更新日時:2025/09/29
こんにちは。HMR広報の小川です。今回紹介する「トヨタ 86」は、スポーツカー氷河期とも呼ばれた2012年にスバルとの共同開発によって誕生しました。そのコンセプトは、伝説の名車「AE86」のように誰もが手に入れやすく、運転の楽しさを心の底から味わえるクルマであること。「軽い・低い・FR」という、走りが楽しいクルマの三原則を現代の技術で蘇らせ、スポーツカー市場を再び活性化させた、歴史的にも非常に意義深い一台です。
86のデザインは、その優れた運動性能を視覚的に表現しています。心臓部である水平対向エンジンの薄さを最大限に活かし、スーパーカーのように低く構えたフロントノーズを実現。これはデザイン性だけでなく、ドライバーの前方視界確保にも大きく貢献しています。
FR伝統のプロポーション エンジンをなるべく車体中央に寄せることで、FRスポーツの伝統であるロングノーズ・ショートデッキの美しいシルエットを描いています。盛り上がった前後フェンダーが、FRらしい躍動感を強調します。
コックピットはドライバー中心に設計され、走りへの期待感を高めます。ドライバーオリエンテッドな設計 トヨタ最小径(Φ362mm)のステアリングホイールや、中央にタコメーターを配した視認性の良いメーターパネルなど、全てがスポーツドライビングのために最適化されています。
「タイヤ4本が積める」広大なラゲッジスペース スポーツカーでありながら、後部座席を倒すとサーキット走行用のタイヤ4本を積載できるという、驚きの実用性を確保。
トランクスルーも備え、一台持ちのオーナーにも優しい設計は、このクルマが支持される大きな理由の一つです。
86の心臓部には、スバル伝統の水平対向エンジン技術と、トヨタの先進的な燃料噴射システム「D-4S」を組み合わせた、2.0L自然吸気エンジン「FA20」が搭載されています。スペック:2.0L 水平対向4気筒NA / 最高出力 200PS 7,000rpmで最高出力を発生する高回転型のユニットです。
NAならではのリニアなフィーリング 「パワーがない」と揶揄されることもありますが、このエンジンの本質は絶対的な馬力ではありません。ターボラグのない自然吸気エンジンならではの、アクセル操作にどこまでもリニアに反応する素直なフィーリングと、高回転まで気持ちよく回るサウンドこそが最大の魅力。パワーを「使い切る楽しさ」を教えてくれます。
86の走りの楽しさの根幹を支えているのが、徹底的にこだわり抜かれたシャシーです。スーパーカーに匹敵する「超低重心」 水平対向エンジンの恩恵により、その重心高はわずか460mm。これは当時のポルシェ・ケイマンやフェラーリといったスーパーカーに匹敵する驚異的な低さです。
軽快で素直なハンドリング 1210kg~という軽量ボディと、FRレイアウト、そして超低重心パッケージが三位一体となり、ステアリングを切れば切っただけ素直に曲がる、軽快でピュアなハンドリングを実現。「コーナーですぐにリアが出る」と言われることもありますが、それはクルマの挙動が分かりやすく、コントロールする楽しさの入り口であることを意味します。
トヨタ 86は、メーカーが作り上げた完成品というより、オーナーが自分色に染め上げていく「最高の素材」としての魅力が真骨頂です。豊富なカスタムパーツで自分だけのスタイルを追求できる。比較的手頃な中古車価格で、FRスポーツ入門にも最適。現代のクルマならではの信頼性と経済性。古いスポーツカーの故障が心配な方や、これからFRスポーツを始めたい方にこそ、心からオススメできる一台です。