日産GT-R(R35)の歴代モデルのマイナーチェンジを紹介
初代・MY08(2007年12月発売)
日産GT-Rは、前日産自動車CEOであるカルロス・ゴーン氏の一大プロジェクトとして2000年から先行開発がスタート、2001年にコンセプトモデル「GT-Rコンセプト」が公開され、R32型スカイラインGT-R、初代プリメーラなど「901運動」で成果を残した水野和敏氏がゴーン氏から開発の全権を委任され、「ポルシェ911ターボ同等以上の走行性能を、誰でも、どこでも、いつでも」という「新次元マルチパフォーマンス・スーパーカー(マルチパーパスカー)」コンセプトで開発が進められた。ドイツ・ニュルブルクリンク、仙台ハイランドサーキットを開発拠点とし、世界中のあらゆるサーキット・公道で想定される様々なシチュエーションの走行テストを重ねに重ね、2007年10月24日に開催された「第40回東京モーターショー」にて、当時量産車最速となる「ニュルブルクリンク旧コースラップ7分38秒54」というGT-Rに相応しい性能を掲げて量産モデルが正式発表、同年12月6日から777万円〜とライバルであるポルシェ911ターボの1/3以下近い価格で販売開始された。
日産GT-Rは、エンジンを車両前方に、クラッチ・トランスミッション・トランスファーを車両後方に配置する、世界初の独立型トランスアクスル「PMプラットフォーム」を採用。そこに搭載されるエンジンは、「VR38DETT」という3.8L V6ツインターボエンジン。日産社内認定「匠」の称号を持つ横浜工場の職人が1人1台で温度湿度管理された部屋で手作業で組み立てている。最高出力は480馬力、最大トルク60.0kgf・mと欧州スーパーカーに引けを取らないスペックである。組み合わされるミッションは、0.2秒という変速スピードを獲得したGR6型6速DCTという2ペダルMTになる。従来の3ペダルMTだとエンジン性能を活かしきれないとのことで、既に欧州スーパーカーでは定番になりつつあるDCTを採用した。これにより、日本の普通免許にある「AT限定」でも運転可能になった。シチュエーションにあわせた3つのモード(スポーツ走行向け「R」モード」、ノーマルモード、滑りやすい路面に合わせた「スノー」モード)が用意され、センターコンソールに配置されたスイッチで変更できるようになっている。制御系は、従来のVDCに前後トルク配分を制御する「Rモード」を加えた「VDC-R」を搭載した。
足回りは、フロントがダブルウィッシュボーン式、リアがマルチリンク式を採用。組み合わされるショックアブソーバーはビルシュタイン共同開発の電子制御式ショックアブソーバー「ビルシュタイン・ダンプトロニック」。 ミッション・VDC-Rと並んでセンターコンソール上のスイッチで高速コーナー向けの「R」、「ノーマル」、乗り心地を優先した「コンフォート」の3種類の特性に任意に変更できるようになっている。
ブレーキは、前後380mmのフルフローティング ドリルドローターに、フロント対向6ポット、リア対向4ポットのブレンボ製モノブロックブレーキキャリパーとなっている。
装着されるタイヤもGT-R専用品となり全車標準装備でランフラットタイヤ「POTENZA RE070R」を採用した。高速域でのタイヤパンク・バーストでも安全な速度である程度の距離を自走移動できるように設計されている。
エクステリアは、鍛え抜かれたアスリートを彷彿させるような力強さとソリッド感を表現している。リアエンドには、GT-R伝統の4灯リングテールランプが備わっている。
インテリアは、高性能をオーナーに感じさせる340km/hメーター、人気ゲーム「グランツーリスモ」を製作しているポリフォニー・デジタル社と共同開発したマルチファンクションメーター、大手サウンドメーカー・BOSE社設計のサウンドシステム(ブラック・エディション、プレミアム・エディションに標準装備)、サッチャム準拠防犯システム(プレミアム・エディションに標準装備)など随所に拘りが覗える設計になっている。
MY09(2008年12月発売)
イヤーモデル制を採用したGT-Rにとって最初のマイナーチェンジとなる。発表前のニュルブルクリンクタイムアタックで7分26秒70を記録している。
主な改良点として
- エンジン本体の製品精度向上にあわせ、コンピューター制御もより精度を上げ、出力(353kW (480PS)/6400rpm → 357kW(485PS)/6400rpm)と燃費(8.2km/L→ 8.3km/L)の向上
