HMR HONDA（エイチエムアール ホンダ）の栗原です。今回は、S2000(AP1)のクラッチ周り一式交換とミッション&エンジンマウントの交換作業を行いました。過去のブログ記事でもS2000のクラッチ交換を紹介していますが、やや他のFR車よりも作業が複雑で工賃も高めとなっております。なら、その時に一緒にアクセスできるパーツもリフレッシュしてしまえばその分の工賃を浮かせることもできます。エンジン・ミッションのマウントが劣化していくと、シフトチェンジがしづらくなったり、エンジンやミッションの振動が車内に伝わって乗り心地が悪化します。できれば同時交換しておきたい箇所ですね。
さらにホンダ車チューニングの定番であるスプーンが開発し、メーカー問わず様々な車種に展開しているアルミパーツ「リジカラ」を装着しました。
S2000(AP1)の部品交換作業〜クラッチ編〜
クラッチ交換は、当初春先の予定でしたが、予想以上に消耗が早くなってしまいレッカーで運ばれての交換となってしまいました。まずは車内のシフトリンケージを取り外していきます。
これでミッションを降ろすための準備の第一段階が完了しました。 
次にエンジンルーム廻りの作業に移っていきます。写真手前のエアクリーナーボックス周辺、エキゾーストマニホールドを取り外していきます。
ベルト類も取り外していきます。
オルタネーターも取り外していきます。各部品取り外しの際にはそれぞれチェックをして交換の必要がありましたら都度ご提案をさせていただいております。 
エキマニカバーを取り外して車体をリフトアップしていきます。 
エキゾーストマニホールドを取り外していくため、先にエンジンマウントを取り外していきます。
マウントラバーを取り外してチェックしていくと、ヒビや裂け目はありませんでしたが、全体的にヤれている感じでした。
エキゾーストマニホールドが取り外されました。 
プロペラシャフトも取り外していきます。 
ジャッキで支えながらミッションを降ろしていきます。 
クラッチカバーにアクセスできるようになったのでどんどんクラッチ周りを取り外していきます。
フライホイールです。今回はこちらも交換していきます。
フライホイールディスクを取り外すとクランクシールリア側が出てきました。クラッチの汚れで真っ黒です。キレイに清掃して、このタイミングでこのシールも交換します。 
取り外したクラッチディスクです。溝が分かりにくくなるほどすり減っています。 
あまりにもすり減ってしまったことでフライホイールにも傷が。この傷はディスクにあるリベットがフライホイールに接触したことで生じる傷です。通常であればフライホイールは、交換ではなく表面研磨でそのまま使用し続けることもできます。
写真下が新しいクラッチカバー、ディスク、フライホイールです。
レリーズベアリングガイドを取り外していきます。かなり汚れています。レリーズベアリング・ベアリングガイドが劣化していくとクラッチを踏み込んだ時のフィーリングがかなり悪化しますのでクラッチ交換と同時に交換しておきたい箇所ですね。
こちらがベアリングガイドになります。
こちらもかなり汚れが酷いですね。クラッチディスクが摩耗した粉がたくさん纏わりついています。
クラッチレリーズフォークも交換します。レリーズフォークはクラッチペダルを踏むことで動くパーツで、レリーズベアリングを引き上げてクラッチカバーに押し付けて、クラッチの切り離しを行います。
新しいフライホイールを装着していきます。
次にクラッチディスク。
クラッチカバーを被せていきます。これでクラッチ周りの部品交換は完了となります。あとは車体に取り付けるだけですが、その前にマウントを交換していきます。
S2000(AP1)の部品交換作業〜マウント編〜
エンジンマウントのマウントラバーを交換していきます。
ミッションマウントも交換します。
右が取り外されたマウントですが、ほんの少しですがラバーが劣化している為ボルトが曲がっているように見えます。
ミッションを車体に取り付けていきます。
ダストブーツももちろん新しいものに交換します。 
S2000(AP1)の部品交換作業〜リジカラ編〜
スプーンが開発販売しているリジカラとは、ボディとサブフレームを締結するボルトとボルト穴の隙間によって生じる振動と車体剛性の損失、両方を解決するパーツで、締結部に挟み込むことで隙間を埋め、本来の車体剛性を引き出します。それによって振動が低減され、静粛性能も向上、走行安定性も向上します。それは年数がたったクルマほどその効果が出ます。S2000は前後6箇所ずつ、合計12箇所取り付けていきます。
分かりにくいですが、車体とサブフレームの間光り輝いているパーツが挟み込まれたリジカラです。
挟み込まれる前の様子です。
既にご納車しており、お客様から「一体感が向上しました！」とその効果の感想をいただきました。作業は以上となります。K様、この度は作業のご依頼ありがとうございました。これからも長く大事にお乗り続けてください。ご相談、ご依頼お待ちしております。
今回の作業費用ですが
・クラッチディスク部品：40,900円
・フライホイール：27,600円
・クラッチレリーズ部品：23,070円
・ボルトその他ショートパーツ：10,580円
・クラッチ交換工賃：56,700円
・エンジンマウント：21,000円
・ミッションマウント：5,920円
・マウント交換工賃：9,000円
・リジカラ：18,000円
・取付工賃（クラッチ交換時）：9,000円
・アライメント測定・調整：20,000円
合計税込で265,947円となりました。
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