日産 GT-R50 by Italdesignとはどんなクルマなのか
日産 GT-R50 by Italdesignとは
「日産 GT-R50 by Italdesign」は、2018年6月に日産自動車とイタルデザインが、GT-Rとイタルデザインそれぞれ50周年を記念して公開されたコンセプトカーから限定販売されたモデル。
イタルデザインは本プロトタイプの開発、設計、製造を手がけた。内装・外装デザインは、ロンドンの日産デザインヨーロッパと、日産デザインアメリカが担当している。
日産 GT-R50 by Italdesignのデザイン
フロントは、車両の幅いっぱいに広がる個性的なゴールドのインナーパネルを採用ボンネット上にはパワーバルジが鎮座し、シャープなLEDヘッドライトがホイールアーチから冷却用のインテーク上端へ向け配されている。なおボンネットは取り外し式となっている。
■発表時のプロトタイプ
■生産仕様サイドデザインは、ベース車より54mm低くしたルーフラインが大きな特徴となっている。ーフの中央部が低く外側が少し高いことで、筋肉質な印象を与えている。フロントフェンダーの特徴的なエアアウトレット「サムライブレード」は、ドア下方部からショルダーラインまで配され、ゴールドカラーの嵌め込みがその存在を一層際立たせている。
■発表時のプロトタイプ■生産仕様
リアデザインは、リヤホイール周りの頑丈で力強いフレアーが、このクルマのトレッドの広さを強く印象づけている。ショルダーラインは、リアウィンドウ下部に向かってテーパーがかかっており、トランクリッドへ収束。リアウィンドウラインはベース車より長く、深くなっている。リヤ部分は、ゴールドの配色と相まって独立した塊感の印象を与えている。リアウィングは上下可変式ウィングとなっている。
GT-Rの特徴である丸型テールライトは空洞を囲む細いリングのようなデザインで、トランクの中心とアウターパネルをつないでフロートしているかのような構成。
■発表時のプロトタイプ■生産仕様
インテリアは、センターコンソール、インストパネル、ドアの内張りには2種類のカーボンファイバーを、シート素材には黒のアルカンターラと、同じく黒のイタリア製レザーを採用。エクステリアに合わせて、インストパネル、ドア、未来的なレーシングカーをイメージしたスイッチ類にもゴールドのアクセントを散りばめました。専用ステアリングはハブとスポークがカーボンファイバー製で、リムはフラットボトムのデザインにマッチしたアルカンターラのトリムを採用している。
■発表時のプロトタイプ
生産を前提にしたプロトタイプから、インテリアはベースとなるGT-R NISMOを基本とし、センターコンソール、インストパネル、ドアの内張りには2種類のカーボンファイバーを、シート素材には黒のアルカンターラと、同じく黒のイタリア製レザーを採用。ステアリングホイールもデザインはGT-R NISMOと同様で素材がアルカンターラとなっている。
■生産仕様
日産 GT-R50 by Italdesignのメカニズム
基本的にGT-R NISMOのメカニズムで構成されている。エンジンは、NISMO専用チューニングが施されたVR38DETTが搭載されているが、最高出力が600馬力から720馬力までパワーアップしている。これは、GT-RのFIA-GT3仕様のターボチャージャー、それに合わせた大型インタークーラー、強化されたクランクシャフト、ピストン、コネクティングロッド、ベアリングに変更されている為だ。
エンジンに合わせて、GR6型6速デュアルクラッチトランスミッション、ドライブシャフト、ディファレンシャルも強化されている。
足回りも専用デザインの21インチホイールに合わせて専用のセッティングが施されたビルシュタインダンパーを装着している。装着タイヤはミシュラン パイロットスーパースポーツ。
日産 GT-R50 by Italdesignの生産・販売
日産 GT-R50 by Italdesignは、その名前に合わせて50台限定で全世界でオーダー受けていた。基本価格は99万ユーロ(税抜き、諸費用別)、当時のレートで日本円にすると約1億2700万と非常に高価なモデル。また生産にあたって、ベースとなるGT-R NISMOは欧州仕様となるため、ナビゲーションシステムなど一部機能が日本仕様と異なっているが、当然ながら日本でもオーダーは可能。ハンドルも左ハンドル仕様を選択することもできた。基本的にテーラーメイドなので、注文後、日産を通じてイタルデザインと細かな仕様を決めていく形となった。
生産手法もかなり特殊で、日本の生産されたGT-R NISMOをイタリア・イタルデザインに運び、手作業で分解されたのちに、再度組み上げられる。そのパーツもイタルデザイン工房の職人が一つ一つ丁寧に作り上げてく。
オプションについては、「スペシャルカラーリング」、「リバリー(レーシングカーの様なデザインボディ)」、「カーボンパック(ボンネット、サイドシル、前後バンパー、テールゲート、リアウィング(固定式))」、「可変ウィング」が用意されていた。どれも3〜450万円と高価である。
当初は2020年後半には最初のロットがデリバリーされるとアナウンスがあったが、実際にデリバリーが開始されたのは2021年11月となった。
実際にオーダーが入ったのは19台。それに2台テストカー+2台広報車+1台プロトタイプが存在する。うち9台が日本オーダー。その9台のうち、3台が中古車情報サイトにて販売されている。(2023年8月現在)