- 新構造ショックアブソーバー採用、フロントバネレートのアップを含むサスペンションセッティングの改良により、回頭性の良いハンドリングとよりフラットな乗り心地の両立した性能向上を図った
- ボディカラーに、ブリリアントホワイトパール追加、特別塗装色のアルティメイトメタルシルバーは磨き工程を更に追加することで、ボディパネルと樹脂製バンパー部の合わせ部色彩質感を向上させた
- フロントナンバープレート取り付け部変更による全長の短縮(4655mm → 4650mm)
- 燃料タンクの容量増加
- レイズ製アルミ鍛造ホイールのクロームカラーコートの色調変更
- ダンロップタイヤ装着車(ブラックエディション)拡大
- サーキット走行を想定した専用装備を装着した「SpecV」グレードを追加
MY10(2009年12月発売)
2010年式のGT-Rの主な改良点
- 4ダイバーシティアンテナを採用した地デジチューナーを内蔵しHDD方式のカーウイングスナビゲーションシステムを採用
- フロントサスペンションのショックアブソーバーとスプリングの精度を向上され乗り心地の改善
- リヤサスペンションのショックアブソーバーの特性を変更し、乗り心地とハンドリングを改善
- リヤサスペンションのラジアスロッドブッシュの剛性を改善し、路面との接地感をよりダイレクトなものとした
- 冷却ダクト付きのSpecV用リヤディフューザーを全車に採用(写真はSpecV)
- 標準装備タイヤをダンロップ製に変更し、ブリヂストン製タイヤはオプション装備とした
- より通気抵抗の少ない六角メッシュの触媒セルの採用によって、低中速域のエンジンレスポンスを向上
MY11(2010年11月発売)
2010年11月に発表された2011年モデルの日産GT-Rは、発売初めてメカニズム・エクステリア・インテリアともに大きな改良を施してきたモデルとなっている。この時にサーキット走行専用の「Club Track edition」、オーナーの様々なわがままに匠が応えて制作する「EGOIST」が追加された。またベースグレードの呼称が「Pure Edition」に変更された。発表前のニュルブルクリンクタイムアタックで7分24秒22を記録している。
■メカニズム
- VR38DETTのターボチャージャーのブースト圧やバルブタイミング、空燃比を変更し、インレットパイプ径の拡大などによる吸気抵抗の低減とエキゾーストパイプ断面の拡大などによる排気抵抗の低減を実現
- 燃費を8.5km/L(10・15モード)、8.6km/L(JC08モード)に向上
- 最高出力を390kW(530ps)/6,400rpm、最大トルクを612N・m(62.5kgf・m)/3,200〜6,000rpmと大幅に向上
- 高性能感を演出するため、エンジンカバーも赤色に変更
- 超低貴金属触媒や大容量マイコン搭載のECMを採用することで、「平成17年基準排出ガス75%低減レベル」(SULEV)に適合
- 高速道路や一般道の走行時に実用燃費の向上や、足首の疲労軽減のため、駆動トルクを最適化し、シフトスケジュールを変更するSAVEモードを新設
- トランスミッションとVDC-RでRモードを選択した際の発進性能を向上させた。
- ハンドルを切りながら発進する際に発生することがあるタイトコーナーブレーキング現象を緩和するため、一時的*に2WDに変更することが可能な2WDモードを追加
■ボディ
- エンジンルームの隔壁に高剛性・軽量のアルミハニカム入りカーボンコンポジット製ストラットサポートバーを設定。左右のストラットを結合し、サスペンション入力を素早く受け止めることができるようにすることで、運転操作に対するレスポンスを向上。
- キャビン側ダッシュパネルにサポートメンバーを追加。エンジンルームとの接続剛性を高めることで、より車体のレスポンスを向上
■サスペンション、ブレーキ
- フロントサスペンションは、タイヤの接地荷重応答を向上させるため、スプリングとショックアブソーバー及びスタビライザーのレバー比を変更。また、転舵時のタイヤ接地性や直進走行時の安定性を向上させるため、フロントキャスター角を増加。(5°35→6°00)
- リヤサスペンションは、旋回時の内輪グリップ力の向上とドライバーの感覚のつかみやすさを向上させるため、リヤサスペンションのロールセンターの高さを下げ、トー特性を変更
