更新日時:2025/09/22
こんにちは、HMR広報の小川です。日産が誇るスーパースポーツ、GT-R NISMO。その中でも第2世代(MY17以降)として人気のMY18と、その進化版であるMY20。見た目こそ大きな違いはありませんが、その中身は「究極」を求めて大きく進化しています。今回はその違いを、専門店の視点からわかりやすく解説します。
MY18でも既に完成の域にあった心臓部「VR38DETT」ですが、MY20ではレースの現場で鍛え上げられた技術が投入されました。MY20 → 2018年シーズンのGT3レースマシンで実際に使用されたタービンを新採用 タービンブレードの枚数を11枚から10枚に減らし、薄肉化することで慣性モーメントを14.5%低減。これにより、日産の公式発表では加速時のレスポンスが20%も向上しています。
MY18
MY20
最高出力600PSという数値は同じですが、アクセルを踏み込んだ瞬間に炸裂するパワーの立ち上がりが全くの別物。よりシャープでドライバーの意のままに操れる、切れ味鋭いパワーフィールへと進化しました。同じVR38DETTでも、MY20は「レースで鍛え抜かれた心臓」にアップデートされています。
MY20で最も大きな進化の一つが、ブレーキシステムです。MY20 → ブレンボ社と共同開発したカーボンセラミックブレーキを新採用 ローター径はフロント410mm、リア390mmという世界最大級のサイズを誇り、1,000℃を超える超高温域でも安定した性能を発揮。さらに、スチール製ローターと比較してバネ下重量で約16.3kgもの劇的な軽量化を実現しています。これにより、強力な制動力とサーキット周回でも音を上げない耐フェード性は勿論のこと、ハンドリングの軽快さや路面追従性、乗り心地の向上にも大きく貢献しています。
MY18
MY20
サーキットでのタイムアタックでも安心して踏み込める、まさにプロフェッショナル仕様です。
カーボンパーツによる軽量化とエアロダイナミクスは、NISMOの真骨頂。MY20ではボンネットやルーフなどもカーボン化することで、車両の高い位置にあるパーツを軽量化。低重心化に貢献し、運動性能をさらに高めています。
MY18
MY20
特に注目すべきは、GT3マシンから着想を得たエアダクト付きのフロントフェンダー。エンジンルームの熱を効率的に排出しつつ、フェンダー内の圧力を下げることでタイヤに強力なダウンフォースを発生させ、高速コーナーでの安定性を格段に引き上げています。
MY18
MY20
単なる軽量化ではなく、GT3マシンの空力ノウハウを投入し、走行安定性まで磨き上げられています。
MY18 → 第2世代GT-R NISMOとして、既にカーボンパーツを多用し軽量化を実現した完成度の高いモデル。
MY20 → GT3タービン、カーボンセラミックブレーキ、GT3由来のエアロパーツを投入。レスポンス、制動力、空力の全てを強化し、サーキット性能を異次元のレベルに引き上げたモデル。
見た目は似ていても、その進化の幅は絶大です。