更新日時:2023/01/07
HMR(エイチエムアール)の栗原です。今回は新品ガラス幌 オプション黒革装備のS2000(AP1)の納車前点検整備を行いました。作業担当はメカニックのムラシタです。
まずエンジンルーム周りを点検していきます。バッテリーの健全性をチェックしていきます。バッテリーテスターに接続して確認すると赤い「BAD」のランプが点灯しました。つまり交換が推奨される劣化が確認されましたので後ほど交換させていただきました。バッテリーの交換時期は使用状況によりますが3〜5年のサイクルで交換することをおススメいたします。また寒い時期になるとバッテリー上がりが多くなります。少しでもマメにエンジンを掛けて充電したり、カー用品店などで購入できる充電器を用意しておくといいでしょう。 次にインテークホースの点検を行いましたが問題ありませんでした。インテークホースは経年劣化による蛇腹部分に亀裂が入ることがあります。そこからエアフィルターを通さない空気を吸ってしまいエンジン不調に繋がる可能性があります。ボンネット開ければ目視できますので、定期的な点検をおススメいたします。 エアフィルターの点検をしていきます。目立つような汚れもなく問題ありませんでした。エアフィルターは、外から取り込んだ空気に含まれる砂・チリなどの異物を受け止めてきれいな空気をエンジンに送り入れる役目を担っています。汚れで目詰まりを起こすと燃費悪化やエンジン本来の性能を発揮できなくなります。エアフィルターボックスは簡単に開けることができますので定期的な点検をおススメします。次に冷却系廻りを点検していきます。ホースに漏れはありませんでした。経年劣化していくと亀裂が入りそこから冷却水が漏れてしまいエンジンがオーバーヒートを起こす可能性があります。定期的な点検をおススメいたします。 補機ベルトの状態およびオートテンショナーの異音やガタが無いかを点検していきます。特に問題ありませんでした。ベルトが切れてしまうとバッテリー充電が出来なくなり最悪エンジンが停止する恐れがあります。定期的な点検をおススメいたします。 S2000の心臓部であるF20Cに搭載されているVTEC機構のカムの切り替えを行うスプールバルブの点検を行いました。オイル滲みや漏れもなく問題ありませんでした。バルブ内部のパッキンの経年劣化による原因でオイル漏れが発生します。 ブレーキマスターシリンダーもチェックしていきます。リザーバータンクのオイル漏れもなく問題ありませんでした。こちらも経年劣化によるタンクのヒビ割れが原因でフルード漏れが起こりやすい箇所です。 続いてプラグの点検を行いました。4本とも特に問題ありませんでした。先端の部分がひどく汚れてしまうとエンジンが掛かりづらくなったり、走行中に失火が起こり故障の原因となります。エンジンが掛かりづらくなるなどの症状が出た場合は当店にご相談ください。 続いてリフトアップして足廻りをチェックしていきます。まず最初にタイヤを縦横に揺らしてハブベアリングとボールジョイントのガタがないかチェックを行います。特に問題ありませんでした。走行中に異音やハンドルのガタつきなどを感じた場合は当店へお早めにご相談下さい。 リフトアップして下廻りをチェックしていきます。特に目立つようなキズやサビもありませんでした。 足廻りのブッシュ・ブーツをチェックしていきます。ブッシュ・ブーツが劣化してそのままにしておくとそこからグリスが漏れ出したり、異物が侵入して足廻りの機能に支障をきたすだけではなく、車検を通過できなくなってしまいます。またそれ以外にもダンパーのオイル漏れがないかを点検していきます。 写真を取り忘れてしまいましたが、リアのスタビリンク・ロアアーム・トレーリングアームにそれぞれ小さなヒビとフロントロアアームブッシュにヒビが見つかりました。今回はフロントロアアームブッシュを後ほど交換していきます。 ブレーキ廻りの点検をしていきます。まずはブレーキキャリパーシールの状態やキャリパーピストンの動きを確認していきます。特に問題ありませんでした。 キャリパーシールが劣化しピストン内に水分が侵入することでサビが発生します。サビをそのまま放置しているとキャリパーの動きを阻害されブレーキの引きずり症状や固着を引き起こしてしまう可能性があります。 ブレーキパッドの残量をチェックしていきます。フロント6mm・リア5mmでした。
HMRではクルマに応じて、納車前点検でエンジンオイル・ブレーキフルード・ミッションオイル・ラジエタークーラントを新品交換しています。油脂類がリフレッシュされていれば納車してすぐのドライブも安心して楽しめますね。まずエンジンオイルから抜いていきます。エンジンオイルはエンジン内部の潤滑および冷却を行います。定期的な点検を行わず走り続けるとエンジンパワー低下、燃費悪化の原因となります。使用状況によりますが半年または5,000kmでの交換をおススメいたします。オイルフィルターも交換します。交換のタイミングはオイル交換2回ごとです。 ミッションオイルも抜いていきます。ミッションオイルが劣化していくとギアの入りが悪くなったり、最悪ミッションのギアを痛めてしまいミッションブローに繋がります。 リアデフオイルも抜いていきます。 クーラント液を抜いていきます。 新しいリアデフオイルを入れていきます。 新しいミッションオイルを入れていきます。ミッションオイルはホンダ純正のMTF-3を使用しています。 エンジンオイルを入れていきます。エンジンオイルはWAKO’SプロステージS 100%化学合成油 10W-40を使用しています。 新しいクーラント液を入れていきます。 次にブレーキフルードを交換しました。フルードはDOT4を使用しています。交換タイミングは車検毎をおススメしております。 タイヤ溝の残量をチェックしていきます。フロント・リアともに7mmでした。まだまだ大丈夫ですね。 タイヤの空気圧チェックをしています。タイヤのエアはゆっくり少しずつ抜けていきます。ガソリンスタンドで簡単に入れられますので1ヶ月に1度のチェックをおススメいたします。 サンフレアの有効期限が切れていたので交換します。サンフレアは有効期限が切れていても車載されていれば車検は問題ありません。但しいざとなった時に使えるとは限りませんのでHMRでは有効期限が切れたものは交換させていただいております。 劣化していたバッテリーを交換していきます。 ワイパーゴムも交換していきます。 リモコンキーの電池も交換していきます。
基本的な点検整備が終わりましたら、ソフトトップの交換をしていきます。この写真でまずわかるのは窓下半分が白くなってしまい、全体的に曇っているかのような状態で後ろが確認できない状況になっています。また一部裂けてしまっている箇所もありました。 交換の作業に移っていきます。まずトランクルーム奥の内張りを取り外していきます。 ソフトトップを固定しているピンなどを取り外していきます。 ソフトトップを持ち上がっている姿勢にして ボルト取り外していきます。 これでソフトトップの布部分を外すことができます。 丁寧にとソフトトップを少しずつフレームから取り外します。 無事取り外しができました。 こちらは幌のモールです。 次に幌に張りを持たせるストラップを交換していきます。伸び切ってしまい、行面がボロボロになっていますね・・・ 新しいストラップに交換しました。 新しい幌を取り付けていきます。取り外し時と同じ様にルーフを写真のように途中まで上げて取り付け作業を進めていきます。 ピンを取り付けてソフトトップを固定していきます。 丁寧にフレームに取り付けていきます。これで取り付け完了です。 最後に水の侵入がないかソフトトップ各部に水をかけてチェックしていきます。 以上で作業完了となります。M様、この度はS2000(AP1)ご契約ありがとうございました。ホンダが誇るVTEC FRスポーツカーのドライブを楽しんでください!