- 常に安定したタイヤの接地とドライバーの意思に素早く反応する荷重移動を実現するため、より高精度な減衰力を発生させるアルミ製フリーピストン仕様のショックアブソーバーを新開発。さらにショックアブソーバーのフリクションを低減させることで、上質で滑らかな乗り心地も両立
- 制動力と高温時の耐フェード性やペダルコントロール性、さらにスポーツ走行時の寿命をも向上させるため、日産独自開発の「薄型大径ローター」(390mm)を採用
■タイヤ・ホイール
- ダンロップ製「SP SPORT MAXX GT 600 DSST CTT」は、タイヤグリップ力向上のために新コンパウンドを採用。また、内部構造を刷新し、トレッド及びサイドウォール剛性を高め、轍路等での直進安定性を向上
- タイヤの接地荷重応答を向上させるため、さらなる軽量化と高剛性を実現した新デザインのレイズ製アルミ鍛造ホイールを採用。エンジン出力の向上に伴い、タイヤの回転方向のずれを防止するため、ホイール内側のローレット形状を変更。ホイール表面には5コート塗装で実現した深い艶によって上質感と高性能感を表現した新色ハイパーブルーブラッククロームを採用
■エクステリア
- バンパー開口部、グリル開口部を拡大し、開口周辺の立体感を増すことで、安定感を向上。
- 二段整流フィンと大径反射面と高輝度白色LEDを採用したハイパーデイライトを標準設定した新造形のフロントバンパーを採用。このフロントバンパーの採用により、フロントダウンフォースを約10%増加させ、エンジンルーム内空気抵抗の低減、ラジエーター通過風量とフロントブレーキ冷却風量の増加を実現。
- ヘッドランプインナーパネルのメッキ部を増やし、強い存在感を演出。
- 下部を張り出させ、後端を延長させることで、低重心化を演出した新造形リヤバンパーを採用。また、リヤディフューザーを延長させることで、床下冷却性能を向上させ、空気抵抗を低減。
- リヤバンパーエアアウトレットを新設し、リヤホイールハウス部の空気を抜くことで、マフラー冷却性を向上し、リヤのダウンフォースを約10%増加。
- テールパイプフィニッシャーの径を拡大した新造形のテールパイプフィニッシャーを採用。また、高輝度LEDランプを使用したリヤフォグランプを標準設定し、雨天時や降雪時の後続車からの視認性を向上。
- ボディカラーは、メテオフレークブラックパール(2P)とオーロラフレアブルーパール(2P)の新色2色(ともに特別塗装色)を追加
■インテリア
- 新形状のナビゲーションモニター周りのパッドとフィニッシャーを採用し、ステッチラインも変更することで豊かな質感を表現。
- リアルカーボン製のセンタークラスターフィニッシャーを採用し、スイッチ類はマットブラックに統一。
- ステアリング中央のGT-Rエンブレムにベロアメッキを採用し、艶やかな質感を表現。また、パドルシフトにはマグネシウム基材露出塗装を採用。
- コンソールやエアコン吹き出し口のリング部等、クローム加飾を施した部分にブラックスモーク処理を施し、よりスポーティな印象を強調。
■シート
- 「Pure edition」「Premium edition」用のシートは、座面の形状変更、座面長の延長、クッションストロークを一新することで、コーナリング時の腿や腰のホールド感を向上させると同時に疲労度を軽減。また、シートバックにも新デザインを採用し、フィット感を向上。
- 「Black edition」用のシートは、「Pure edition」「Premium edition」用のシートの基本骨格を用い、RECAROのデザインと本革を採用したバケットシートを設定。
MY12(2011年11月発売)
2011年11月に発表された2012年モデルの日産GT-Rは、全世界展開する中で、右ハンドル車の足回りに世界初の「左右非対称セッティングの導入」を行ったことが大きな話題となった。このMY12から「SpecV」のコンセプトを受け継ぐスパルタンな「For TRACK PACK」が追加された
■メカニズム
- エンジンの効率を高めることで、燃費を8.6km/L(10・15モード)、8.7km/L(JC08モード)に向上させながら最高出力404kW(550ps)/6,400rpm、最大トルクを632N・m(64.5kgf・m)/3,200〜5,800rpmと大幅に向上
