにしましたが、後にこの時の硬さをこの段階で調整しておけばという感じになりました。パッドの慣らしが終りピットインして冷まそうかなと思っていたところで、ちょうど赤旗が出てストップになり、タイヤの内圧調整とパッド冷却を同時にできました。そして赤旗が解除されアタックしてフィーリングのチェックに入りました。走り出すとあまりにも路面が悪くて簡単にリアが滑り出す感じで、タイヤが温まっていないような感じで数ラップしてもそのフィーリングは変わりませんでした。あまりにもフィーリングが悪かったので、きっと路面が悪いだけだろうとセットは何も変更しないで2本目に臨みました。
1本目の走行前にスーパーカートが走っていたので、きっと路面にオイルが付着していたのだと思います。2本目は路面は良くていつも通りのグリップが戻っていました。ただ、それでもタイムは2分1秒9とかで第3セクターで詰まったとは言えちょっと遅いなという感じでした。
新しくなったブレーキパッドのフィーリングはとても良くて、踏力はこれまでよりも20バールくらいは上げられるようになり、制動距離も短くなりました。その分、フロントの沈み込みが大きくなり、ターンイン時にフロントタイヤの横グリップが足りなくなってしまっていました。GRスープラコーナーも同じでアンダー気味。ただ、高速コーナーはそんなに悪くはないフィーリングでした。翌日の予選に向けてはNEWタイヤのグリップできっと持ち直すであろうと思い、セットは変更しないでこの日を終えました。
予選、決勝の朝はとても早かったです。朝6時20分から車検、7時からブリーフィング、8時から予選という感じでした。昨日のイマイチだったフィーリングがNEWタイヤで改善してくれることを期待しつつ予選に臨みました。
いつもはアウトラップ1周でタイヤを暖めて、アタック1周してインラップ1周して戻るという感じなのですが、タイヤのフィーリングがイマイチだったので暖めに2周使いました。タイヤの美味しいところを使わないようにじっくりと熱を入れていき、3周目にアタックしました。がしかし、まだリアのグリップが来ておらずにAコーナーで大スピン・・・。これでもうタイヤの美味しいところは完全に終了しました。その後アタックしたものの2分00秒8しかタイムは出ず、真夏の7月の予選より遅くなってしまいました。
そして、スピンした時の影響でリアバンパーのクリップが外れてしまって半分バンパーが取れてしまい、オレンジボールまで出してしまうというこれまでにないくらい失敗した予選でした。
結果は総合3番手。クラス2番手のタイムでした。今回は新型のBRZがいて、CPUチューンまでしたほぼフルチューン状態のマシンに速いドライバーが乗っていて、そのBRZが1分58秒台を叩き出してポールポジションとなりました。約2秒も差をつけられてしまいました。
決勝に向けてセット変更をしないととても戦えない状態であったため、データロガーを見てどうするかかなり考え込みました。問題は昨日から一緒で1コーナーのターンインでのアンダーとGRスープラコーナーのアンダー。ここを改善するだけならフロントの減衰力を上げる、もしくはフロント車高を下げるかリア車高を上げるという選択肢なのですが、これをするとAコーナーでリアが出過ぎる、100R出口がアンダーになる可能性がありました。そのため、なるべくフロント側は調整しないでリア側でこれを解決したく、考えて考え抜いた末の結論はリアの減衰力を落とすでした。
これでしたらグリッドに着く前のラップでフィーリングチェックができ、もしダメそうならグリッドで戻せるからです。装着しているダンパーは1wayなので、減衰力を落とすとリバウンド側も落ちます。そうすることで、1コーナーのターンイン時に速くリアが浮き上がって巻いてくれることでアンダーを消すセットです。GRスープラコーナーも同じ考えですね。ただ、Aコーナーのような高速コーナーでリアが出過ぎてしまう危険性があるので、そこをグリッドに着くときのインラップでチェックという感じでした。
調整後のコースインでは、まずピットロードで感じていたリアの硬さが取れてとてもスムーズな動きになっていました。1コーナー、Aコーナー、100Rなどどこのコーナーもとても動きがスムーズで、これなら戦えるというフィーリングに戻っていました。やはり昨日の1本目から感じていたリアの硬さはその時に修正するべきでしたね。それをしていたら予選はもっとタイムを縮めれていたかもです。グリッドにつくと、今回はS耐でスポンサーしてもらっているBodixさんからレースクイーンが応援に来てくれました♪
そして、決勝スタート!!いつも通り無理せず無難にスタートを決めて無難に1コーナーをクリアしていきました。総合2番手のN1車両は完全に別カテゴリーになり、コーナーは速いけどストレートが遅いというマシンです。そのため、1周目の戻ってきたストレートでパスさせてもらい、トップの新型BRZを追う転換になりました。マシンのフィーリングはとても良く、2分1秒台でラップをし続けることができましたが、新型はストレートがかなり速くてグングン離されていく展開でした。それでも毎ラップ諦めずにしっかりと着実に走行しているうちに徐々に追いついていき、ラスト4周くらいから明らかに近づいているという展開でした。
一時は8秒くらいまで差が広がっていましたが、4秒差くらいまで縮まってチェッカーとなりました。もう何周かあったら追いついたという感じでしたが、終って話を聞いたらガス欠になりそうで抜いていたそうです。なので、やはり実力では新型には敵わないですね。
そんな感じで最終戦は総合2位、クラス2位で終えました。自社で製作したエンジンは今回も良く走ってくれました。ただ、真夏とトップスピードが変わらなかったのが不思議なところなので、ここはまた原因を探求していきます。たぶん、マフラーの排気漏れが大きくなっていたのが原因かなと思っています。
これで今シーズンの86BRZチャレンジカップは終了しました。来シーズンは若手メカニック育成として、ドライバー兼メカニックとして新卒2年目の大川メカニックが参戦予定です。まだまだ乗り慣れていないので、オフシーズンにいっぱい練習ですね♪
来シーズンも応援よろしくお願いします!
今回の様子はyoutubeで紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。