更新日時:2023/01/28
HMR(エイチエムアール)のイシケンです。1月6日に筑波サーキットにアタックに行ってきました。
11月のテストを最後に気温がグッと下がるのを待っていました。10月と11月に三井選手に乗ってもらってテストを行って来て、それまでのタイムは1分3秒5がベストでした。
中古タイヤで溝もかなりなくなった状態かつ、気温は20度くらいだったためタイムアップの余地はかなり残されているなと言う感じでテストを終えていました。
そして、元々は12月5日のレブスピード主催のタイムアタックイベントに出場予定だったのですが、三井選手がフォーミュラライツのテストで招集されたため参加を断念していました。で、1月に入って午前枠の6日にアタックしようということで行ってきました。ドライバーは私です。
この日はタイムアタック日和で、気温は0度天気は晴れ。路面は完全にDRYという素晴らしいコンディションでした。1本目はブレーキパッドを交換してきていたので、その慣らしとマシン＆ドライバーの慣らしでファミリー走行枠で走りました。タイヤは前回新品でおろしたタイヤをそのまま継続で使います。そこまで使っていないのでまだ美味しいところはあると思っています。
1本目の走行は10時5分から20分枠でスタートしました。
ゆっくりとブレーキパッドと駆動系を慣らしていきました。ただ、ここでブレーキに少し異常を感じていました。ローターが歪んでいる時に発生するブレーキを踏むとペダルが波打つような感触になっていたのです。最初はパッドの慣らしの問題かなと思っていましたが、結局この症状は最後まで続いてしまいました。
前回ローターとパッドは新品を投入したのですが、少し効きの強いフロントパッドを入れたのが影響したのか、ローターがたぶん熱で歪んでしまったかもしれません。さすがにスリットなしの通常走行向けローターでは限界だったかもです。
ブレーキパッドの慣らしを終えて1枠目で少しまだ時間があったのでいくつかのコーナーでアタックしてみました。
少しアタックしたら大体セットが合っているのかダメなのかが分かるのですが、11月までのテスト時のフィーリングとはガラっと変わっていて全く合っていませんでした。マシン全体的にフニャフニャという感じで、低速コーナーは曲がらない、高速コーナーはロールオーバーという感じでした。気温が下がってエンジンパワーが上がった分足回りへの負荷が増えていて沈み込みが大きくなっているのでしょう。この点は1本目で減衰調整やリアウィングの調整を行ってセットしていきました。
そんなに周回するつもりがなかったのですが、セットが合っていないためにそれなりのスピードで1本目から周回してしまいました。
1本目の走行から10分空けてすぐに2本目の走行です。このクラスはエキスパート枠という速い人のみのクラスです。本命はここでの1分2秒台を出すことです。1本目に合わせたセットがまだ煮詰め切れていないので、最初の数周は減衰調整を引き続きやっていました。
そして、ある程度マシンがいい動きになってきたところでピットインして空気圧調整を行いアタックに入りました。スポーツ走行枠なので他に20台近く走っていて、クリアを取るのは難しいのですが、その中でもうまくまとめられて出したタイムは1分3秒015。あとほんの少しで2秒台でした（笑）
まだヘアピンへのブレーキや動きが悪いので改善の予定があり、予備で考えていた3本目に向けて2秒台も見えてきたかなという感触でした。
3本目はもっとフロントの減衰を高くして、ブレーキ時のノーズダイブを抑えるのと、初期のノーズの入りをよくするためにロール剛性を上げる方向でフロントタワーバーのボルトを完全に締めましてコースインしました。
ブレーキ時のノーズダイブは抑えられてブレーキはより奥まで突っ込めるようになりこれは正解でした。ただ、フロントのロール剛性が高すぎて少しピーキーなセットになってしまったので、フロントの減衰を下げて、タワーバーももとの少し緩くボルトを締め付ける感じに戻しました。
このセットが真冬には一番良さそうなフィーリングになったのですが、その時にはもうタイヤがなくなってしまっていて、1分3秒3くらいしか出ませんでした。それでもベストタイムの時より1ヘアはコンマ2秒くらい速くなっているので、このセットで新品タイヤ入れてアタックしたら2秒台は間違いないだろうという感じでこの日のアタックを終えました。
残念ながら2秒台には乗せられなかったのですが、確実にそこは見えてきた感じです。元々の目標は3秒台をノーマルエンジン、ナローボディ、17インチタイヤ、内装は全部付けという感じで、吸排気と足回り、デフ、CPUのみで出すということで作ってきたのは達成しました。それもプロドライバーではなく、中古タイヤで出したことは一般ユーザーにもフィードバックできるところかなと思っています。
そして、2秒台を出したらノーマルS2000のポテンシャルを十分に引き出したことになると思っています。なぜなら、S2000のタイムアタックで有名なASMさんも同じようなコンセプトで2秒台なのです。ドライバーはGTも走っているプロドライバーですけどね。そして、ホンダチューニングで有名なRG-Oさんも同じようなコンセプトで2秒台を過去に出しています。ここと並べたらただの中古車屋としては十分かなと思っています。
次回は2月にアタック予定です。確実に2秒台が出るようにセットはこのままでフロントのブレーキローターだけスリット入りのサーキット向けに交換して臨みたいと思います。もちろん今度は完全に新品タイヤでアタックしますよ！！期待していてください。
この日の様子はyoutubeでも配信しています。ぜひご覧ください。ベストタイムのインカー映像もあります。