- 一基一基にインテークマニホールドとヘッドの合わせ工程を追加し、インタークーラーのインテークダクトを樹脂化し、その断面を拡大することで、通気抵抗を減少。
- 排気効率及び軽量化のため、床下キャタライザーをコンパクト化し、通気抵抗を軽減。また、エキゾーストバルブの冷却性能を高めるため、金属ナトリウムを封入した新設計のバルブを採用。さらにバルブタイミングと空燃比、点火時期の制御を改良
- シフトフォークのアーム設計とフライホイールハウジングのベアリング固定をより強固にすることで、シフトフィールと静粛性を向上。
- NISMOがモータースポーツ用としてラインナップし、高性能を実証してきたディファレンシャル用オイル「MOTUL製NISMO COMPETITION OIL type2189E(75W140)」を全車に標準設定。
■ボディ
- エンジン出力の向上に伴い、エンジンルーム後部、ダッシュパネル周辺を中心に強化することで、より運転操作へのレスポンスと限界域での踏ん張り感を向上。
■サスペンション・ブレーキ
- 左右非対称セッティングの導入
右ハンドル車ではドライバーの重量分が車体の右側に多く加わることと、前輪を駆動するプロペラシャフトが中心より右側に位置するGT-Rの構造を考慮し、サスペンションのセッティングを左右で異なる左右非対称セッティングを導入。フロントはスプリングの左側バネレートをハードにセッティングし、リヤは従来左右対称であったサスペンションアームを左側は上反角、右側には下反角を持たせて装着することで、停車時にはアンバランスである輪荷重を走行中に均等化させ、コーナリングの安定感や乗り心地に加え、ステアリングを動かした瞬間に伝わる反力感や滑らかさも向上。 - NCCB(Nissan Carbon Ceramic Brake)をPremium editionとEGOISTにメーカーオプションで設定。
■インテリア
- タコメーターのリング内側にブルーのイルミネーションを追加
- BOSE®サウンドシステムのウーファーをEGOIST用に開発したBOSE®プレシジョン・サウンドシステムのウーファーに変更し、さらに音質を向上
MY13(2012年11月発売)
2012年11月に発表された2013年モデルの日産GT-Rは、ニュル24時間レースからのフィードバックにより、さらなるエンジン、シャシーの改良が施されただけでなく、プレミアムカーとしてインテリアの上質感も向上したモデルとなっている。
MY13モデルから特別仕様車「スペシャルエディション」が全世界100台限定で販売された。
■メカニズム
- 燃料噴射量を高精度に制御できる高出力用インジェクターの採用
- ターボチャージャーの過給バイパスに専用開発したオリフィスを追加したことで、過給圧の急激な低下を抑制し、高回転域での加速を持続し中高回転域でのレスポンスと高回転域の伸びが改善
- オイルパンに特殊な構造のバッフルプレートを追加することで、サーキットなどでのハードなスポーツ走行時にも安定した油圧特性を実現し、オイルパン内での回転フリクションを低減
- サーキット走行の多いオーナーからのご要望が多かったMOTUL製COMPETITION OILをディーラーオプションのエンジンオイルとして設定
■シャシー
- 実際に走行している車両の実動ロールセンターを測定し、タイヤやサスペンションのブッシュのたわみも考慮してロールセンターを下げるとともに、スプリングとショックアブソーバー、フロントスタビライザーの仕様を変更
- フロントサスペンションにキャンバー調整カムボルトを採用し、アライメントの調整精度を向上させ、あわせて整備性も向上
- ドライブシャフトからハブベアリングの締結トルクを高め、サーキット走行時などにおける高負荷時の信頼性を向上
これによって路面への接地感、超高速時の走行安定性をさらに向上した。
■ボディ
- ダッシュパネルバー2ヵ所と、インストメンバー部にレインフォースを追加することで、サスペンション性能の向上に対応し、車体剛性を向上
■インテリア
Pure edition
- ステッチの色を変更し、ドアトリムやインストパッドの縫い目のピッチを拡大することで、インテリアの質感を向上
Black edition
- ブラックとレッドのコンビネーションで、スポーティ感を高めたステアリングホイールを採用
- RECARO製カーボンバケットシートをメーカーオプション設定
Premium edition
