更新日時:2022/12/10
HMR(エイチエムアール)の栗原です。今回は鮮やかなオレンジボディのS2000(AP1)のブレーキキャリパーOHとローター交換作業を紹介していきます。担当はムラマツです。
お客様から今後サーキットを走ったりしたいというご相談を受け、今回ブレーキキャリパーのオーバーホールとローターの交換の依頼を承りました。まずはブレーキキャリパーのオーバーホール作業の様子です。ブレーキは常に外気に晒され、砂やゴミ、水などがまとわり付くので年数が経過すると汚れだけではなく錆付いてきてしまいます。取り外したフロントキャリパーは見た感じは汚れているだけで錆は見受けられません。ここから更に分解し、キャリパーピストンや各種ブーツなどを取り外していきます。キャリパーの心臓部といえる、キャリパーピストンは一周する形で汚れと錆が確認できました。ブレーキキャリパーを長く使い続けていると水分がシール類を通過して内部に侵入してしまいます。
それによってピストン表面を侵食し錆を発生させ、錆が広がっていくとピストンの動きが阻害されブレーキの引きずり現象や固着を引き起こしてしまう可能性があります。小さいですが、錆の筋が確認できます。 ピストンを取り外したシリンダーは錆と汚れがびっちり付着していますのでしっかりパーツクリーナーを使ってキレイにしていきます。 こちらが今回交換するブレーキキャリパーのパーツ達です。左半分はピストン、右半分がシール・ブーツ類になります。 まず清掃したキャリパーにOリングを取付けていきます。 その後にブーツと新しいピストンを入れ組み込んでいきます。 キャリパースライドピンは、古いグリスをキレイに拭き取って新しいグリスをしっかり塗布して組み込みます。 写真を取り忘れてしまいましたが、このスライドピンを覆うゴムブーツも新しいものに交換しました。ゴムブーツがなければ、そこからも水分やゴミが内部に侵入してキャリパーの動きの妨げに繋がります。フロントキャリパーはこれで完了です。 次にリアキャリパーのオーバーホール作業に取り掛かっていきます。 こちらも手順としてはフロントと同じくOリングやブーツを取り外してピストン本体を引き抜いていきます。 ピストンを取り外してみるとフロント以上に錆色の汚れが、ピストン全体にまとわり着いています。 回してみると錆・汚れがこびりついています。 組立前にしっかりシリンダー内部を清掃していきます。 フロントでもそうでしたが、ピストンにもグリスを適量塗布してOリング、ブーツと組み込んでいきます。 スライドピンもフロントよりかなり汚れが目立ちます。こちらも丁寧に清掃して新しいグリスを塗布し組み込んでいきます。 これでリアブレーキキャリパーのオーバーホール作業は完了です。
ブレーキローターを交換していきます。元々装着されてローターはスリット付きが装着されていました。見た目もスポーティーですが、性能面でもメリットがあります。スリットの分だけ表面積が多く放熱性に優れています。ブレーキパッド表面のクリーニングをして常に安定した制動力を発揮できる点です。
ローター表面をみてみるとかなり摩耗しているのがわかりますね。リアも同様です。パッドを性能の良いものにしてもローターが摩耗していると性能は半減してしまいます。 今回交換するローターは、フロントが無限アクティブゲートブレーキローターでリアも無限ブレーキローターになります。 フロントのアクティブゲートブレーキローターは、ローター断面に「逆ベンチ形状」という独自の断面形状を採用したことで、サーキット走行時などのブレーキングで発生する高温で起こる可能性がある変形やクラックに強いものになっています。キャリパーを装着していきます。 リアのローターも錆や摩耗による傷が目立っています。 リアブレーキローターもスリットが入っていて、パッドのクリーニング性能と耐フェード性能も向上しています。 キャリパーと組み合わせていきます。 最後にディクセルのブレーキフルードを入れていきます。 しっかりエア抜きをしていきます。 新しいブレーキローターにピカピカのホイールで足元がより一層カッコよくなりましたね。
以上で作業完了となります。M様、この度は作業のご依頼ありがとうございました。またのご相談・ご依頼お待ちしております。
今回の作業費用ですが、
・ブレーキキャリパーオーバーホール:48,640円
・ブレーキローター交換:77,580円
合計税込み134,000円でした。