- ブラックとアンバーレッドの2トーンカラーのファッショナブルインテリアをオプション設定
- 本革本来の風合いと柔らかさを備えたセミアニリン本革を使用し、手縫いで一品一品仕上げたシートを前席に採用
■装備面
- ドライカーボン製リヤスポイラーとレイズ製アルミ軽量鍛造ホイールをセットでメーカーオプション設定(Black edition)
- バックビューモニターを標準装備(Black edition、Premium edition)
- シートバックの前倒し時の使い勝手を向上させるサイドノブを前席左右に装備(全車)
MY14(2013年11月発売)
2013年11月に発表された2014年モデルの日産GT-Rは、足回りとボディの改良を重点を置いたモデルとなっている。また内外装も改良され、このMY14モデルのキャッチフレーズ「大人が楽しめる『NISSAN GT-R』」に仕上がっている。このMY14モデルからハイパフォーマンスモデル「NISMO」が追加された。
■サスペンション
- 4輪の接地荷重変動を減らし、より均等に接地荷重を配分するため、スプリングのバネ定数及びショックアブソーバー電子制御、フロントスタビライザーバネ定数の最適化、リンクブッシュ類の見直しなどを実施したことで、路面追従性が高まり、荒れた路面でも高い走行安定性を維持でき、微細な振動やロードノイズを抑制し、快適性を向上。
■ステアリング
- 日常運転から高速域まで扱いやすい操舵力にチューニング
■ブレーキ
- 踏み始めから制動中期にかけて、しっかりとしたリニアな踏み応えが感じられ、よりコントロール性を向上
■ボディ
- 制振・吸遮音材の配置を見直し、車両ノイズをより抑制しつつもエンジンが発するクリアで力強いサウンドを体感できるようになった
■エクステリア
- 「稲妻の閃光」をイメージした新デザインの高効率LEDポジションランプによるランプシグネチャーを採用
- 新しい大光量のLEDハイビームと、メイン照明、遠方用照明、ワイド照明を含む3つのLEDロービームで構成でされているLEDヘッドランプユニットを新たに採用することで、照射範囲を拡大し、視認性を向上
- リヤコンビランプにも、特徴的な4つの丸型リヤコンビランプが、切れ目のない丸いラインでリングを描いている新デザインのLEDランプを採用
- エンジン始動時の演出として、新しいランプシグネチャーが点灯
- ボディカラーに、ゴールドフレークレッドパール追加
■インテリア
- 「Premium edition」専用オプションのファッショナブルインテリアに、新たにアイボリーを追加
- ファッショナルブルインテリアのカラートリムをドアトリム、ドアアームレスト、センターコンソール両サイド、コンソールボックスリッド、ハンドブレーキにまで拡大
- ファッショナルブルインテリア選択時のセミアニリン本革をフロントシートに加えて、リヤにも採用
MY15(2014年11月発売)
2014年11月に発表された2015年モデルの日産GT-Rは、主に制御系や各ユニットの最適化が行われ、走行安定性と快適性をより向上させたモデルとなっている。このMY15モデルから基準車をベースにGT-R NISMOのテクノロジーを融合させた新グレード「Track edition engineered by nismo」と台数限定特別仕様車「45th Anniversary」を追加。
- ショックアブソーバーの減衰力特性の変更やECUのチューニングを行い、コーナリング時の車体安定性を向上
- 装着タイヤの材質や内部構造を見直すことで、路面追従性と轍などでの安定性を向上され、更に路面の凹凸の吸収性も増したことで乗り心地も改善
- ブレーキパッド及びパッドとピストンの間のシムの形状変更によって、踏み始めからのフィーリングとコントロール性を向上
- ステアリング・ダイナミック・ダンパーの設定を最適化し、アイドル時の振動や路面から伝わる振動を低減
- エンジンとトランスミッションの制御のチューニング及びトランスアクスルやドライブシャフト等の構造上の隙を最適化することで、アクセルペダルのオン・オフ時の振動を改善、走行時の音や振動を低減
- フライホイールハウジング内のベアリングの仕様を変更し、静粛性を向上
- トランクカーペットの材質を見直し、静粛性を向上
- レイズ製ダブルスポークアルミ鍛造ホイール(ハイパーブルーブラッククロームカラーコート)をメーカーオプションとして採用
MY17(2016年7月発売)
2016年7月に発表された2017年モデルの日産GT-Rは、GT-R発売以来のビッグマイナーチェンジといえる、発売以来最大規模となるエクステリアやインテリアのデザイン変更やメカニズム各部の改良が行われたモデルとなる。
■エクステリア
- フロントマスクは、日産ブランドのデザインシグネチャーであるVモーションを採用
- 最新のメッシュパターンを採用した新デザインのグリルは、開口部の拡大により冷却性能を向上
- 高レベルのダウンフォースを実現する新形状のフロントスポイラー
- 新形状サイドアウトレットなどリヤ廻りにも空気の流れを改善
- 新色「アルティメイトシャイニーオレンジ」を追加
■インテリア
- 高級本革ナッパレザーを熟練の職人が高度な技術を用いて厳選した一枚革で仕上げたインストルメントパネル
- ナビディスプレイは7インチから8インチに拡大し、併せて大型のアイコンを採用することで、直感的な使い易さと視認性を向上
- カーボン製のセンターコンソール上に配置したマルチファンクションスイッチを追加
- パドルシフトは、ステアリングホイール固定タイプに変更
- ファッショナブルインテリアのカラーに、「タン」と「アーバンブラック」追加
■メカニズム
- GT-R NISMOの技術である気筒別点火時期制御を採用、ノッキングの発生を抑え、燃費を損なうことなく最高出力419kw(570PS)/6,800rpm、最大トルク637N・m(65.0kgf・m)/3300-5800rpmを発揮
- 6速デュアルクラッチトランスミッションは、変速ノイズを低減と日常域でのドライビングフィールを向上
- 新設計のチタン合金製マフラーを採用
■ボディ・シャシー
- ボディ剛性のさらなる向上によって足回りのセットアップが最適化され走行安定性が向上
■快適性
- 吸音材・遮音構造の徹底的な見直しにより室内でのロードノイズや風切音を大幅に低減
- エンジン始動時から低回転走行時の排気音を低減することが可能なエキゾースト・サウンド・コントロールを採用(Pure Editionを除く)
MY18(2017年11月発売)
2017年11月に発表された2018年モデルの日産GT-Rは、装備面の変更が行われた。
- これまで「GT-R NISMO」、「GT-R Premium edition」に標準設定していた、「国土交通省認可 サッチャム欧州カテゴリーⅡ準拠 車両防盗システム」を全グレード標準設定へと拡大
- マルチファンクションディスプレイが「Apple Carplay」に対応
MY20(2019年6月発売)
2019年4月に発表された2020年モデルの日産GT-Rは、エンジンレスポンスの改善、制御系の見直しが行われた。限定モデル「NISSAN GT-R 50th Anniversary」が追加された。
- 「NISSAN GT-R NISMO」に採用してきたレスポンス向上に貢献するターボ高効率化技術「アブレダブルシール」を採用
- Rモード専用のアダプティブシフトコントロール(ASC)のシフトスケジュールをより積極的に変更
- 軽い踏力で制動力が立ち上がるよう、ブースター特性のチューニングにより初期の効き感を向上させ、短いストロークで効きが立ち上がるコントロール性の良いブレーキを実現
- 新色ワンガンブルーを設定
- 職人手作りのチタン製のエキゾーストフィニッシャを採用(写真は50th Anniversary)
- 新デザインホイールを採用(写真は50th Anniversary)
MY22(2021年10月発売)
2021年9月に発表された2022年モデルの日産GT-Rは、通常モデルはMY20モデルから基本的に同一であるが、特別仕様車「NISSAN GT-R Premium edition T-spec」、「NISSAN GT-R Track edition engineered by NISMO T-spec」が追加され、それぞれ限定100台販売された。
MY24(2023年3月発売)
2021年9月に発表された2022年モデルの日産GT-Rは、新たなデザインとなりR35型の集大成となるモデルとして発表された。
- フロントバンパーとリヤバンパー、リヤウイングに空力性能を向上させる新たなデザインを採用
- 最高出力や最大トルクなどのパフォーマンスを維持しながらも、走行時の不要なノイズと振動を低減する新車外騒音規制対応の新構造マフラーを新たに開発採用